ビタミンは髪の毛に良い?育毛効果のあるビタミンの種類は?
髪の毛によい効果をもたらしてくれる栄養素にビタミンがありますが、さまざまな種類が存在します。
すべてのビタミンで効果があるとは限りませんが、一般的にはビタミンB2やビタミンB6に育毛効果がみられるといわれています。
本記事では、ビタミンの育毛効果をテーマに解説しています。種類や効果についても紹介していますので、ぜひ参考にしてください。
ビタミンとは?
ビタミンとは、生物の生存・生育に微量に必要な栄養素のうち、炭水化物・タンパク質・脂質を除く、その生物の体内で十分な量を合成できない有機化合物の総称です。
ビタミンは
- 脂に溶けやすい脂溶性ビタミン
- 水に溶けやすい水溶性ビタミン
に分類されていて、ヒトのビタミンは両方あわせて下表の13種類です。
脂溶性ビタミン |
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水溶性ビタミン |
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育毛に効果的なビタミンの種類は?
13種類あるビタミンですが、すべてのビタミンに育毛効果があるということではありません。
髪の毛によい効果をもたらしてくれるといわれているビタミンは下表のとおりです。
ビタミンB2 |
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ビタミンB6 |
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ビタミンC |
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ビタミンA |
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ビタミンE |
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ビオチン |
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ビタミンB2
ビタミンB2には、皮脂の過剰分泌を抑制する働きがあります。
頭皮に過剰な皮脂分泌が起こると抜け毛が増えるため、ビタミンB2の摂取は育毛に効果的といえるでしょう。
具体的には、ビタミンB2には細胞分裂を促進させる働きもあるため、ビタミンB2を摂取することで毛包幹細胞の分裂が促進して、育毛しやすくなります。
ビタミンB6
ビタミンB6が育毛効果を期待できる理由は、髪の主成分であるケラチンというタンパク質の生成をサポートする働きがあるため。
皮膚の抵抗力もアップするので、薄毛になりにくい頭皮を作るのに欠かせません。
ビタミンC
ビタミンCの育毛効果は、17型コラーゲンの生成が促進されるためです。
近年の研究で、髪をつくる毛包幹細胞は17型コラーゲンに支えられており、この17型コラーゲンが髪の毛に大きな影響を与えていることが判明してきました。
ちなみに、17型コラーゲンは体内のアミノ酸と結びつくことで生成されますが、それには体内のビタミンCが関係しています。
ビタミンA
頭皮の炎症やかゆみ、コンディションの乱れが気になる人に、積極的に補ってほしいビタミンA。
このビタミンが育毛や頭皮環境のケアに役立つのは、皮膚を健やかに保つ働きがあるためです。
またビタミンAは、ダメージを受けた頭皮と髪の古い細胞を、健やかなコンディションに導く新しい細胞への入れ替わりのことを言う新陳代謝を活性化するため成長期の髪が増えるようになります。
逆にビタミンAが不足してしまうと頭皮の環境が乱れて新陳代謝が低下し、フケや炎症、かゆみなどのトラブルが慢性化・長期化するリスクも。
ビタミンE
頭皮は血液を全身に運ぶ役割のある、ふくらはぎ・心臓から遠い場所に位置しているため、血行不良が起こりやすい傾向にあります。
ビタミンEは血液やリンパ液を循環・活性する働きがあり、滞りやすい頭皮の血流を促して毛根に栄養が行き届くよう働きかけます。
また紫外線やストレス、疲労などで大量に発生してしまう活性酸素の影響から頭皮と髪を守る抗酸化作用もビタミンEには備わり、血行促進・アンチエイジングのマルチな働きで髪と頭皮の健康にアプローチしてくれます。
ビタミンEは頭部への血液循環をスムーズにするための条件、血液の質をサラサラに変えてくれるため、塩分の多い食生活で血液の質が気になる人にも必須のビタミンとなっていますよ。
ビオチン
普段から聞き慣れているビオチンという成分でも、ビタミン群に分類されていることを把握している人は少ないのではないでしょうか?
育毛に効果的なビタミンの一種であるビオチンは、髪と頭皮の材料になるタンパク質の合成・産生を助ける酵素を生み出すビタミンで、頭皮の炎症やかゆみ、フケや赤みなどのトラブルを改善・予防する効果が期待されています。
育毛に効果的なビタミン群の中には、カラダの中での産生が自然にできる種類が存在していますが、ビオチンはそれができないことで食事やサプリメントからの摂取が必須となっています。
おすすめ!育毛に効果的なビタミンを含む食べ物は?
