頭皮の乾燥が薄毛の原因?薄毛対策で保湿が重要な理由とは?
頭皮を触った際に硬いと感じたことはありませんか?
頭皮には、水分が蓄えられているため弾力があります。しかし乾燥していると、弾力がなくなります。そのような状態だと、薄毛や抜け毛になってしまうかもしれません。
また、美しい肌の欠かせない条件となっている「保湿」。そして保湿は、薄毛対策をするのにも欠かせない条件です。
頭皮を保湿することによって、薄毛予防や育毛対策になるのはなぜなのでしょうか。
本記事では、頭皮を保湿することで得られる髪の毛に関する効果について解説しています。
また、保湿が重要な理由や保湿方法についても紹介していますので、ぜひ最後までご覧ください。
頭皮が乾燥すると薄毛や抜け毛になる?
頭皮には水分を蓄える機能が存在していることは、ご存知でしたか?
頭皮を保湿する役割を担っているのは、主に下記の3つです。
■細胞間脂質
■皮脂膜
天然保湿因子とは下記の様なものになります。
NMF(Natural Moisturizing Factor)は、角質層に存在する保湿成分のひとつで、天然保湿因子とも呼ばれています。 約40%はアミノ酸でできており、その他はPCAや乳酸、糖類などで構成されています。 NMFは吸湿性・保湿性があり、角質層の水分保持に重要な役割を担っています。
引用:NMF(天然保湿因子)アミノ酸
頭皮を外部刺激から守るためには、これらのバリア機能が欠かせません。
しかし、乾燥によってうるおいがなくなってしまうと、バリア機能の維持に影響を及ぼしてしまいます。
そうなると外部からの刺激に弱くなり、「頭皮環境の悪化」「炎症の発生」という問題が発生します。
頭皮環境の悪化は、薄毛や抜け毛になる原因です。
また炎症によってかゆみが発生し、かゆみに耐えられずにかいてしまうと、さらに頭皮がダメージを受けてしまいます。
これによりさらに炎症が悪化してしまい、悪循環が生まれてしまうでしょう。
ただ、かゆみが発毛の前兆というケースもあり得るので、「ムズムズしたかゆみ」や「抜け毛がないかゆみ」だった場合は見極めが大切です。
頭皮が乾燥する理由は?
頭皮の乾燥には、さまざまな理由があります。なかでも、主な要因は下記の4つです。
季節的な要因
日本には四季があり、それぞれ違った特色をもつ季節を味わう事が出来ますが、冬は乾燥しやすい時期と言われております。
その理由としては、空気中に含まれる水蒸気量は温度によって変化します。
冬は寒いの暖房をつけるのですが、そうすると温度は上昇しても水蒸気量は変わりませんので、乾燥してしまうのです。
洗浄力の強いシャンプーの使用
シャンプーの種類には大きく分けて5種類あります。
どういった種類で分けるのかというと「界面活性剤」の種類でシャンプーの品質はほぼ決まります。
シャンプーが乾燥の原因となる理由は、この活性剤が大きく影響しています。
石油系(高級アルコール系)の界面活性剤を使用しているシャンプーは、洗浄力が強く少量でも汚れをしっかり落とす反面、頭皮の必要な皮脂等も取ってしまう為、乾燥やその他のトラブルを起こしてしまいます。
ドライヤーの使い方
ドライヤーの使い方によっても乾燥することがあるため注意しましょう。ドライヤーの熱は、髪だけでなく頭皮の水分まで奪い、薄毛になる恐れがあります。
なぜ、保湿ができていないと髪の毛に悪い影響が出てしまうのでしょうか。
ここでは、髪の毛と保湿の関係として、頭皮の保湿効果や保湿が重要な理由について解説していきます。
それでは、詳しくみていきましょう。
頭皮の保湿効果とは?
