脂漏性脱毛症とは?症状や原因・治療法などについて解説!
脱毛症の1つに脂漏性脱毛症という病気があります。
この脂漏性脱毛症は髪や頭皮が皮脂でベタつくことで起きる脱毛症のため、不快感で症状に気付く方も多いことが特徴です。
本記事では、脂漏性脱毛症(しろうせいだつもうしょう)の症状や原因、治療法などについて解説しています。
ぜひ、最後までご覧ください。
脂漏性脱毛症とは?
脱毛症には数多くの種類があり、原因も症状もさまざまで発毛対策も異なります。
なかでも、脂漏性脱毛症は、そんないくつかの種類がある脱毛症の1つで、脂漏症が原因となって起きる病気です。
そもそも、脂漏症とは皮膚の新陳代謝が異常に速くなり、全身の皮脂腺の分泌が過剰になったり、皮膚の角化が異常に亢進した状態になったりしてしまう症状のこと。
この脂漏症には、下記の2種類があります。
- 原発性脂漏症:遺伝子の異常
- 続発性脂漏症:さまざまな要因から2次的に発症
また脂漏症は、皮膚の乾燥でフケが増える「乾性脂漏」と皮脂が異常に増える「湿性脂漏」に分類されます。
脱毛症を引き起こす脂漏症は、湿性脂漏の場合が多いですが、乾性脂漏でも発毛に影響が出て脱毛することもあります。
脂漏性脱毛症の症状とは?
脂漏性脱毛症の初期症状としては、主に下記の3つが挙げられます。
- 頭皮のベタつき
- フケの発生
- 炎症(にきび)
これらの症状が続くようなら、脂漏性脱毛症で頭皮に脱毛が起きる可能性があります。
頭皮のベタつき
脂漏性脱毛症の症状として多い症状といえば、皮脂による頭皮のベタつきです。
分泌される皮脂の量が多くなると、頭皮だけでなく髪もベタついてきます。
洗髪をしてもすぐに皮脂が分泌し、すぐにベタつくようなら脂漏性脱毛症の初期症状の可能性が高いでしょう。
フケの大量発生
乾性脂漏の場合は細かくパサパサのフケが、湿性脂漏の場合はベトベトした大きめのフケが大量発生します。
一般的に、フケは発毛サイクルで日常的に発生していますが、異常に気になる場合は対策する必要があるでしょう。
洗髪しているのに、フケが多く出るようなら脂漏性脱毛症になっているかもしれません。
炎症(にきび)
頭皮に皮脂や皮脂をエサにしている常在菌が増えると、頭皮に炎症やにきびができやすくなります。
常在菌(じょうざいきん)とは、主にヒトの身体に存在する微生物(細菌)のうち、多くの人に共通してみられ、病原性を示さないものを指す。 常在菌の種類は多種多様で、地域環境や生活習慣、および身体の部位により違いが見られる。 誤解されやすいが、「健康な身体にも存在する菌」であって「全ての人間が持っている菌」という意味ではない。
引用:常在菌 – Wikipedia
適切な治療や対策をしないと発毛に影響が出てきますし、にきびや炎症が頭皮だけではなく顔や首、胸、背中などに炎症が広がることもあるため注意しましょう。
脂漏性脱毛症の原因は?
