【エビデンス有り】円形脱毛症の原因とは?治療期間や方法を紹介!
円形脱毛症とは?
円形脱毛症とはストレスや過食・ホルモンバランス等からくる脱毛症で、原因の特定が難しい脱毛症と言われております。
円形脱毛症にはレベルに応じた種類があり、良性円形脱毛症と悪性円形脱毛症という種類に大まかに分類されます。
円形脱毛症と言えば、10円ハゲの様な状態をイメージしますが、それは一番軽いレベルの症状です。
次で、良性と悪性の違いをご紹介します。
良性円形脱毛症とは?
良性円形脱毛症は、ストレスや過食等による自律神経の乱れから起きる脱毛症の事を言います。
毛根の形が少し小さく丸みを帯びていたら良性円形脱毛症です。
女性の方がお悩みになる脱毛症です。
広範囲の理由によって引き起こされるので、特定の処置で治すという事が難しく、気付いたら治ったという事があります。
コロナハゲと言われるていたものは、新型コロナウイルスの直接的な後遺症ではなく、コロナ鬱による精神的ストレスからくる良性円形脱毛症だと言われております。
良性円形脱毛症の種類
良性円形脱毛症には2つの種類があります。
それぞれ解説していきます。
単発型円形脱毛症
レベル1の円形脱毛症です。
脱毛班が一箇所のみの場合は「単発性通常型」ですが悪性ではありません。
皆さんが想像する円形脱毛症で、所謂10円ハゲ状態の脱毛症です。
多発型円形脱毛症
レベル2の円形脱毛症です。
先ほどの単発型が複数現れた場合がこの状態です。
ここまでは良性円形脱毛症である事が多く、8割は自然治癒していきます。
良性円形脱毛症の治療法と治療期間
治療方法はいくつかありますので、ご紹介します。
また、治療期間については半年ほどとなります。
髪の毛はどうしても今改善対策をしてもヘアサイクル上3か月後からしか結果が分りません。
自然治癒
冒頭にも書きましたが、気づいたら治っているというケースが80%程あります。
ですので、特別な事はせず自然治癒に任せてみるのも良いです。
何故なら脱毛症を発見して焦ってしまい、それが更にストレスとなってしまうので、3分の2が治るなら時間に身を任せた方がストレスフリーで治りやすい環境となります。
なるべくストレスを抱え込まず、ストレス発散方法を見つけるというのも良いでしょう。
ヘッドマッサージ(ドライヘッドスパ)
近年ではヘッドマッサージ(ドライヘッドスパ)専門店もブームがあり、出店数も右肩上がりに増えています。
ドライヘッドスパでは「寝かせる」というコンセプトのサロンが多く、自律神経改善に最適なリラクゼーションです。
睡眠というのは魔法の薬と言われる程の回復効果がありますので、ストレスを感じたらドライヘッドスパはおすすめです。
血管を広げる
これは幅広い対策ですが、結局のところ血流が悪くなってしまっているので、血管を広げて毛母細胞の働きを強くさせれば回復します。
ただし、根本から解決させている訳ではありませんので、対策の手を緩めると再発する危険性はあります。
薬のミノキシジル等が無理矢理広げる薬ではありますが、飲むのをやめるとすぐにハゲ始めます。
悪性円形脱毛症とは?