「保湿」とは、乾燥し過ぎないように一定の湿度を保つこと。
ただし、肌の保湿の場合は少し意味が異なっており、下記の2つの状態を保つことを意味します。
肌(角質層)に十分な水分を保っている
十分な水分とは、角質層は約80%のたんぱく質と約20%の水分でが保たれている状態の事です。
水分が逃げないように皮脂膜で蓋がされている
正常な状態の肌は、皮脂膜と呼ばれる薄さわずか0.5ミクロンの天然の保護膜に覆われています。
この皮脂膜には、
- 角質層の水分蒸発を防ぐ
- 菌の侵入や繁殖を防ぐ
- 外部からの衝撃や刺激を逃がす
- 角質が剥がれるのを防ぐ
といった役割があります。
角質層に十分な水分が保たれていない・皮脂膜で覆われていない状態が続くと、肌は乾燥した状態になりますが、乾燥状態が続くと下記のような悪影響が頭皮などを含めた肌に出てきます。
- 組織が乱れ、乱れた部分がシワとなる
- 細胞が衰え、細胞の硬化が起こる
- 柔らかさが失われたことで、ざらつきやくすみも出る
- ターンオーバーのリズムが早くなる
- 皮脂の過剰分泌がおきて、脂っこい肌になる
- ちょっとした刺激でも肌が傷ついたり、炎症したりするようになる
生活習慣や食生活の乱れ
さらに、運動不足や偏った食生活、睡眠不足などの生活習慣の乱れも影響があります。
生活習慣が乱れによって身体がストレスを受けると、頭皮環境が悪化して乾燥しやすくなります。
特にビタミン系が足りなくなると乾燥しやすいので、フルーツ等で補うと良いでしょう。
頭皮の保湿が重要な理由とは?
頭皮の保湿がなぜ重要なのか、ここでは知っておきたいさまざまな理由を解説していきます。
乾燥状態は血行不良を起こす
乾燥状態は組織の乱れや硬化が起こしますが、その一つに細胞の柔らかさが失われるという事があります。
頭蓋骨と頭皮との間の柔軟性が低下してしまい、その結果、血行不良が起きて薄毛が進行します。
フケが発生する
ターンオーバーのリズムが早くなったことで細胞が次々とはがれ落ちてしまい、フケが大量に発生します。
そのフケや多量に分泌された皮脂で毛穴が塞がれてしまうと、抜け毛やが起きやすくなります。
さらに傷や炎症によって頭皮が受けたダメージは、毛母細胞にも伝わり、それによっても髪の毛に悪い影響を及ぼすでしょう。
発毛サロンに来られる方の7割は乾燥が原因で様々なトラブルが起きています。
脂性で皮脂が普通の人よりも多いと思っている方も、実は乾燥している為に皮脂が多くなっているだけで根本的な原因は保湿不足というのが原因として多いです。
特に寒い冬は抜けが多くなる時期なので、気を付けたいですね。
ターンオーバーが乱れる
古い髪と頭皮から新しい頭皮に生まれ変わるサイクルのことをいうターンオーバーは、皮膚の水分量が保持されていることによって安定します。
頭皮や髪が乾燥し、うるおいが不足しているとターンオーバーが乱れて、抜け毛や薄毛、白髪などのトラブルが長期化する原因になります。
安定したターンオーバーに整えていくためにも、毎日の頭皮と髪の保湿は欠かせないメソッドと言えるのです。
雑菌の繁殖、ニオイのもとに
頭皮や髪の乾燥は、血行が悪くなることで皮膚の新陳代謝がうまくいかず、雑菌の繁殖につながってしまいます。
頭皮や髪に雑菌が繁殖すると、酸化によって頭皮のニオイにつながる心配も。
雑菌の繁殖による頭皮のニオイは、空気や風、その人の動きによってニオイが分散してしまうこともあり、まわりに気づかれてしまう心配も少なくはありません。
頭皮を乾燥から守って保湿する方法!【ヘアケア編】
頭皮を乾燥から守るために、ここでは毎日のヘアケアでできる保湿の方法をご紹介していきます。
シャンプーはアミノ酸系の界面活性剤に変える
高級アルコール系などのシャンプーは、必要な皮脂まで洗い流してしまう恐れがあります。
これだけでも保湿力がかなり保たれます。
刺激の強いと、その刺激がダメージとなってしまう可能性があります。
皮脂はできるだけ洗い流したほうがいいと、考える方もいらっしゃるかもしれません。
しかし、皮脂は保湿には欠かせない潤い成分。ある程度皮脂が残っていないと、頭皮が乾燥してしまいます。
「育毛シャンプーの選び方を紹介!界面活性剤が入っている市販のシャンプーは薄毛になる?」で良いシャンプーや悪いシャンプーを紹介しています。