ここでは、効果的な文部科学省が公表している「日本食品標準成分表」を参考に、ビタミンB2、B6、Cを多く含む食べ物について紹介します。
ビタミンB2を多く含む食べ物(100gあたり)
豚のレバー | 3.6mg |
牛のレバー | 3mg |
焼きのり | 2.33mg |
鳥のレバー | 1.8mg |
インスタントラーメン | 1.67mg |
キャビア | 1.31mg |
【女性の1日の摂取目安】1.2mg(18~49歳)/ 1.1mg(50歳以上)
ビタミンB2は、魚介類、肉類、藻類、豆類、乳類、卵類、野菜類、種実類などに多く含まれています。
特にレバーはビタミンB2だけじゃなく、ビタミン類が豊富に含まれておりますのでおすすめです。
ビタミンB6を多く含む食べ物(100gあたり)
とうがらし | 3.8mg |
にんにく | 1.5mg |
ピスタチオ | 1.22mg |
マッシュポテト | 1.01mg |
抹茶 | 0.96mg |
まぐろ | 0.94mg |
【女性の1日の摂取目安】1.2mg
上記の表では唐辛子が一番多く含まれておりますが、現実的に唐辛子だけを食べるというのは厳しいので、比較的摂取が簡単な食材でいうとレバーやマグロ等が多く含まれています。
また、バナナやさつまいも、玄米なども比較的多くのビタミンB6が含まれています。
ビタミンCを多く含む食べ物(100gあたり)
焼きのり | 210mg |
ピーマン | 170mg |
ゆず(果皮) | 150mg |
アセロラ | 150mg |
パセリ | 120mg |
芽きゃべつ | 110mg |
レモン | 100mg |
【女性の1日の摂取目安】100mg
ビタミンCはレモン、キウイ、キャベツ、ピーマン、ブロッコリーといった野菜や果物に多く含まれています。
意外に「焼きのり」にも210mg含まれていますよ。
ビタミンAを多く含む食べ物(100gあたり)
スモークレバー | 17000μg |
あんこう、きも | 8300μg |
ホイップクリーム | 350μg |
卵黄 | 470μg |
チーズ | 260μg |
【男性の1日の摂取目安】900μg
【女性の1日の摂取目安】700μg
頭皮環境の改善に効果的なビタミンAは、肉類・魚類・乳製品・卵と身近な食べ物に含有されているため、普段の食事に摂り入れやすく体内に蓄積する性質を持っています。
ビタミンEを多く含む食べ物(100gあたり)
煎茶 | 64.9㎎ |
ひまわり油 | 38.7㎎ |
乾燥したアーモンド | 30.3㎎ |
果実、乾燥した唐辛子 | 29.8㎎ |
ドライトマト | 18.4㎎ |
【男性の1日の摂取目安】6~7㎎
【女性の1日の摂取目安】5~6㎎
ビタミンEを豊富に含有している、上記でお伝えしたひまわり油は、ビタミン群の吸収を助ける働きがあるため、積極的な摂取が育毛に効果的です。
またビタミンEは水分に溶けにくい脂溶性のビタミンとなっているため、他のビタミン群に比べると体内に留まりやすく継続的な血行促進、抗酸化作用が期待できます。
ビオチンを多く含む食べ物(100gあたり)
まいたけ | 242.6μg |
鶏肉 | 232.4μg |
落花生 | 95.6μg |
インスタントコーヒー | 88.4μg |
きくらげ | 86.9μg |
【男性の1日の摂取目安】50㎍
【女性の1日の摂取目安】50㎍
ビオチンは熱や水分に溶け出しやすい水溶性のビタミンとなっているため、調理は熱を加えず蒸したり、オイルと一緒に補うことで体内への吸収スピードが高まります。
カラダの内部では産生できないビタミンのため、サプリメントや食事内容の栄養バランスを整えながらこまめな摂取を心がけましょう。
ビタミンの吸収力を高める育毛に効果的な摂り方!
