頭皮のバリア機能とは?低下の原因と回復期間をご紹介!
頭皮のバリア機能は、育毛環境を良好に保つためにも必要です。
本記事では、頭皮のバリア機能と育毛との関係性について解説しています。
ぜひ、最後までご覧ください。
頭皮におけるバリア機能とは?
頭皮も肌の一部ですが、常に紫外線など、外部からの刺激などを受け続けています。
そして、外部から受ける刺激から頭皮や肌を守ってくれる仕組みがバリア機能です。
バリア機能が衰えてしまうと、頭皮は育毛力が低下する可能性があるため注意が必要。ここでは、バリア機能の特徴や育毛との関係性について解説しています。
それでは、詳しくみていきましょう。
バリア機能の特徴は?
育毛とも深くかかわりのあるバリア機能。そもそもバリア(barrier)とは、「障壁」「防壁」「障害物」を意味します。
SF作品に、敵から攻撃を防ぐ防御方法としてよく登場しますが、頭皮に備わっている障壁・防壁機能のようなイメージです。
もともとヒトの皮膚は、下記のような構造を持ちます。
- 表皮(表皮の内側から基底層→有棘層→顆粒層→角質層の4層構造になっている)
- 真皮
- 皮下組織(皮下脂肪層)
皮膚全体にバリア機能が備わっているということではなく、機能する部位は角質層のみ。
さらに角質層は、「皮膚膜」「天然保湿因子(NMF)」「細胞間脂質」の3つの機能で頭皮を外部刺激から守っています。
肌は常に外部からの刺激などを受け続けていると前述しましたが、このような刺激を受け続けていると、皮膚の保水機能が弱体化してしまうため頭皮など敏感な部位に悪影響を及ぼします。
そして肌から水分が蒸発していき、乾燥した頭皮になりやすくなってしまうため大変危険。
また強い刺激を受けた頭皮は、湿疹などの疾患を発症するリスクも伴います。
外部的刺激による乾燥や疾患が発症しないよう頭皮が刺激を受けない、もしくは受けても弱体化させている仕組みが、バリア機能といえます。
バリア機能と育毛との関係性は?
頭皮は、主に下記の要因で外部刺激を受けます。
- 紫外線
- 風
- ドライヤーや熱波による熱
- シャンプーや整髪料に含まれている刺激
- 髪やタオルとの摩擦
前述したように、これらの刺激はバリア機能が軽減してくれますが機能が低下している状態で常に受け続けたり受ける刺激が強かったりすると、頭皮が乾燥し疾患を発症しやすくなります。
乾燥していたり疾患を発症している頭皮の状態は、育毛しにくい環境。
つまり、バリア機能の低下は薄毛や抜け毛を招くということです。
バリア機能が低下する理由を解説!
バリア機能の低下は、育毛力の低下を招いてしまいます。
そのため、育毛のためにも機能の低下は防がなければなりません。
機能が低下することを防ぐには、その理由を知っておくことが重要。
機能低下はさまざまなことが原因となって起こるといわれていますが、ここでは「頭皮の乾燥」「皮脂の量」について紹介しています。
頭皮の乾燥
機能が低下した状態で刺激を受け続けると起きるのが頭皮の乾燥ですが、これがバリア機能低下の原因となっているケースは珍しくありません。
空気が乾燥しやすい冬、エアコンのかかった室内などは湿度が低いため乾燥しやすいです。
長時間空気が乾燥していると、角質層の水分量が減って肌細胞のターンオーバーが正常に機能しなくなり、バリア機能の低下を招くといわれています。
株式会社フロンティアエンゲージメントによると、頭皮の潤い重視の適正湿度は60〜65%。
そもそもこの湿度を常に保つことは困難ですが、空気の乾燥しやすい季節や部屋でエアコンをかけるのであれば、加湿器を使うなどしてできるだけ空気が乾燥しないように心掛けましょう。
皮脂の量
正常な状態でバリア機能を保つには、角質層が水分と油分のバランスを保つことが重要。そのため、油分となる皮脂の量が少なくなっても機能は低下します。
皮脂の量は年齢とともに減りますが、日々の食事の内容や生活習慣によって増減することが明らかとなっています。
また、下記の内容でも皮脂の量に影響することがあるため注意が必要です。
- 空気の乾燥
- ストレス
- 紫外線からのダメージ
皮脂の量が少なくても機能低下によって育毛に悪影響を及ぼしますが、逆に多すぎるのも育毛にはよくありません。
頭皮に皮脂が多いと皮脂についた汚れやフケが毛穴に詰まり、育毛が阻害される危険性が伴います。
また皮脂をエサとする雑菌が大繁殖し、頭皮状態をさらに悪化させ育毛力の低下を招きます。
皮脂の分泌量が増えすぎるのも、育毛に悪いため日々における頭皮のケアは大切です。
タオルドライ後の自然乾燥によるもの
頭皮のバリア機能を構成する、3つのバリア成分が蒸発し機能が低下してしまう理由には、タオルドライ後の自然乾燥も考えられます。
忙しい毎日を過ごしていたり、疲れやストレスを感じると、つい億劫になってタオルドライ後にすぐにドライヤーを使うヘアケアがおろそかになった経験はありませんか?