洗浄力がマイルドなアミノ酸系のシャンプーに変更することで、必要な皮脂を洗い流さずに保湿効果を維持できるでしょう。
正しい洗髪をする
洗浄力と刺激の弱いシャンプーを使用し、洗う方も刺激も弱めるためにも爪は立てず指の腹を使い、ゴシゴシ洗わないようにしましょう。
また、高温のお湯も皮脂膜まで取り除いてしまったり、強い刺激となるので、38℃の程度のぬるま湯で洗うことがおすすめ。
刺激を防ぐためにすすぎをサッと済ませるのはよくありません。
さらに、シャンプーやリンスの成分が頭皮に残らないように、すすぎに気をつけることも重要。
洗髪後にドライヤーを使用する場合は、8割くらいまで乾かし後は自然に乾燥させると、頭皮の乾燥が防げます。
また、シャンプーを手に取ってからいきなり頭皮につけてしまうと、摩擦が生じてうるおいが奪われ、乾燥の原因になることがあります。
シャンプーを手に取った際は、手のひらで十分に泡立てて頭皮につけることが頭皮への摩擦や刺激からの乾燥を抑えるポイントになりますよ。
ドライヤーを見直す
温度の高いドライヤーを使用すると、髪だけではなく頭皮の乾燥にも影響があり、抜け毛などが増える恐れがあります。
一般的なドライヤーの温度は、約100~120℃。これでは、乾燥が頭皮にまで及んで薄毛になる原因になる恐れがあります。
現在市販されているドライヤーのなかには、風量を強くすることで低温でも髪を乾かすことができるドライヤーが存在します。
乾燥を抑えるために、そのような低温のドライヤーに変更することも検討しましょう。
ドライヤーの使い方にはその他にも、髪と頭皮から20㎝程度離して使うことがポイントです。
ドライヤーは使い方を間違うと熱の作用によって頭皮の乾燥につながるため、使用時は髪と頭皮に近づけ過ぎないよう注意しましょう。
濡れた髪はキューティクルが開いた状態で、ドライヤーの温風によってシャンプーやトリートメント、アウトバストリートメントに含まれた栄養を浸透させます。
代わってドライヤーの温風は、開いたキューティクルを閉じてヘアケアアイテムの成分を髪の内部に閉じ込める働きがあるため、温風・冷風を交互に当て、最後に冷風で仕上げる使い方を習慣にしてみましょう。
頭皮用の保湿ローションを使う
頭皮の保湿ができるローションが、さまざまなメーカーから出ています。
外出前や後に使うことで、外気による乾燥や紫外線からの影響が軽減できます。
また、洗髪後に使用するのもおすすめ。保湿だけではなく、頭皮環境の改善を図ることができる商品も存在し、低価格でも販売されています。
コンディショナー等にはヒューメクタント成分等の潤いを与える成分が入っている為、単純にコンディショナーを使うだけでも効果があります。
頭皮専用の保湿ローションには、
- うるおいを与えて髪の芯を強化するヒアルロン酸
- 毛母細胞を刺激して髪の成長を促すコラーゲン
- 髪の毛の深部のうるおいを保持するセラミド
といった成分が配合されているものを選ぶと、乾燥をケアしながらも抜け毛・薄毛の予防にアプローチできます。
頭皮専用の保湿剤は、手のひら・指の間に適量を馴染ませ、指でブラシをするように馴染ませていくと、内側の髪にもしっかりと保湿成分を浸透させることができます。
頭皮専用の日焼け止めを使う
紫外線は季節や天候にかかわらずに常に降り注ぎ、髪のうるおいやハリ、ツヤ、コシを守るキューティクルや、コラーゲンを破壊する性質があります。
髪は顔やボディに比べると、紫外線の影響をダイレクトに受けやすいパーツとなるため、専用の日焼け止めを使って光のダメージをブロックしましょう。
頭皮専用の日焼け止めには、
- 手肌を汚さずに手軽に使えるスプレータイプ
- みずみずしい使用感で皮脂の収れん作用もあるジェルタイプ
- 乾燥、敏感な肌質にも使えるミルクタイプ
といったタイプがバリエーションされているため、頭皮状態に合わせた質感・機能を選んで継続的に使用しましょう。
サロンでのスペシャルケアを行う
頭皮と髪の乾燥が進んでいると、自分自身でのお手入れが追い付かなくなることも少なくはありません。
- ヘッドスパ
- アロママッサージ
- トリートメント
といった、サロンで受けられる集中的なケアは、髪と頭皮の乾燥ケアに効果的な成分を浸透させる目的があるため、月1~2回は集中的な乾燥対策を取ってみることもおすすめですよ。
頭皮を乾燥から守り保湿する方法!【日常生活編】