ビタミンはストレスや疲労、スポーツや発熱時などライフスタイル上でよくあるものがきっかけで体内から減少・不足してしまう性質があります。
育毛に効果的なビタミン群を効率よく補い、カラダの内側への吸収スピードを高めるために、ここではおすすめの摂り方をまとめてご紹介します。
マルチビタミンのサプリメントは手軽でバランスが整いやすい
髪と頭皮の健やかなコンディション作りに欠かせないビタミン群は、マルチビタミンタイプのサプリメントを摂取することがおすすめです。
マルチビタミンのサプリは、今回ご紹介しているような髪と頭皮のインナーケアに役立つビタミン群の種類をいくつも組み入れ、食事で補うよりも手軽でバランスを整えられるメリットがあります。
また他のサプリメントに比べて1ヶ月分1,000円以下で買える商品が多く、コラーゲンやヒアルロン酸など頭皮と髪のうるおいケアに役立つ成分が配合されているケースもありますよ。
水溶性は生、脂溶性はオイルと合わせて摂取する
ビタミン群は今回のコラムの最初にお伝えしたように、水分に溶けやすく熱には弱い水溶性と、油分と合わせて摂取することで体内への吸収力が高まり、体内への保持力がある脂溶性が存在しています。
水溶性・脂溶性それぞれのビタミン群に合わせた効率的な摂取をするために、
- 水溶性のビタミンを含む食べ物は生で摂る
- 脂溶性のビタミンを含む食べ物はオイルと合わせて摂る
という、摂取の工夫をしてみましょう。
また水溶性のビタミンを含む食べ物は、蒸す調理法であれば水分にビタミンが流されてしまう影響が少ないと言われています。
水溶性のビタミン群は、胃酸や熱に弱く、疲労やストレス、睡眠中に特に減少・不足しやすいことがわかっています。
育毛に効果的な水溶性のビタミンを補う際は、このような影響を避けるためにも胃酸の影響を受けにくい食後に補い、1日数回に分けて摂るようにしましょう。
脂溶性のビタミンは、体内に留まりやすい性質を持ちますが、食前や空腹時よりも食後の方がカラダの内部への吸収率が良いと言われています。
脂溶性ビタミン群のビタミンEは、その種類の中でも体内に留まる時間が短いことがわかっているため、1日を通して目安の摂取量をバランスよく補うことがポイントです。
水溶性・脂溶性ともに、体内への吸収力を高めるため空腹時を避け食後の摂取で育毛にアプローチしてくださいね。
ビタミンの吸収を助ける栄養を一緒に補う
今回のコラムでご紹介している髪と頭皮のコンディションケアに効果的なビタミン群は、単体での摂取よりも他の成分と合わせて補うことで吸収のスピードが高まり、相乗的な効果も期待できます。
ビタミンの吸収を助ける栄養と、それぞれの働きをチェックして、サプリメントでの補助や食事内容の栄養バランスを整える際の参考にしてくださいね。
- ビタミンAと亜鉛を一緒に摂る:ビタミンAが持つ新陳代謝の働きを亜鉛がサポートする
- ビタミンCとビタミンEを一緒に摂る:双方が持つ抗酸化力が倍になる
- ビタミンCと鉄を合わせて摂る:鉄がビタミンCの体内吸収を助けたり質の良い血液を作り出して血行促進に働きかける
- 脂溶性ビタミンとオイルを合わせて摂る:ふたつの組み合わせが腸が持つ栄養の吸収力を助ける
ビタミン群と相性が良い上記のような栄養成分は、マルチビタミン・マルチミネラルというタイプのサプリメントで一緒に補うことができます。
またビタミン群とミネラルはシャンプーや育毛剤にも使われることが多い髪と頭皮の健康に良い成分のため、配合された成分が充実したヘアケアアイテムを選ぶようにしましょう。
さいごに|ビタミンを効率よく摂取して育毛させよう!
ビタミンのなかでも、育毛効果が期待できる種類は、ビタミンB2、B6、Cの3種類です。
ビタミンの種類によって効果が異なり、効果があるといわれているビタミンBでも、B2とB6で育毛へのアプローチ方法が違います。
髪の毛の悩みにマッチした対策をしたいなら、ビタミンから得られる効果を理解して摂取するようにしましょう。
これらのビタミンは、食品からでも摂取できますし、サプリメントならより効率的に摂取できるでしょう。
過剰摂取に注意しながら、薄毛対策に取り組んでください。
最後に、本記事の内容をまとめます。
- すべてのビタミンで育毛効果があるとは限らない
- ビタミンB2やビタミンB6に育毛効果がみられる
- ビタミンB2を摂取することで毛包幹細胞の分裂が促進して、育毛しやすくなる
- ビタミンB6は、髪の主成分であるケラチンというタンパク質の生成をサポートする働きがある
- ビタミンCの育毛効果は、17型コラーゲンの生成促進
- ビタミンEは頭皮と髪のアンチエイジング、血行促進
- ビタミンAは健やかな頭皮環境に導く
- ビオチンは頭皮と髪の健康に欠かせないビタミン
- 育毛効果を得るためには、効率よくビタミンを摂取する必要がある
- ビタミンの摂取は、マルチビタミンのサプリメントがおすすめ