ファイトケミカルの育毛効果とは?植物パワーで活性酸素を防ぐ!
育毛に必要な栄養素は何かと聞かれて、分からない方もいることでしょう。
そして、多くの方は「たんぱく質」や「亜鉛」という認識を持っているのではないでしょうか。
しかし、育毛するためには、これらの「髪の毛の主成分」となる栄養素だけでは足りません。
育毛には、頭皮環境が重要な鍵を握っています。そこで今回紹介するのは、「ファイトケミカル」という成分。ファイトケミカルには、頭皮環境を整える効果的な作用があります。
本記事では、ファイトケミカルの効果や代表的な栄養素、摂取するためのおすすめ食材について解説します。
ぜひ、最後までご覧ください。
ファイトケミカルとは?育毛への効果を解説!
ファイトケミカルが育毛に効果的な成分だと知って、興味を持った方は多いでしょう。
しかし、ファイトケミカルと聞いても、どのような成分かよくわかりませんよね。
ここでは、ファイトケミカルとはどのような成分か、効果があるのか、詳しく解説します。
ファイトケミカルとは?
ファイトには「植物」、ケミカルには「化学成分」という意味があり、ファイトケミカルとはその名のとおり、植物に含まれる化学成分のこと。
植物は、紫外線や有害物質、昆虫などから体を守るために、色素や香り・辛味・苦味などの成分を生成します。
植物が生成したそれらの成分がファイトケミカルと呼ばれ、その数は実に数千種類。
ファイトケミカルは、野菜や豆類、芋類、果物、海藻などの多くの植物に含まれており、その種類によって結構によいさまざまな効果が期待できます。
特に期待できる効果は、下記の4つ。
- 育毛
- 抗酸化作用
- 代謝の促進
- 免疫力の向上
ファイトケミカルには、人が健康に生きるうえで重要な成分の1つです。
ファイトケミカルに育毛効果はある?
ファイトケミカルのさまざまな効果は、健康だけではなく髪の毛にもよい影響を与えます。
ファイトケミカルの詳しい育毛効果をまとめてみました。
優れた抗酸化力
なかでも育毛に重要な作用は、抗酸化作用。
人間が生きていくためには、酸素が欠かせません。そのため、呼吸をすることによって酸素を体内に取り込んでいます。
血液によって体中に運ばれる酸素ですが、一部の酸素が「活性酸素」という物質に変化することは、ご存じでしたか?
活性酸素には細胞を酸化させる働きがあり、薄毛になる原因の1つ。頭皮には「毛母細胞」という細胞があり、この毛母細胞が分裂することによって発毛します。
しかし、活性酸素によって毛母細胞が酸化してその働きが弱まり分裂できなくなってしまうと、育毛発毛ができません。
ファイトケミカルの効果である抗酸化作用には、活性酸素の働きを抑えて細胞の酸化を防ぐ効果があります。
女性ホルモンや自律神経のバランスを整える
育毛に深いかかわりのある女性ホルモンや自律神経のバランス。
ファイトケミカルが豊富に含まれる大豆製品には、女性ホルモンと似た作用を持つイソフラボンの含有も多いことがわかっています。
ファイトケミカルの豊富な大豆製品からイソフラボンも一緒に補うことができると、
エストロゲン | 含有のあるエストラジオールが丈夫な血管を作り出して頭皮、髪に栄養や酸素を送り届ける。コラーゲンの生成でつややかさとコシのある毛髪を育てる |
プロゲステロン | 毛母細胞の分裂が活性化し、毛根の機能も活発な丈夫で抜けにくい、成長期の髪を増やして保持する |
という、女性ホルモンそれぞれの作用が活きて育毛の活性化につながります。
女性ホルモンはストレスや疲労、生理期間など日常によくあるささいなきっかけで揺らぎやすくなると言われているため、ファイトケミカルの摂取はゆらぎが原因の薄毛・抜け毛に悩む方にも積極的に摂取して欲しい栄養素。
そして女性ホルモンは自律神経と相互作用があり、連動していることがわかっているため、ファイトケミカルの摂取で女性ホルモンが整うと同じように自律神経も整い、
交感神経 | 頭皮と髪の新陳代謝を活性化し、ダメージのある状態を健やかなコンディションに整えていく |