悪性円形脱毛症とは、突然頭髪の一部が楕円~円形状に抜け落ちる発毛障害を伴う円形脱毛症。
一般的には脱毛斑(脱毛が起きた箇所)は10円玉程度の大きさであることが多いですが、それ以上の範囲の脱毛班が複数できたり、範囲が頭部全体に広がったりするのが悪性の状態です。
また、毛根の先がナイフの様に尖っているのも悪性円形脱毛症の特徴です。
悪性円形脱毛症の種類
悪性円形脱毛症には3つの種類があります。
それぞれ解説していきます。
蛇行型円形脱毛症
レベル3の円形脱毛症です。
レベル3といっても多発型円形脱毛症とは違いここから一気に改善が難しくなってきます。
体感としてはレベル8ぐらいと考えて良いでしょう。治療には年単位の時間がかかります。
後頭部から側頭部の側面に沿って脱毛していくのが特徴です。
ここまで来たら発毛サロンでは手に負えないレベルです。
蛇行型の円形脱毛症は、重症化しやすく、治療が困難なことから悪性円形脱毛症と呼ばれています。
全頭型円形脱毛症
レベル4の円形脱毛症ですが、これも体感としてはレベル20ぐらいの難易度です。
多発型が全体に大きく広がり、頭全体の髪の毛が抜けてしまうケースです。
このケースでは治らない場合も多いので、カツラ等を用いている方も多くいらっしゃいます。
汎発(ばんぱつ)型円形脱毛症
レベル5の円形脱毛症ですが、これも体感としてはレベル50ぐらいの難易度です。
髪の毛だけでなく、まつ毛や体毛といった毛まで抜けてしまう、円形脱毛症の中でも最も重症度の高い型です。
ここまでくると数年は治らない事もザラにあります。
悪性円形脱毛症の治療法と治療期間
実は悪性円形脱毛症は根治に至る治療法はまだ確立されていません。
しかし、悪性円形脱毛症の改善に効果があった治療法はいくつか存在します。なかでも、悪性円形脱毛症の治療によく行われている治療法を3つほど紹介します。
発毛・育毛剤やステロイド剤を塗る
単発性通常型のような軽症の円形脱毛症は、発毛剤や育毛剤、ステロイド剤を直接脱毛班に塗る治療法でも完治できる可能性があります。
発毛剤・育毛剤は塗ったからといってすぐに効果は出ないため、最低でも約3ヶ月は毎日塗りましょう。
半年以上経過しても症状が改善しなかったり脱毛斑が増えたりする場合は、別の治療法に切り替えることをおすすめします。
飲み薬による治療
下記のような、内服薬を飲む治療法です。
- ステロイド内服
- 抗ヒスタミン薬
- セファランチン
- グリチルリチン
- メチオニン
- グリシン複合剤
内服薬による悪性円形脱毛症の治療は、数ヶ月以上続けると糖尿病などさまざまな副作用が起きる可能性があります。
そのため、2~3ヶ月続けて効果が出ない場合は、内服を中止して別の治療を行いましょう。
ステロイド局所注射
ステロイド局所注射は、炎症や免疫機能を抑える効果のあるステロイド剤を脱毛斑に注射で注入する治療法。
悪性円形脱毛症にも治療効果が期待できますが、注射は痛み伴いますし、注射部分しか発毛効果は期待できません。
注射した箇所の凹みもあるため、約6ヶ月続けても改善の兆しがない場合は別の治療法に切り替えましょう。
円形脱毛症の原因は?
悪性円形脱毛症の主な原因は、下記の2つ。
- ストレス
- 自己免疫の異常
精神的ストレスが円形脱毛症を引き起こす理由は、ストレスによって交感神経が乱れ、それよって血管が収縮した箇所の発毛が阻害されたことで脱毛しやすくなるため。
確かに精神的ストレスによって円形脱毛症が起きたケースも少なくありませんが、すべての円形脱毛症の原因が精神的ストレスではありません。
また、自己免疫の異常である自己免疫疾患も悪性円形脱毛症の原因の1つとして挙げられます。
自己免疫疾患とは、本来は病原体から身を守るはずの免疫システムに異常をきたし、自分自身の身体を誤って攻撃をするようになった状態を指します。 自己免疫疾患は、実際には数多くの病気を含む包括的な概念です
引用:自己免疫疾患
本来、免疫が攻撃するのは体外から侵入したものだけですが、この自己免疫に何らかの理由で乱れが生じることがあります。
また、遺伝によって先天的に自己免疫に異常が起きやすい方は、本来攻撃対象とはならない体の特定の箇所や成分を攻撃することがあります。
円形脱毛症と自己免疫疾患
前途解説した様に円形脱毛症の症状と原因はさまざまですが、キラーTとも呼ばれているCTL細胞が発毛を阻害して脱毛症を引き起こしていることがあります。
ここでは自己免疫疾患に関わるCTL細胞の特徴や影響などを研究結果をもとに解説しています。
CTL細胞(キラーT細胞)とは?
