髪の毛の主成分「ケラチン」とは?不足すると薄毛になる?
毛髪はケラチンが主成分ですが、具体的にどのような性質なのか分からないと感じていませんか?
また、育毛に効果的なケラチンを摂取する方法は、タンパク質を多く含む食事を摂ること。とはいえ、分からないことも多いでしょう。
本記事では、そんな育毛とケラチンとの関係性をテーマに解説しています。
育毛を促進するおすすめの食事法についても紹介していますので、ぜひ参考にしてください。
不足すると薄毛になる?育毛したいならケラチンは必要?
ケラチンは毛髪の主成分とはいえ、不足すると薄毛になりがち。ここでは、ケラチンとは何なのか、詳しく解説しています。
ケラチンとは?
ケラチンとは、下記の18種類のアミノ酸が結合してできたタンパク質です。
ヒトでは毛髪以外に、爪や皮膚の角質もケラチンが主成分です。
同じケラチンが主成分でありながら、毛髪・爪・皮膚の角質層の固さが違う理由は、構成しているアミノ酸の割合が異なるため。
ちなみに、毛髪や爪は「硬ケラチン」、皮膚の角質層は「軟ケラチン」と呼ばれています。
ヒトの毛髪のケラチンを構成するアミノ酸で割合が高いトップ5は、下表のアミノ酸です。
シスチン | 17.2% |
グルタミン酸 | 13.8% |
アルギニン | 9.1% |
スレオニン | 7.6% |
セリン | 6.9% |
ケラチンが不足すると薄毛になる?
ケラチンが不足するということは、毛髪をつくるのに必要な成分が不足しているということ。そのため、ケラチンが不足すると細くなり、薄毛にもなります。
毛髪にはヘアサイクルがあり、ある期間成長した後は自然に抜け、しばらくすると新しい毛髪が生えてきます。
ケラチン不足で毛量が減った状態でも、ヘアサイクルによって毛髪は自然に抜けますが、新しい毛髪が作られる量が少ないため、徐々に薄毛に陥ってしまうでしょう。
ケラチンを効率的に摂取するおすすめ食事法とは?
ケラチンの摂取は育毛に効果的なことは前述しました。ここでは、ケラチンの摂取方法について解説しています。
ケラチンを摂取しても体内では増えない!
ヒトを構成する主成分の1つにコラーゲンというタンパク質があります。
体内のコラーゲンは、含まれている食品やコラーゲンそのものを摂取することで増やすことができます。
しかし、同じタンパク質なのにケラチンは、食品からケラチンそのものを摂取してもケラチン不足は解消できません。
体内のケラチン不足が解消できる食品は?
体内のケラチン不足を解消するためには、ケラチンそのものを摂取するのではなく、体内でのケラチンの生成量を増やす食品を摂取すべきです。
アミノ酸を含むタンパク質
ケラチンは18種類のアミノ酸が結合してできたタンパク質です。
そのため、アミノ酸を含むタンパク質が多い食品を摂取すると、体内でケラチンの生成量が増えます。
特に、ケラチンを構成する18種類のアミノ酸で含有量の多いシスチンや必須アミノ酸であるロイシン、スレオニンを多く含む食品がおすすめ。
これらのアミノ酸を多く含んでいる食品を下記一覧で記します。
- 牛肉
- 豚肉
- 種子類
- 牛乳
- 乳製品
- 卵
ただし、これらの食品は脂肪分も多いため、できるだけ低脂肪の食品を選ぶようにしましょう。
亜鉛を含む食品
亜鉛には、ケラチンの合成をサポートする機能があるといわれています。
そのため、アミノ酸を含むタンパク質とともに亜鉛を含む食品を摂取することでケラチン不足が解消できます。
亜鉛を多く含む食品は、下記のとおり。
- 牡蠣
- レバー
- 魚介類
- チーズ
- アーモンド
タンパク質と一緒に摂取することを心掛けましょう。
ビタミンAを含む食品
ビタミンAもケラチンの形成に欠かせない栄養素です。
そのため、ケラチン不足を解消したのなら、ビタミンAを多く含む食品も積極的に食べるのがおすすめです。
ビタミンAを多く含む食品には、下記のとおり。
- 鶏レバー
- ニンジン
- 緑黄色野菜
- アナゴ
- 銀ダラ
- バター
ビタミンAは、油と一緒に摂取すると吸収力がアップするといわれています。
ただ、本来育毛に良いビタミンは「ビタミンC」「ビタミンB2」「ビタミンB6」です。
ケラチン不足で起こる髪と頭皮への悪影響とは?