副交感神経 | 頭皮や頭皮の筋肉の緊張を和らげ、血管を拡げて血流を促すことで頭皮と髪に栄養や酸素が行きわたりやすくなる |
という、それぞれの自律神経の育毛に関する働きが活性化していくでしょう。
悪玉コレステロールの減少につながる
ファイトケミカルを摂取する育毛効果は、悪玉コレステロールの減少にも役立つということ。
ファイトケミカルの代表的な栄養成分となるトマトやスイカなどに含有が多いリコピンは、悪玉コレステロールの減少に働きかけることがさまざまな研究結果から報告され、専用のサプリメントや健康食品にも使われることが増えてきています。
そもそも悪玉コレステロールが増えると、
- 血管にダメージがかかり頭皮と髪の栄養供給がスムーズにならなくなる
- 血管内に老廃物、毒素、有害物質が溜まって頭皮ダメージの原因になる
- 脂質が増えて皮脂分泌が活性化し、頭皮の毛穴詰まりによる育毛と発毛の阻害
といったいくつもの悪影響が生じてしまいます。
ファイトケミカルの代表的な種類・リコピンは、薄毛や抜け毛はもちろんさまざまな生活習慣病の原因となる悪玉コレステロールの増加を防ぐことで頭皮と髪、全身の健康に働きかけてくれるのです。
頭皮を健やかな状態に保つ
髪の毛はそもそも、頭皮から生え育っていくため、頭皮環境が乱れていると丈夫な髪の育成が難しくなってしまいます。
ファイトケミカルにはニンジンやカボチャといった緑黄色野菜に含まれている、頭皮を健やかな状態に保つβカロテン(別称ではビタミンA)が豊富。
この栄養素は活性酸素のダメージから頭皮を守る優れた抗酸化力と、皮膚の健康を保つ、さらには細胞の分裂や活性化を担う役割があり、頭皮環境の乱れが原因の抜け毛や薄毛にアプローチできます。
ビタミンエース(ACE)それぞれの恩恵が期待できる
身近な根菜や野菜、フルーツなど、植物性の素材に豊富に含まれているファイトケミカルは、髪と頭皮の健康に欠かせないビタミンエース(ACE)も豊富に含まれています。
ビタミンエース(ACE)はすべての種類に抗酸化力が優れているため、年齢を重ねるたびに髪のダメージや薄毛の顕著さが気になる老化の影響に悩む方に積極的に摂取したい栄養素と言えます。
ビタミンエース(ACE)それぞれの、育毛や頭皮の健康に役立つ理由を以下で詳しくチェックしてみましょう。
ビタミンAと育毛の関係性 | 健康な頭皮環境を保持できることで毛髪の成長サイクルが正常化していく |
ビタミンCと育毛の関係性 | 紫外線ダメージから頭皮と髪を守り、コラーゲンを作り出してつややかでハリのある毛髪に導いていく |
ビタミンEと育毛の関係性 | 血管を拡げて血流を良くしたり、抗酸化力が高いことで頭皮の細胞老化ダメージを予防する |
ファイトケミカルはこの栄養素ひとつでビタミンエースはもちろんリコピンやβカロテン、ポリフェノールも補えるため、栄養価が豊富なサプリメントや酵素ドリンクのようなイメージとも言えるでしょう。
抗炎症作用が期待できる
ファイトケミカルに豊富に含まれているアントシアニンは、一般的に目の健康や皮膚のコンディションケアに役立つというイメージがあるかもしれません。
実はファイトケミカルに豊富なアントシアニンは、抗酸化力と抗炎症作用があることがさまざまな研究結果から明らかになっています。
ファイトケミカルの中のアントシアニンの抗炎症作用は、誰にとっても馴染みの鎮痛薬・抗炎症役となるバファリンなどアスピリン製剤よりも10倍もの作用があると言われるほど。
頭皮の炎症は活性酸素、ストレス、紫外線、間違ったシャンプーや合わないヘアケアアイテムを繰り返し使うといったいくつもの原因があり、誰にでも生じるリスクがあります。
ファイトケミカルに多いアントシアニン摂取は、誰にでも起こり得る頭皮の炎症を未然に食い止め、頭皮環境を健やかに・正常に整えることで育毛に働きかけるため、頭皮が敏感になりやすい方にも積極的に補いたい栄養成分と言えますよ。
ファイトケミカルを摂取して育毛に活かそう!代表的な栄養素3つを紹介!