シャンプー後にタオルドライをした髪は、髪や頭皮のうるおい・栄養を守るキューティクルが開きっぱなしになることで乾燥しやすく、雑菌の繁殖にも注意しなければならない状態です。
そのためタオルドライ後に自然乾燥に任せてドライヤーを使わないと残った水分が蒸発する際に髪と頭皮に保持されていたうるおいも一緒に蒸発してしまいます。
するとバリア機能を守る要素となるうるおいがどんどん不足・減少してバリア機能が弱まり、薄毛や猫っ毛などのトラブルにつながってしまうのです。
湯温の高いシャワーを使っているため
頭皮のバリア機能はお伝えしたように3つのうるおい成分で構成され、熱に弱い性質を持ちます。
毎日の入浴、シャワーなどで湯温の高いお湯を使い、髪を洗うことが習慣になっていると、入浴のたびに頭皮のバリア機能を構成する3つの成分が熱ダメージを受け、分解や不足につながってしまいます。
するとバリア機能を守る3つの成分が不足・減少して頭皮や髪は刺激や摩擦に弱いコンディションに変わてしまいます。
高い湯温の熱ダメージで機能が弱くなってしまったバリア機能は、ささいな刺激・摩擦を受けるだけでも強いダメージを受けて頭皮トラブル・毛質の変化につながることがあるのです。
入浴やシャワー時は頭皮のバリア機能を守るためにも高い湯温を避け、38~40℃程度のぬるま湯を使ってケアすることがおすすめですよ。
頭皮の保湿が不十分だから
毎日のシャンプーでは、まず頭皮と髪のべたつき・汚れ・ニオイを取り除こうと、洗浄力の強いシャンプーを選んだり、ゴシゴシ洗いをすることも多いのではないでしょうか?
汚れを洗い流す、ゴシゴシ洗いにばかりに気を取られていると、頭皮のバリア機能を守るための保湿ヘアケアが不十分になり、頭皮と髪は常に乾燥状態に変わってしまいます。
シャンプーにもいろいろな種類がありますが、特にプチプラで市販品が多い高級アルコール系・石鹸系のシャンプーは、洗浄力が強すぎて頭皮と髪に必要なうるおい・栄養もまるごと洗い流してしまいます。
シャンプーのタイプに気を配れていない、ゴシゴシ洗いが日常になっていると毎回の強い洗浄力や刺激でバリア機能にダメージが蓄積してしまい、本来の外的な刺激や摩擦を跳ね返す働きが活きなくなってしまいます。
頭皮のバリア機能の回復方法は?
文中に角質層(バリア機能)は「皮膚膜」「天然保湿因子(NMF)」「細胞間脂質」の3つ分かれていると書きました。
その為、この3層をサポートが出ればよいのです。
ケアが出来る特に大事な要素は下記となります。
皮膚膜 |
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天然保湿因子(NF) | |
細胞間脂質 |
|
アミノ酸系のシャンプーを使う
バリア機能を回復させる王道の方法として、アミノ酸系のシャンプーを使う事です。
薬局で買える市販のシャンプーは、石油系の洗浄剤を使用しており、洗浄力が強く安価で作成が出来る分、頭皮に必要なものまで洗い流してしまいます。
アミノ酸系のシャンプーは、高く洗浄力がマイルドなので頭皮を傷つけません。
頭皮のバリア機能を助ける栄養、食べ物を摂る
頭皮のバリア機能本来の、うるおい保持やターンオーバーの正常化、髪と頭皮をさまざまな刺激や外的ダメージから守るために、必要な栄養・食べ物を積極的に補うようにしましょう。
頭皮のバリア機能を守る栄養、食べ物は意外に身近で入手しやすい種類ばかりとなっています。
以下にバリア機能を助ける栄養と含有の多い食べ物をまとめてみましたので、今日からの食生活に積極的に摂り入れてみてくださいね。
頭皮と髪の保湿力を助ける”タンパク質”
頭皮と髪、バリア機能を担う角質層は、すべてタンパク質から構成されています。
- 肉類
- 魚類
- 大豆製品
- タマゴ
- 根菜
- キノコ類
などにタンパク質は多く含まれ、この栄養素は角質層・頭皮を新しく作り出すことで代謝を高めていきます。
すると角質層・頭皮のターンオーバーがスムーズになり、うるおいをたっぷりと含んだバリア機能を常に維持できて、乾燥や乾燥によるダメージに強いコンディションへと強化できますよ。
頭皮のうるおいを保持する”ビタミンA”
βカロテンの別称ともなるビタミンAは、頭皮のうるおいを守りバリア機能本来の機能を助ける働きがあります。
ビタミンAは、
- にんじん
- 小松菜
- ほうれん草
- レバー類
- 魚介全般
に多く含まれ、バリア機能を構成する成分のひとつ”天然保湿因子のNMF”の生成を活発にすると言われていますよ。