健康的な髪と頭皮を構成する重要な成分となるケラチンは、いろいろな原因によって不足すると育毛はもちろん普段のヘアケア・髪型のスタイリングにも時間や負担がかかってしまう、心配な悪影響が出てしまいます。
育毛にケラチンが重要な栄養成分であることを再認識できる、ケラチン不足による髪と頭皮への影響を詳しくお伝えしてみたいと思います。
頭皮のうるおいが不足しかさかさの状態に
頭皮は植木鉢でいうと、花と茎を支える土のような役割をしています。
土に水がない花は、茎も花びらもしおれてあっという間に枯れてしまうものですよね。
ケラチン不足による頭皮も、水分不足の茎や花びらと同じように、栄養が不足していることでかさかさした質感に変わってしまいます。
そもそも頭皮のうるおいには、
- 頭皮の内部に存在する、油分と水分バランスを担うラメラ構造が乱れる
- 古い頭皮と髪が新しい頭皮に生まれ変わる、新陳代謝やターンオーバーを正常化する
- 頭皮や髪にかかる刺激や摩擦を跳ね返す、バリア機能を高いままに保持する
という、育毛や髪と頭皮の健康を守るために重要な役割を持っています。
ケラチンは頭皮のうるおいを補い、保持する働きがあることから、さまざまな原因で不足すると頭皮がカサカサに乾いた状態となり、ターンオーバーや新陳代謝がスムーズにならなくなることで、荒れやフケ、古い角質による毛穴詰まりなどの悪影響が出てしまうのです。
髪のつややかさがなくなってしまう
美しい髪は、光り輝くようなツヤがあることが欠かせない条件と言えるのではないでしょうか?
ケラチンには髪のつややかさを守る、コラーゲンが含まれているため、
- 食事の栄養バランスのゆらぎ
- 合わないシャンプーに気づかず継続使用している
- ケラチンを洗い流してしまうような洗浄力の強すぎるシャンプーを使っている
- ケラチンの分解や破壊につながる、髪と頭皮の紫外線対策をしていない
などの習慣が当たり前になっていると、髪のつややかさを守るコラーゲンがどんどん失われてパサつき・ごわつき・ざらざらした手触りが目立つ髪質に変わることがあります。
またケラチンは髪のツヤとうるおい、栄養を内部に保持するためのキューティクルを守っているため、いろいろな要因でこの栄養成分が不足すると、キューティクルが持つバリア機能が低下してダメージにつながりやすい髪質になってしまうのです。
細く弱い髪質に変わり抜け毛に進行していく
ケラチンの不足は、髪が細く弱い質感に変わることが明らかになっています。
その理由は、ケラチンには髪一本一本の表面から内部の密度を深め、維持する働きがあるため。
ケラチンの不足は、髪を作り保持する栄養成分が慢性的に不足した状態にあるため、髪の成長がスムーズにならずに毛質が細く弱くなってしまいます。
毛質が細く弱くなると、太く丈夫な髪質に比べて刺激や摩擦の影響をダイレクトに受けてしまい、抜け毛が増えて薄毛に進行する悪影響が出てしまうのです。
薄毛とうねりが併発してしまう
髪と頭皮を構成する重要な成分となるケラチンは、不足が著しくなるほどに薄毛の進行・うねりのトラブルが併発しやすくなります。
髪が刺激や摩擦をいったダメージを受けると、髪のツヤや密度を守るためのキューティクルが剥がれてしまいます。
すると、キューティクルのさらに下に存在し、髪のしなやかさやコシを守るコルテックスが晒された状態となり、うねりの目立つ髪質に変わることも。
健康で丈夫な髪はそもそも、コルテックスがキューティクルに守られ、うねりのないまっすぐな髪を保持しているため、ケラチン不足はキューティクル・コルテックスそれぞれの働きを阻害し、うねりや薄毛の原因となってしまうのです。
ケラチン不足をなくして効果的に育毛!ヘアケア・インナーケアのポイント
ケラチンはタンパク質のため、不足を補うためには食生活のバランスを整える方法が一般的なイメージかもしれません。
ですはケラチンの不足は、前項でお伝えした食べ物・栄養成分以外にも、ヘアケアで減少を抑えたり、不足分を補うことが可能になっているんです。
- 髪質が以前よりも細くなり、抜けやすくなった
- 頭皮の乾燥、髪のパサつきが目立つ
- 髪につややかさが見られない