頭皮を乾燥から守って抜け毛や薄毛の悩みを解消していくためには、ヘアケアばかりではなく日常生活を送る上でのポイントがいくつかあります。
ヘアケアと一緒に習慣づけていきたい、頭皮を乾燥から守り保湿する、日常生活でのポイントを一緒に見ていきましょう。
加湿器を使用して部屋の湿度を保つ
暖房器具の使用は、部屋を暖めるだけではなく空気を乾燥させてしまいます。
空気が乾燥すると、頭皮も乾燥してしまいます。
とはいえ、冬場の寒い時期に暖房をつけないということは難しいのではないでしょうか。
暖房による乾燥を防ぐためには、加湿器を使用することがおすすめ。加湿器を使用することで、部屋の湿度を保つことができます。
加湿器を使用する際は、部屋が約45~60%の湿度になるように調整しましょう。
帽子や日傘を使う
紫外線や日差しの強い時期は、帽子や日傘を使うと紫外線対策が可能。
ただし、暑い時期に帽子をかぶると、今度は蒸れによって悪影響が出てしまう可能性があります。
そのため、通気性のよい帽子を選びましょう。
ちなみに、「日差しが強い時期=紫外線が強い時期」ではありません。
5月から8月が、1年の間で紫外線が最も強い時期ですので、注意しましょう。
ストレスを感じたら早めにケアしておく
頭皮や髪は、メンタル面の影響をダイレクトに受けやすい部位と言われています。
ストレスを感じると、常に交感神経が優位に立って血流が悪くなったり、大量の活性酸素が発生して細胞や血管を傷つけてしまうため、趣味や好きなこと、リラックスできる時間をたくさん取ってストレスを溜めない生活を心がけてみましょう。
睡眠のリズムを整えていく
ぐっすりと眠れて朝は気持ちよく目覚められる、質の良い睡眠のサイクルは、髪と頭皮の健康にかかわりの深いホルモンバランスや自律神経の安定化につながります。
また安定した睡眠リズムは髪と頭皮のトラブルを修復する成長ホルモンの恩恵を受けられるため、ぐっすり眠るための環境、メンタルケアにも気を配ってみましょう。
食生活の乱れを改善していく
糖質や脂質の多い食べ物は、脂肪細胞に吸収されて過剰な皮脂分泌に変わってしまいます。
皮脂の分泌が過剰になると、頭皮が常にべたついて毛穴が詰まり、栄養のめぐりが悪くなってしまうため、髪と頭皮の健康に良い食生活を心がけてみましょう。
以下のような食べ物、栄養は、抜け毛や薄毛、白髪のケアに効果が期待できるため、これからの食生活でこまめに摂ってくださいね。
- 肉や魚類、乳製品のタンパク質:髪と頭皮をつくる材料となる
- 大豆製品に含まれるビタミンB群:髪と頭皮の新陳代謝を助ける
- 魚介類に含まれる亜鉛:育毛のサイクルを整えて成長期の丈夫な髪を生やす
頭皮の乾燥対策に良い食生活は、いろいろな食べ物からたくさんの栄養を補うことがポイントになるため、バランスを意識した内容に整えておきましょう。
ブルーライトの影響を少なくしていく
パソコンやスマートフォン、テレビといった身近な電化製品から発せられるブルーライトは、紫外線と波長が似ていることから第3の紫外線と呼ばれることがあります。
頭皮や髪は、皮膚に比べて倍紫外線を吸収する性質があると言われているため、ブルーライトの影響を与えないためにも
- スマホ、パソコン、テレビの使い過ぎに注意する
- ブルーライトカット専用のサングラスやメガネの活用
- ブルーライトの影響を抑える専用のシートを画面に貼り付ける
といった対策を取っておくことも、頭皮と髪を乾燥から守るコツになります。
さいごに|頭皮を保湿して薄毛対策しよう!
今回は、頭皮の乾燥による育毛への影響について解説しました。
頭皮が乾燥するとバリア機能が低下してしまい、炎症が発生して頭皮環境を悪化させてしまうでしょう。
頭皮環境の悪化は、薄毛の原因。そして、乾燥には、さまざまな原因が考えられます。
髪の毛で覆われている頭皮は、本来は肌のなかでも乾燥しにくい場所です。
その頭皮の乾燥状態が続くのには、何か原因があるはずです。そのまま放置していると、高い確率で髪の毛にも悪い影響が出ます。
乾燥状態が続くようなら、原因を特定し、保湿を行うようにしましょう。
また、「本記事で紹介した方法を試しても改善されない」「乾燥によって赤みや痛みなどの症状が起きている」という方は、皮膚科などの専門医による診察を受けることをおすすめします。