CTL細胞とは、細胞表面にCD8という分子を持つT細胞の1種。
ヘルパーTからの指示を受け、宿主にとって異物になる異常細胞(がん、ウイルスなど)を認識し、たんぱく質であるパーフォリンを放出して破壊します。
抗原で刺激されたB細胞に作用して,B細胞の抗体産生細胞への分化を補助するT細胞。生体内で免疫反応を行なうリンパ球は複数の細胞種より成るが,未分化なB細胞が抗体産生能を持つためには,特異抗原で刺激された後にT細胞からシグナルが伝達されなければならない。ヘルパーT細胞は,マクロファージが提示する抗原により活性化し,インターロイキン2などのリンホカインを産生し,B細胞に分化を誘導するためのシグナルを与える。
引用:ヘルパーT細胞
悪い細胞を破壊することを目的とする細胞であることから、「キラーT」「細胞傷害性T細胞」とも呼ばれています。
CTL細胞は、がん細胞等を認識して攻撃するのではなく、自分の持つ鍵と型が合う鍵穴を持つ細胞を宿主に対する異物と判断し、それを標的として攻撃をかけるのです。
つまり、自分の持つ鍵と型が合う鍵穴を持っていたら、それが宿主にとって正常細胞であってもかまわず襲ってしまうのがCTL細胞の特徴です。
また、攻撃をするのに、ヘルパーTから受けた情報を必要とするのもCTL細胞の特徴です。
CTL細胞は、相手がどんな鍵穴を持っているかという情報は、ヘルパーTから得ています。
そして、ヘルパーTから受け取るサイトカインによって細胞分化し、攻撃性が増します。
円形脱毛症への影響は?
先ほども書きましたが、CTL細胞は自分の持つ鍵と型が合う鍵穴を持っていているかどうかで標的を定めます。
そのため、ときに宿主にとって、正常な細胞を攻撃してしまうことがあります。
その標的が発毛に関係する細胞だったときに起きるのが円形脱毛症です。
円形脱毛症は、自己免疫疾患が原因でなる場合もあると言われておりますが、その理由がまさしくCTL細胞による攻撃なのです。
その特徴は、軽度であればコインのような円形な脱毛斑ができ、その周囲はきちんと発毛していることが挙げられます。
これは、破壊された毛根が、限定された箇所だけであるため。
また、自己免疫疾患を含め円形脱毛症の原因としては、下記が挙げられます。
■アトピー素因
■精神的ストレスによる影響
■遺伝的要素
■出産後の女性ホルモン値の変化
近年、ある研究で毛根破壊が起きた部分からCTL細胞の存在が確認されたようですが、詳細については後述します。
CTL細胞に関連する研究結果を徹底考察!
毛根破壊が起きた部分からCTL細胞の存在が確認された研究結果が「円形脱毛症に対するケモカイン、ケモカイン受容体阻害を介する新規治療戦略」として報告されています。
この研究は、浜松医科大学が行ったもので、同大学,医学部附属病院の講師である伊藤泰介氏が研究の代表者となっています。
下記が、CTL細胞と発毛、脱毛に関連する研究の概要です。
円形脱毛症病変部の毛包周囲には、著明なリンパ球浸潤が観察されました。
今回の実験を通して、その機序が「Th1細胞(ヘルパーTの亜群)」「Tc1細胞(CTL細胞)」の集合を誘引させるケモカインであるCXCL10が毛包周囲に強く発現し、また円形脱毛症ではそれに対する細胞走化性が亢進していることが明らかになりました。
急性期のみならず、慢性期でもCD8陽性Tc1細胞が持続的に浸潤。
この走化性を阻害することが治療に繋がると考えられましたが、治療ガイドラインにて推奨されている抗ヒスタミン薬にその阻害効果がみられることが判明しました。
CTL細胞をコントロールする制御型T細胞とは?
まずは、制御型T細胞とはどういったものなのでしょうか?
今回初めて目にした、耳にしたという方もいることでしょう。まずは、制御型T細胞の詳しい説明から、脱毛・発毛の原因について解説していきます。
制御型T細胞とは?