などの状態が見られる場合は、髪と頭皮のケラチンが不足しているサインと考えられます。
つややかさと太く丈夫な髪質を取り戻すために、ここではケラチン不足を補うヘアケア・インナーケアのポイントをご紹介してみたいと思います。
アミノ酸タイプのシャンプーに変えてみる
つややかさを失ってしまった髪、細く抜けやすい毛質に変わってしまったトラブルに気づいたら、丈夫な髪を育てる根本的なヘアケアのシャンプーを見直してみましょう。
シャンプーにはさまざまなタイプがバリエーションされていますが、アミノ酸タイプのシャンプーは、ケラチンのタンパク質を構成する成分が配合されているため、ケラチン不足のヘアケアに一役買ってくれます。
またアミノ酸タイプのシャンプーは、
- 髪と頭皮のうるおい、栄養を補い守りながら不要な汚れのみを落とす
- デリケートな頭皮、髪質にも刺激なく安全に使用できる
- 育毛に特化したシャンプーに使われることが多い
などなど、ケラチン不足による薄毛や抜け毛が気になる方に適したタイプと言えます。
アミノ酸タイプのシャンプーには、
- ラウロイル~~~
- ココイル〇〇〇
といった表記がこのタイプとなるため、シャンプーを選ぶ際にはボトルの成分詳細をチェックして購入するようにしましょう。
ケラチン配合のトリートメントを使う
前項でお伝えしたアミノ酸タイプのシャンプーの次には、ケラチン配合のトリートメントを使用してみることがおすすめです。
ケラチン配合のトリートメントは、ケラチンが持つ弾力性・保水性が髪と頭皮に加わり、ケラチン減少による栄養不足をケアしたり、抜け毛・薄毛が目立つ髪質をふんわりした質感に整える効果が期待できます。
さらにケラチン配合のトリートメントは、
- ダメージの著しい髪と頭皮を修復、再生していく
- 乾燥や熱のダメージから頭皮と髪を守り、水分と油分をバランスよく保持する
- 角質層が持つバリア機能の向上を助ける
というメリットが期待できます。
特にこの季節は紫外線の熱やエアコンによる乾燥が髪と頭皮に著しく加わってしまうため、毎日使ってケラチンを効率的に補える、トリートメントを使用がおすすめと言えますよ。
亜鉛のサプリメントを活用してみる
ケラチン不足を補う食生活のポイントでは、亜鉛含有の食べ物を摂ることが効果的だとお伝えしました。
ただ、お仕事や家のこと、プライベートの予定などで毎日を慌ただしく過ごしていると、十分な亜鉛を摂取するのが難しいケースもあります。
そんな方にもおすすめなのが、亜鉛サプリメントを活用してみるということ!
亜鉛サプリには、
- ケラチン、タンパク質を合成し分解を抑制する
- ケラチンを生成し保持する
- 1日に必要な亜鉛をバランスよく補える
- ターンオーバーや新陳代謝を助けるビタミン群が配合された製品が多数
- 飲むだけの手軽なメソッドで継続しやすい
という理想的なメリットが備わっています。
日常の食生活では十分に亜鉛の量が補えないと悩む方に、サプリメントの活用はケラチンが持つ本来の働きをサポートすることにも役立つでしょう。
日傘・帽子・髪専用日焼け止めを使う
髪と頭皮が紫外線に長くさらされてしまうと、熱のダメージによってキューティクルが剥がれ落ち、つややかさが失われてしまいます。
紫外線はケラチン減少以外にも、白髪や頭皮トラブルにつながるおそれがあるため、日傘や帽子、髪専用の日焼け止めを常時使って髪と頭皮をダメージから守るようにしましょう。
さいごに|効率よくケラチンを摂取して髪の毛を太くさせよう!
アミノ酸を含むタンパク質と亜鉛を含む食品やビタミンAを含む食品を上手く組み合わせれば、効率よくケラチン生成量を増やす栄養素を摂取できます。
最後に、本記事の内容をまとめます。
- ケラチンとは18種類のアミノ酸が結合してできたタンパク質
- 髪や爪は「硬ケラチン」、皮膚の角質層は「軟ケラチン」
- ケラチンが不足すると、毛量が減る
- ケラチンを摂取しても体内では増えない
- ケラチンそのものを摂取するのではなく、体内でのケラチンの生成量を増やす食品を摂取すべき
本記事が、髪の毛とケラチンとの関係性について、詳しく知りたい方の参考になれば幸いです。