テロメアが育毛の鍵?老化は薄毛になる原因【ヘイフリックの限界】
私たちの体は、細胞分裂を行いながら生命活動を維持しています。
細胞が古くなったり傷ついたりしたときに、分裂をして常に新しい細胞を生み出すために健康でいることができるのです。
これは髪の毛も同じ。髪の毛は、毛母細胞が分裂を行うことで、伸びたり新しく生えてきたりしています。
しかし、こうした細胞分裂にも寿命があることが解明されているのです。
それは、「老化」とともに発毛や育毛できなくなっていき、薄毛が進行していくということ。このように、薄毛と老化は深く関係しています。
この細胞分裂の寿命の法則は、当時の研究者「レオナルド・ヘイフリック」の名にちなみ「ヘイフリックの限界」と呼ばれています。
今回紹介する「テロメア」は、人とは切っても切れない関係である、老化に関わる重要なものです。
本記事では、テロメアとは何か、テロメアが髪の毛に及ぼす影響について解説します。
ヘイフリックの限界とは?育毛発毛との関係を詳しく解説!
細胞分裂の寿命である「ヘイフリックの限界」。これは具体的にどのような状態で、髪の毛とどのように関係しているのか、詳しく解説していきます。
ヘイフリックの限界とは?
東京薬科大学の研究によると、胎児から取得した細胞が分裂を行う回数の限界は約50回といわれています。
1961年米ウイスター研究所のL・ヘイフリック博士は、若い人の体から細胞を採ってきて、シャーレの中で培養してみました。すると、細胞は50〜60回分裂するともうそれ以上分裂しなくなりました。さらに、40歳とか80歳の人から細胞を採ってきて培養すると、細胞の分裂する回数が年齢の分だけ少なくなるということを発見しました。
引用:老化が起こるしくみ その1
限界まで分裂を行った細胞は「老化細胞」と呼ばれ、分裂を行うことが不可能。このような状態を「ヘイフリックの限界」と呼びます。
老化細胞のメカニズムは、細胞の染色体の末端にある「テロメア」と呼ばれる構造がカギ。
テロメアは細胞分裂を行うたびに長さが短くなります。そして、ある程度の短さになると、分裂がストップするということがわかっているのです。
テロメアを短くする要因としては、主に下記の3つが挙げられます。
- 年齢を重ねる
- 活性酸素による細胞の酸化
- 日常のストレス
つまり、限界が加速してしまう原因は単純な老化以外にも存在するのです。
ヘイフリックの限界が髪の毛に及ぼす作用とは?
ヘイフリックの限界 つまり テロメアの細胞分裂の限界は、とくにAGA(男性型脱毛症)に影響が大きいといわれています。
その理由は、AGAは髪の毛が抜けてしまう症状であること。成長期→退行期→休止期が繰り返し行われるヘアサイクルは、通常1周回るのに男性で2〜5年、女性で3~5年かかるといわれています。
しかし、AGAの症状により抜けやすくなってしまった髪の毛は、このヘアサイクルが短くなってしまうのです。
その結果、分裂回数が増えるため限界を迎えるスピードが加速。そして、限界を迎えた毛母細胞はもう分裂することができないため、育毛することが不可能になってしまうのです。
AGAだけでも髪の毛が細く抜けやすくなってしまう大きな悩み。
もう髪の毛が生えてこなくなるかもしれないと考えると、一刻も早く改善したいですよね。
そもそもテロメアとは?
人間の身体は、数多くの「細胞」で構成されています。
その数、実に37兆個以上。それぞれの細胞には「DNA」と「タンパク質」のかたまりである「染色体」が存在しています。
そして、テロメアとは染色体の先端にあたる部分のこと。
テロメアは「命の回数券」とも呼ばれ、先ほども書いた通り、その長さによって細胞分裂の回数が決まっています
テロメアが限界まで短くなるとそれ以上細胞分裂ができず、分裂できなくなった細胞は「老化細胞」と呼ばれ、体内に蓄積されていきます。
細胞分裂ができなくなるということは、髪の毛が成長しなくなるということ。つまり、育毛するためには、テロメアが欠かせないということです。
テロメアを保護する「テロメラーゼ」
出典:オマール海老とロブスターは何が違う?特徴やおすすめの食べ方をご紹介!
細胞分裂の回数を決めているテロメアですが、短くなっていくだけではありません。
実は「テロメラーゼ」という酵素によって、テロメアを活性化させて伸ばすことができるのです。
そして、細胞が長い期間分裂できるようになるため、細胞の老化を防ぐことができます。
ちなみに「ロブスター」が不老の生き物だということは、ご存知でしたか?