続発性脂漏症による脂漏性脱毛症の原因としては、下記の2つが挙げられます。
- ホルモンバランスの乱れ
- 洗髪のしすぎ
- 炭水化物(糖質)の取りすぎ
それでは、詳しくみていきましょう。
ホルモンバランスの乱れ
ホルモンバランスが乱れると、皮脂の過剰分泌が起きやすくなります。ホルモンバランスが乱れる原因として考えられるのは、脂質の摂り過ぎや過度の飲酒。
睡眠時間が短い、睡眠の質が悪い、過度なストレスといったこともホルモンバランスを乱す原因になりやすいです。
洗髪のしすぎ
洗浄力が強いシャンプーは、頭皮が必要とする皮脂も取り除いてしまうため、皮脂の過剰分泌を招きます。
また、1日に何度も洗髪をすることも脂漏性脱毛症に起因します。
一方で、あまり洗髪をしなかったり、汚れやシャンプーの成分の流し残しがあったりすると、頭皮に常在菌が増えて脂漏性脱毛症の原因となることもあるため注意しましょう。
炭水化物(糖質)の取りすぎ
炭水化物(糖質)を過剰に摂取すると、余った糖分が体内のタンパク質や脂肪と結合して、AGEs(終末糖化産物)と呼ばれる老化物質に変化します。
これが頭皮の毛細血管をボロボロにし、栄養が行き届かず薄毛となってしまいます。
これを糖化(糖化反応)と呼びます。
また、糖化は髪の毛だけなく、皮膚にも作用します。
甘いものを食べすぎた次の日にニキビ等の肌荒れを経験した事のある人は多いのではないでしょうか?
これも糖化によるダメージの一種です。
脂漏性脱毛症の治療法
ここでは、脂漏性脱毛症のおすすめ治療法や治療期間について解説しています。
洗髪のやり方を変える
洗髪のやり方が脂漏性脱毛症の原因である場合は、あまり洗浄力の強くないシャンプーにしたり、洗髪の回数を減らしたりすることで改善します。
また、しっかり頭皮を濯ぐだけでも脂漏性脱毛症が改善し、発毛が促されることがあります。
洗髪のやり方を変えることで、脂漏性脱毛症の原因を解消することに繋がるため、効果を実感する期間には即効性があります。
生活習慣の改善
ホルモンバランスが乱れたことで脂漏性脱毛症に起因する場合は、生活習慣の改善が治療に繋がります。
脂漏性脱毛症が悪化している場合、生活習慣の改善などでは発毛環境が回復しないことも珍しくありません。
そうした場合には、ステロイドや抗真菌薬による治療が効果的です。
ステロイド治療は、治療効果や発毛効果が出るまでの期間が比較的短期ですが、作用が強く副作用が出る可能性があるため、治療が長期になる場合には注意しましょう。
一方、抗真菌薬はステロイドと比べて、治療効果や発毛効果が出るまでに時間がかかります。
作用が弱く、脂漏性脱毛症の悪化具合によっては治療に期間が必要にはなりますが、安全性は高いといえるでしょう。
脂漏性脱毛症によい食べ物は?
ビタミンB2やB6には皮脂の分泌を抑える働きがあるためおすすめです。
脂漏性脱毛症の改善におすすめの食べ物は下記のとおり。
- 魚
- 卵
- 乳製品
- 赤身の魚
- 肉類
ビタミンB2は、魚や卵、乳製品に多く含まれていますが、ビタミンB2が多い食品は高脂質なモノが多いため、食べる量には注意が必要です。
また、ビタミンB6は赤身の魚やヒレ肉・ささみなどの脂が少ない肉類、バナナ、パプリカ、さつまいも、玄米などに多く含まれています。
さいごに|脂漏性脱毛症を治療して発毛を実感しよう!
脂漏性脱毛症は、生活習慣の改善や洗髪のやり方を変えることで改善できますが、悪化している場合は脱毛が進んでしまいます。
最後に、本記事の内容をまとめます。
- 脂漏性脱毛症は、脂漏症が原因となって起きる病気
- 脂漏性脱毛症の初期症状は「頭皮のベタつき」「フケの発生」「炎症(にきび)」
- 脂漏性脱毛症の原因は「ホルモンバランスの乱れ」「洗髪のしすぎ」
- 脂漏性脱毛症の改善ポイントは「洗髪」「生活習慣」「食べ物」
抗真菌剤が含まれたシャンプーが医薬部外品として薬局で市販されていますが、脱毛の原因が他にもあるかもしれません。
原因を追究するためにも、専門医に相談して適切な治療を行う方が発毛への早道でしょう。