髪の毛が生える仕組みは?育毛原理や構造の基礎知識を解説!
髪の毛の基礎知識
まず髪の毛とは、頭に生えている毛の事で頭髪(とうはつ)とも呼ばれております。
髪の毛の大部分はケラチンと呼ばれるタンパク質で構成されています。
髪の毛の主な役割は以下の様になります。
頭を外部の刺激から守る | 髪の毛は日光や雨、暑さや寒さの刺激や衝撃等の物理的な刺激から頭を守る |
人体に不要なもののデトックス | 毛乳頭を経由して体に不要な、鉛や水銀等の重金属、ヒ素等の毒素、カドミウム等の化学物質を対外に排出する役割 |
髪の毛の豆知識
ちなみに、正常な人の髪の毛は以下の様な数字を持っています。
髪の毛の全体の量 | 10万本 |
1日の伸びる長さ | 0.3mm~0.4mm |
1日の抜ける量 | 50本~100本 |
シャンプーの時に抜ける量 | 20本~30本 |
1㎠あたりの密度 | 150本 |
1本あたりの髪の毛の強度 | 150g |
髪の毛の太さ | 0.08mm |
髪の毛の構造
そもそもな話まず髪の毛とは何なのか?からご説明したいと思います。
髪の毛は毛髄質(メデュラ)、毛皮質(コルテックス)、毛小皮(キューティクル)の3層からなります。
ここではこれらを説明します。
毛髄質(メデュラ)
毛髄質(メデュラ)とは、髪の毛の中心にある組織の事で、割合としては0%~3%程です。
0%と記載がある様に、髪の毛によってはメデュラは無かったりします。
0.1mmぐらいの直径の正常な髪の毛には、ほぼ全てメデュラが存在してますが、0.05mm程となると30%ぐらいしか存在しておりません。
中心の部分は蜂の巣状のに細胞が並んでおり、空気を取り込む穴が存在しています。
それによって、直射日光からの断熱効果や光沢効果があります。
また、先ほど髪の毛の役割として「デトックス効果」があると書きましたが、メデュラは金属部分が他の組織と比べて多く、結合しやすい性質を持っています。そのため体内の不要な金属類を吸収してくれます。
ただ、明確に解明されていない組織なので、対外の金属が付着している可能性もあります。
毛皮質(コルテックス)
毛皮質(コルテックス)とは、メデュラとキューティクルの間の層の事で、髪の毛の85%~90%を占めている組織です。
髪の毛に元気が無く細い場合は、このコルテックス部分に影響がある証拠です。
コルテックスはタンパク質・脂質・水分量等で構成されており、髪の毛の「強度」「太さ」「柔軟性」を決める組織です。
また、メラミンも含まれており、髪の毛の色もコルテックスが管理しています。
毛小皮(キューティクル)
毛小皮(キューティクル)とは、4枚~10枚のうろこ状の物がいくつも重なり合っている組織です。
他の組織とは違い、見た目に現れるので女性だとキューティクルという言葉の認知度は高いと思います。
シェルターの様な役割をしていて、コルテックスのタンパク質や水分の流出を防いだり、外部からの刺激から守ったりする役割があります。
キューティクルにダメージがあると、内部外部からのダメージを防ぐ事が出来ませんので、髪の毛がパサついたり縮れたりして美しい髪質は保てなくなります。
髪の毛の生える仕組みは?
簡単に書くと「毛母細胞が分裂して髪の毛」になります。
まず、バルジ領域から作られた毛根幹細胞が毛根へと移動し、その途中で髪の元となる毛芽となります。
この毛芽が毛母細胞へと変異し、最終的に「毛母細胞が分裂して髪の毛」になります。
分裂する際に「ケラチン」というタンパク質が構成され、それが幾重にも積み重ねて、1ヵ月で約1㎝のスピードで成長していきます。
ただ、分裂するにも材料(栄養)が必要となりますので、栄養は毛細血管から毛乳頭へ運ばれ、毛乳頭から毛母細胞に栄養が受け渡されます。
髪の毛のヘアサイクルを知る!
先ほど髪の毛が生える仕組みを説明しましたが、この成長は上の図の通り、正常であれば2年~6年成長し続けます。
一般的には1メートルの長さあたりが成長の限界と言われておりますが、世界記録では約8メートルの長さまで成長したという記録があります
その後、後退期から2週間で休止期に入り、4ヶ月をかけて脱毛します。
抜けた髪の毛は3ヶ月~4か月をかけてまた同じ箇所から髪の毛が生えてきます。
しかし、AGAを筆頭として、FAGA(女性男性型脱毛症)やその他の脱毛症は、成長期の途中で脱毛してしまい、徐々に薄くなってくるのです。
発毛サロンやクリニックで処置をすると、初期脱毛が起こり弱った髪の毛が強制的に抜けますので、今日施術したらそれは3ヶ月後の効果として現れます。
最新の発毛理論をご紹介!
発毛の理論は年々新しい論文が発表されております。
ここでは最新の発毛理論をご紹介したいと思います。
毛母細胞ではなく、バジル領域が発毛のカギ
文中にもご紹介しましたが、今まで毛母細胞へのアプローチが是だと思われておりましたが、実はバジル領域から作られる毛根幹細胞が発毛にとって重要と言うのが現在では最新の理論です。
最新と言っても2001年に発行されたアメリカの科学情報誌「セル」でこれは発表されました。
この発表ではケラチノサイトが成体幹細胞の一種で、さらにその存在がバジル領域にあるという事が書かれております。
それから10数年経って、ようやく発毛サロンや発毛クリニックで劇的な発毛効果を得られる様な環境になりました。
エレクトロポレーションで成長因子を浸透
エレクトロポレーション自体も2010年代に登場した技術ですが、今でもこれが最新の発毛理論に一つです。
エレクトロポレーションは電気穿孔法いうバイオテクノロジーで、細胞間に隙間を空け成分を新皮下層まで届ける技術です。
発毛する理論が分かったところで、バルジ領域まで届かせる技術がなければ意味がありません。
クリニックでは注射(メソセラピー等)によってバジル領域へのアプローチが可能でしたが、それは医療に限られた話です。
しかし、エレクトロポレーションの登場によって機械があればサロンでもバジル領域へのアプローチが可能となりました。