ロブスターが不老といわれている理由には、テロメラーゼが関係しています。
他の生き物に比べてロブスターの体内では、テロメラーゼの働きが活発なため、テロメアが短くなりません。
そのため細胞が老化せず、常に若返っているのです。
人間の身体にも、テロメラーゼは存在していますが、生殖細胞などを除くほとんどの細胞では、テロメラーゼが働いておらず、テロメアを伸ばすことができません。
それは、頭皮の細胞も同じです。
髪の毛のもととなる「毛母細胞」のテロメラーゼも働いていないため、いつかは細胞分裂ができなくなり、育毛できなくなります。
テロメアを保護して育毛するには?
テロメラーゼが働いていない場合、テロメアを保護して育毛するにはどうしたらよいのでしょうか。
それには、「細胞へのダメージを抑える」ことが重要です。
対策方法として、以下の4つが効果的です。
それでは、詳しくみていきましょう。
スカルプシャンプーやテロメアを伸ばす成分入りのシャンプーを使う
細胞はダメージを受けると、分裂して新しい細胞を作ります。
普段あなたが使用している市販のシャンプーには、髪の毛に悪い界面活性剤が入っているます。
そのような成分が、細胞へダメージを与えて育毛を妨げる原因。
そのために、頭皮や髪の毛に優しい成分が多く配合されたスカルプシャンプーを使用するようにしましょう。
下記にテロメアに関わる成分をご紹介しますが、どちらもシャンプーの成分としてはフォーカスされない成分なので、市場に出回っている製品は少ないです。
カッパフィカスアルバレジエキス
「カッパフィカスアルバレジエキス」という成分はテロメアを保護する役割がある為、この成分が入ったシャンプーを使うと良いでしょう。
アルギニン
アルギニンは長寿命遺伝子(サーチュイン遺伝子)を活性化させます。
その為、テロメアの寿命も長くしてくれます。
偏った生活習慣を改善する
偏った生活習慣を改善することで、薄毛対策に繋がります。
- 不規則な生活
- 偏った食事
- 運動不足
- 喫煙、過度の飲酒
- ストレス
このような生活習慣は、テロメアを短くする原因です。
育毛するためには、細胞内のテロメアを短くしないことが大切。しかし、運動のやり過ぎなどには注意しましょう。
ハードな運動は、テロメアを短くする原因なる恐れがあります。
また、ウォーキングやジョギングなど、軽い有酸素運動がおすすめ。1日30分程度を、週に2〜3日行うと効果的です。
ストレスを緩和する
ヘイフリックの限界のカギになるテロメアは、ストレスを感じることで短くなるスピードが早くなるといわれています。
さらに活性酸素による酸化も、精神的ストレスにより促進されてしまうともいわれています。
活性酸素には抗酸化作用のある食品も効果あり。抗酸化作用の高い食品の例は、ピーナッツやオリーブオイル、ブロッコリーなどです。
毛母細胞の寿命を守るためにも、ストレスを減らすこと、そして抗酸化作用のある食品などの摂取を積極的に行うようにしていきましょう。
AGA治療
ヘイフリックの限界は、AGAにより早く到達してしまいます。
単純計算ですが、以下の表を見てみましょう。
ヘアサイクルの年数 | 2年 | 1年 | 半年 |
---|---|---|---|
細胞分裂の回数 | 40回 | ||
ヘイフリックの限界までの年数 | 80年 | 40年 | 20年 |
通常のヘアサイクルと、AGAでヘアサイクルが乱れた状態の違いは一目瞭然ですね。
もちろん、さまざまな要因で限界が起こるため完全に上記の表のとおりになることはないですが、できる限り通常のヘアサイクルが続くことが重要です。
つまり、毛母細胞が分裂を続けられるようにするためには、AGAを早期発見・早期治療することがもっとも大切。これは早ければ早いほど効果が見込まれます。
さらに、もちろんAGA治療を行えば現状の脱毛症状を改善することも可能です。
不安がある方はぜひ、お早めにAGAクリニック等で受診してみましょう。
おすすめはオンラインで受診出来て、郵送でAGA治療薬のミノキシジルやプロペシアが買える「elife」がおすすめです。
さいごに|テロメアを意識して薄毛防止しよう!
今回解説したように、テロメアは細胞分裂において必要不可欠な存在です。
テロメアが短くなってしまうと、毛母細胞が分裂できなくなり、髪の毛が生えません。
テロメアを保護するためには、頭皮へのダメージを抑えて、生活習慣を改善することが大切です。
これらを改善することで、テロメアが短くなることを防ぐことができます。