【AGAの基礎知識】5αリダクターゼとは?Ⅰ型とⅡ型の違いも紹介!

AGA(男性型脱毛症)になった頭皮を育毛発毛させたいのであれば、5αリダクターゼの抑制が鍵を握ります。
しかし、5α-リダクターゼにはⅠ型とⅡ型があり、その特徴や違いについてはあまり知られていません。
本記事では、そんな5α-リダクターゼが髪の毛に与える影響をテーマに解説しています。
また、Ⅰ型とⅡ型との違いや薄毛になる理由についても紹介しています。
ぜひ、最後までご覧ください。
髪の毛と5α-リダクターゼとの関係性は?薄毛になる仕組みについて解説!
ここでは、髪の毛と5α-リダクターゼとの関係性や薄毛になる仕組みについて解説しています。
5α-リダクターゼとは?
5αリダクターゼとは、生体内の酸化還元反応を触媒する酸化還元酵素の1つ。
そもそも、酸化還元反応とは2種の物質の間で、電子・酸素原子・水素原子の授受が行われる化学反応のことです。
酸化還元反応(さんかかんげんはんのう)とは化学反応のうち、反応物から生成物が生ずる過程において、原子やイオンあるいは化合物間で電子の授受がある反応のことである。
引用:酸化還元反応 – Wikipedia
ヒトの体内にある男性ホルモンには、筋肉の発達や性欲を高める働きがあり、体毛を増やしたり濃くしたりする男性ホルモン(テストステロン)があります。
また、5αリダクターゼはテストステロンを酸化還元反応によって、より強力なホルモンとして機能するジヒドロテストステロン(DHT)に変換する役割を持ちます。
このジヒドロテストステロンを胎児が感知すると、股間に男性器を形成し始めます。
つまり、ジヒドロテストステロンを生成する5αリダクターゼは悪とされがちですが、本来男性にとって必要不可欠な成分なのです。
5α-リダクターゼⅠ型とⅡ型との違いは?
5α-リダクターゼⅠ型 | ほぼ全身の毛の毛乳頭に存在します。頭の場合は側頭部や後頭部等に存在し、女性の薄毛に多いです。 |
5α-リダクターゼII型 | 頭皮・脇・髭・陰部等の毛乳頭に存在します。頭の場合は前頭部や頭頂部に存在し、男性の薄毛(AGA)に多いです。 |
薄毛治療などで5αリダクターゼを抑制することもあります。ところで、5α-リダクターゼには3種類存在することはご存じでしょうか。
これら種類によって、異なる働きをします。
育毛を促すためには5α-リダクターゼを抑制させる必要がありますが、3種類あるなかで薄毛に関わる物質はⅠ型とⅡ型。
Ⅰ型は側頭部や後頭部の薄毛に、Ⅱ型は前頭部や頭頂部の薄毛に関係しているといわれています。
5α-リダクターゼが薄毛に影響する理由は?
5αリダクターゼが髪の毛に影響を与える理由は、酸化還元反応によって、体内にDHT(ジヒドロテストステロン)を作り出すためです。
簡単な公式としては男性ホルモン(テストステロン)と5α還元酵素(5αリダクターゼ)が結び付きDHTが発生します。
このDHTが強力な脱毛シグナル「TGF-β」を出します。
なので、AGAはもともと5αリダクターゼⅡ型の多い前頭部や頭頂部に発生するのです。
ただ、世間一般的には上記で完結されてしまっていますが、実は脱毛の原理としては先があります。
DHTは単体では働かず、体内で効果を発揮するためには、アンドロゲンレセプターという受容体と結合する必要があります。
しかし、そのアンドロゲンレセプターと結合することで、毛母細胞が髪を作る働きを低下させてしまうのです。
5α-リダクターゼを抑制して育毛させる方法は?
ここでは、5α-リダクターゼを抑制して育毛させる方法について解説しています。
5α-リダクターゼを抑制するのに効果的な方法は治療薬(プロペシア)を用いることです。
ちなみに、5α-リダクターゼ抑制に用いられることが多い治療薬が「フィナステリド」や「デュタステリド」。
また、治療薬ほどの効果は期待できませんが、ノコギリヤシや亜鉛のサプリメントも5α-リダクターゼを抑制してくれるといわれています。
5α-リダクターゼは、酸化還元反応によってテストステロンをジヒドロテストステロンに変換されることは前述しました。
変換されるテストステロンが少ない方が体内のジヒドロテストステロンも減るような気がしますが、それは違います。
テストステロンが減ることで、それを補おうとして5αリダクターゼと結び付きが強くなり、結果として体内のジヒドロテストステロンが増えます。
つまり、テストステロンを増やせば、5α-リダクターゼを抑制することと同じ効果を得ることができるでしょう。
テストステロンを増やしたいのなら「しっかり睡眠時間を確保すること」「適度に運動すること」を心掛けてください。
さいごに|5α-リダクターゼの作用を理解して薄毛対策しよう!
5α-リダクターゼ自体が、髪の毛に悪影響を与えるということではありません。
5α-リダクターゼを抑制する考えよりも、体内のジヒドロテストステロンの量を減らす方法を考えましょう。
ジヒドロテストステロンとアンドロゲンレセプターの結びつきやすさには、個体差があります。
テストステロンを増やせば、ジヒドロテストステロンが減るため、髪の毛の成長によい効果をもたらしてくれるでしょう。
最後に、本記事の内容をまとめます。
- 5αリダクターゼとは、生体内の酸化還元反応を触媒する酸化還元酵素の1つ
- 5α-リダクターゼの種類で薄毛に関わる物質はⅠ型とⅡ型
- Ⅰ型は側頭部や後頭部の薄毛に、Ⅱ型は前頭部や頭頂部の薄毛に関係している
- 5αリダクターゼが髪の毛に影響を与える理由は、酸化還元反応によって体内にジヒドロテストステロンを作り出すため
- 5α-リダクターゼを抑制するのに効果的な方法は治療薬を用いること
- テストステロンを増やすなら「睡眠時間を確保すること」「適度に運動すること」
本記事が参考になれば幸いです。