発毛に必要であるとされる制御型T細胞とは、白血球の中に存在している細胞の1つであり、「Treg」とも表記されます。
細胞はT細胞以外にも、B細胞、NK細胞などがあり、これらの細胞はチームを作ってウイルスなどの病原体やがん細胞などを攻撃してくれます。
この作用のおかげで、私たちの体はさまざまな病気から守られているということですね。
制御性T細胞とは、本来は自己免疫病などにならないように、自己に対する免疫応答の抑制(免疫寛容)を司っている細胞で、健康人のCD4+T細胞のなかの約5%を占めています。 しかし、がん細胞はこの制御性T細胞を利用して、免疫系からの攻撃を回避しています。
引用:がんと制御性T細胞 - 国立がん研究センター
さらに、この細胞達は、過去に体内に侵入したことのある異物を記憶。同じ異物がまた侵入してきたときには、記憶に基づいた素早い対応を行って排除する働きも持っています。
なかでも制御型T細胞は、免疫を抑制する機能を備えた優れた存在。
自己に対しての免疫応答を抑制する他に、過剰な炎症が起こった際にはそちらを抑制する機能もあります。
また、制御型T細胞は、胸腺という胸骨の裏側にある器官で生成されており、免疫のシステム制御において中心的な役割を担っている「司令塔」なのです。
昨今では、この制御型T細胞が、発毛対策や脱毛治療に有効なのではないかと注目されています。
円形脱毛症は「制御型T細胞」が「CTL細胞」のコントロール不全に陥った状態
前述したように免疫系の細胞は、細菌、ウイルス、がん細胞などの多様な病原体を排除して身体を守るように作用しています。
一方で、免疫応答が過剰作用することによって、そもそも正常であった細胞や組織にも害を及ぼすことになり、さまざまな病気や発毛の阻害につながる原因にもなります。
そもそも自己免疫疾患とは、本来であれば自分を守ってくれるはずのさまざまな免疫細胞が何らかの原因によって誤作動を起こし、悪影響を及ぼすこと。
円形脱毛症は「制御型T細胞」が正常な細胞を攻撃しない様に「CLT細胞(キラーT細胞)」に命令しているのにも関わらず、自己の毛根も異物と見なして攻撃し続け、毛髪が抜けていく状態なのです。
誤作動の原因解明は、まだ確立されていません。しかし、制御型T細胞が深く関係していることは確かです。
制御型T細胞を円形脱毛症治療に役立てる研究が進んでいる
アメリカのカリフォルニア大学では、マウスを用いた実験が行われました。
その結果、炎症を制御する免疫細胞の制御型T細胞の働きが「毛包幹細胞」による発毛の促進には欠かせない細胞であるということを発表しています。
研究チームは遺伝子技術を応用し、標的遺伝子である制御型T細胞を完全に失った「ノックアウトマウス」を作り出します。
そして、そのマウスの経過観察から、遺伝子を失うことによって生じる異変とは、どのようなものなのかを観察し分析しました。
結果、制御型T細胞を無くしたマウスは、一切の発毛ができなくなります。
この研究により、「免疫細胞である制御型T細胞の異常が脱毛の原因」である根拠を掴んだのです。
制御型T細胞を失うということは、自己免疫疾患で発症するとされている円形脱毛症だけではなく、AGA(男性型脱毛症)などの要因にもなる可能性が高いでしょう。
制御型T細胞のメカニズムの解明が進み、発毛治療が更に発展することに期待です。
円形脱毛症に良い食べ物は?
エイコサペンタエン酸 | 「抗炎症&抗アレルギー効果」「精神安定効果」「眼精疲労抑制効果」等 |
乳酸菌 | 自律神経と密接な関係にある腸内環境を改善 |
テアニン | 脳に対してのストレスを軽減する |
糖 | 糖はドーパミン等の脳内物質を生成し、幸福度を高める |
再三お伝えしている様に、円形脱毛症の原因は多岐に渡ります。
基本的には食べ物で治るという事がない脱毛症ですが、円形脱毛症の原因にストレスが起因となっているケースがあります。
その場合、ストレスを軽減する食べ物が有効で、上記の物を食べると良いでしょう。
ただ、「糖」だけは食べ過ぎると糖化という現象を起こし、今度は別の脱毛症を引き起こしてしまいます。
なので、糖は幸福度がすぐに上がる即効性があり、おすすめではありますが、食べ過ぎは注意しましょう。
ただ、先天的な自己免疫異常による悪性円形脱毛症は、食べ物による改善効果はあまり期待できません。
しかし、髪を作るために必要な栄養素をしっかりと摂取することで、円形脱毛症の改善をサポートさせることができます。
これらの栄養素を含んだ食べ物を積極的に食べるようにしましょう。
さいごに|円形脱毛症を治療して発毛を実感しよう!
毛細血管は繊細なので、悩みを抱え込みやすい女性が良性円形脱毛症を引き起こしやすいのですね。
軽度の円形脱毛症であれば、約80%が1年以内に治るといわれています。しかし、悪性円形脱毛症は完治が難しく、改善させるなら脱毛が起きた原因を特定させる必要があります。
最初は単発性通常型でも、悪性化して多発性通常型や全頭型になる可能性もありますから、門医で適切な治療を行うことをおすすめします。
この記事を見ているという事は、かなり悩んでしまっているので、それも血管を収縮させてしまいます。
気楽に過ごすのが吉です。
悪性円形脱毛症は、さまざまな発毛を阻害してしまい、髪の毛だけでなく体毛が抜けてしまう可能性もあります。
本記事が、悪性円形脱毛症と発毛との関係性について、詳しく知りたい方の参考になれば幸いです。