ここでは、ファイトケミカルのなかでも代表的な3つの栄養素を紹介します。
- ポリフェノール
- カロテノイド
- 含硫化合物
さっそく、それぞれの特徴や多く含まれる食材について、みていきましょう。
ポリフェノール
ポリフェノールは、植物が光合成を行うときに生成される栄養素で、主に植物の色素や苦味の成分のこと。
自然界には8,000種類以上あるといわれており、私たちが普段食べている食材にも、さまざまなポリフェノールが含まれています。
なかでも育毛に効果的で摂取しやすいおすすめのポリフェノールは、「カカオポリフェノール」。カカオポリフェノールは、コーヒーやチョコレートなどに含まれているポリフェノールです。
例えば、コーヒー100gに含まれているカカオポリフェノールは、約200mg。手軽に摂取することができる、おすすめのポリフェノールです。
カロテノイド
カロテノイドとは、ファイトケミカルのなかでも「色素」の成分として有名な栄養素。主に野菜や果物などの赤や黄、橙色の天然色素です。
カロテノイドは、大きく「カロテン類」と「キサントフィル類」の2種類に分けることができます。
特に馴染みがある栄養素は、カロテン類でしょう。
カロテン類には、「β-カロテン」や「リコピン」などの栄養素含まれています。
そして、カロテノイドを多く含んでいる食材として、有名なのは「ニンジン」です。
ニンジンには、β-カロテンが豊富に含まれており、ニンジン100gに含まれるβ-カロテンは、約7.2mg。ニンジンを食べることで、育毛に効果的なカロテノイドを効率よく摂取することができます。
含硫化合物
含硫化合物とは、刺激的な香りや辛味が特徴的なファイトケミカルの一種。「含硫」とあるように、硫黄を含む化合物の総称です。
含硫化合物を効率的に摂取するには、「ニンニク」を食べることがおすすめ。ニンニクには、「アリイン」と呼ばれる含硫化合物が含まれています。
そして、ニンニク100gに含まれるアリインは、約512mg。ニンニクを食べることで、多くの含硫化合物を摂取することができます。
ファイトケミカルで育毛!上手な摂り方やおすすめレシピをご紹介
育毛はもちろん、美容や健康、メンタルのコンディションケアに役立つ、豊富な栄養素が満ちたファイトケミカル。
ここではファイトケミカルを日常的に摂取できる、上手な摂り方や便利で美味しいおすすめレシピを詳しくご紹介します。
ファイトケミカルの上手な摂り方
ファイトケミカルを上手に摂るためには、
- 野菜
- フルーツ
- 根菜
をトータルで5~9つ程度を目安にまんべんなく補うことがポイントになります。
たとえばニンジンやカボチャの場合は、この野菜ひとつで100種程度ものファイトケミカルを補うことができます。
ただ同じ野菜よりも、他のフルーツや根菜からファイトケミカルを補った方が、調理や味付け、風味の工夫もできてマンネリの予防に役立ち、続けやすくなるメリットがあります。
1日5~9種類の野菜、フルーツ、根菜を、毎日3食にバランスよく摂り入れることが、育毛に効果的なファイトケミカルをたっぷり補う秘訣ですよ。
ファイトケミカルを補えるおすすめレシピ!【ベジブロス】
有名人気の料理家が発案したベジブロスは、野菜・根菜・フルーツのファイトケミカルが満ちた皮や茎、根の部分を使ったスープで、まんべんなくふぁうとケミカルを補える、便利でカンタン、エコにもなるおすすめのレシピです。
さっそく、材料と作り方、おすすめの活用術をご紹介しましょう。
ベジブロスの材料と作り方
材料 | 玉ねぎ、にんじん、カボチャ、トマト、りんごなど5~9種の野菜、根菜、フルーツの茎や川、根をカットして用意 |
作り方 | 多めの水と小さじ1のお酒に上記の具材を入れて、ほんのり色がつくまで20分程度煮込んで完成 |
ファイトケミカル活用術
ファイトケミカルで使った根や茎、皮は、観葉植物の肥料として再利用できるため、ごみ処理の手間暇がかからず環境にやさしい、エコ食としても活用できます。
スープはカレーやシチュー、煮込み料理などのベースとして使うこともでき、コンソメや塩コショウで味付けしたシンプルなスープとしても美味しく仕上がりますよ。
さいごに|ファイトケミカルで育毛対策!積極的に取り入れよう!
育毛するうえで重要な栄養素である「ファイトケミカル」。
ファイトケミカルの抗酸化作用によって、毛母細胞の酸化を抑えることができます。
また、髪の毛の主成分であるたんぱく質や亜鉛だけではなく、ファイトケミカルのような頭皮環境を整える栄養素も欠かせません。
ぜひ、日々の食事にファイトケミカルを取り入れ、育毛を促進させましょう。