頭皮の血行促進、エイジングケアに役立つ”ビタミンE”
血液循環は水分や栄養を運ぶ役割があるため、頭皮の血行が悪いとバリア機能にも水分が運ばれずにうるおい不足となり、頭皮トラブルや髪のパサつき、著しい抜け毛に変わってしまうことがあります。
頭皮の血行を促す効果的な成分・ビタミンEは、
- ナッツ類全般
- 緑茶
- カボチャ
- 魚の卵
に含有が多くバリア機能のダメージの原因となる活性酸素の発生を抑えたり無効化する働きがあります。
バリア機能の安定はうるおいを運ぶ血行を促すことも大切なので、ビタミンEは毎日の食事に欠かさずに摂り入れるようにしましょう。
頭皮の角質生成を助ける”ビタミンB6”
頭皮の代謝ビタミンとも呼ばれることがあるビタミンB6は、バリア機能のベースとなる角質層の細胞を生成する働きがあります。
- ニンニク
- さつまいも
- イワシ、まぐろ
- ピスタチオ
などに含有が多く、積極的に補うことで新しく丈夫な頭皮の角質層がどんどん賛成できる分、3つのバリア機能成分の生成や保持にもアプローチできますよ。
バリア機能回復食のポイントと注意点
上記を含む食べ物の接種する事によりバリア機能を回復させる事が出来ます。
牛肉や豚肉は、脂があるから髪の毛に良くないと思われがちですが、タンパク質は髪の毛を構成する成分の筆頭なので、積極的に摂りましょう。
ただ、肉を食べると白米も一緒に食べたくなりますが、こちらは髪の毛にあまり良くありません。
糖分を多く摂り過ぎると「糖化現象」が起きて、細胞の老化を早めてしまいます。
また、アルコール(お酒)も良くありませんの注意をしましょう。
ヘッドスパを受けて頭皮の血行を促す
頭皮のバリア機能が低下し、ささいな刺激や摩擦を受けただけでもたくさんの抜け毛が出てしまう、といった深刻な状態の場合はヘッドスパのプロによる集中的なケアを考えてみてはいかがでしょうか?
ヘッドスパにはさまざまな種類があり、
オールハンドのドライヘッドスパ | 頭皮のツボ、リンパ経路に沿ったハンドマッサージで血行を促し、バリア機能の強化にアプローチする |
オイルを使ったヘッドスパ | 時短で頭皮に栄養、うるおいを補い水分と油分のバランスを整えながらバリア機能を高める |
デンキバリブラシを使ったヘッドスパ | 角質層、頭皮筋に電気刺激を与えて血流、水分の循環を促す |
クリームを使ったヘッドスパ | 頭皮のバリア機能を構成する3つの成分を増やすエッセンスを補える |
といった頭皮環境・髪質の悩みに応じた種類を手軽に選ぶことができます。
ヘッドスパサロンでは実際に施術を受ける前にバリア機能低下による不安や悩みのカウンセリングも受けられ、最適なプランのアドバイスでバリア機能の向上、悩み解決につながりますよ。
さらにヘッドスパでケアできる頭皮の筋肉には、血行を促したり水分供給を助ける働きがあります。
そのため、定期的にヘッドスパを受けておくとバリア機能アップと頭皮状態両方の健康にアプローチできるでしょう。
頭皮専用の化粧水で徹底した保湿を
紫外線や熱によるダメージ、日々のスタイリングやターンオーバーの乱れなどさまざまな負担が重なっている頭皮のバリア機能。
根本的な原因となる水分不足を補うために、頭皮専用の化粧水を活用してみることもお勧めです。
頭皮ローションとも呼ばれている頭皮専用の化粧水は、
- 時短で頭皮の水分不足をケアできる
- みずみずしい使用感でべたつきが少ない
- ミスト、ジェル、ローションと好みの使用感を選べる
などのおすすめポイントがあり、手っ取り早くバリア機能低下の原因、頭皮のうるおい不足をケアしたい方におすすめです。
- バリア機能向上の代表的な成分”セラミド”
- 優れた保水力を誇る”ヒアルロン酸”
- 頭皮、髪両方のうるおいケアに役立つ”コラーゲン”
など保湿・保水・バリア機能ケアに必須の成分を配合しているため、継続的な使用で頭皮にうるおいが満ち、外的な刺激を跳ね返すバリア機能が育っていくでしょう。
さいごに|バリア機能を維持することで育毛対策に繋がる!
今回は、頭皮のバリア機能と育毛との関係性などについて解説してきました。
乾燥や分泌される皮脂の量によって頭皮環境が悪化する危険性が伴うため、注意が必要。
バリア機能を維持して育毛に効果的な頭皮環境を整えることが重要です。
この機会にぜひ、育毛剤などを活用しバリア機能を維持できる取り組みを心掛けてみてはいかがでしょうか。