低出力レーザーと赤色LEDの違いは?どっちが発毛育毛に効果がある??
今回は薄毛に効くと言われている低出力レーザーという育毛機器について解説していきます。
眉唾物の情報が跋扈している育毛業界で、本当に効果があるのかをご説明します。
赤い光は細胞を活性化する
今回は発毛の記事となりますが、まず赤い光についてご紹介させていただきます。
赤い光には様々は効果があります。
【視力回復】網膜のミトコンドリアの機能を改善
【肌質改善】線維芽細胞を刺激して活性化
【発毛・育毛】毛母細胞や毛乳頭細胞を刺激
この様に様々な効果があり、各分野に採用されています。
特に発毛分野でいえば、毛乳頭細胞内のミトコンドリアがアデノシン三リン酸(ATP)という生命エネルギーを作り出し活発に活動する事により、健康な髪の毛が生成されます。
しかし、アデノシン三リン酸の量が減ると、活動が弱まり薄毛になってしまうのです。
そこで赤色の光をミトコンドリアに照射する事により、アデノシンの量が増え健康な活発状態に戻す事が出来るのです。
ちなみに、
青色の光は鎮静作用があり、ニキビ治療に使用されているます。
白色の光は波長が長く、アンチエイジングなどに使用されています。
赤色LEDとは?
赤色LEDって聞いたことありますか?
「LEDってイルミネーションとかで使われる光のことでしょ?」という方、正解です。それ以外にもなんと赤色LEDには発毛を促す効果があるというので驚きです。
早速その効果についてみていきましょう。
LED発毛は「光治療」の1種
光治療とは、電気を流すことで発光する特徴を持つ「LED(発光ダイオード)」の光を利用した治療法のこと。
青色LEDの発明と実用化に貢献したことが評価されて2014年に日本人3名がノーベル物理学賞を受賞されたことは記憶に新しいですよね。
そのLEDのなかでも、赤色LEDには発毛・育毛作用があることが分かってきています。
LEDとは、電圧をかけた際に発光する半導体素子のことですが、研究が進むにつれてLEDの光が植物の成長を促進したり、皮膚状態を改善したりする効果があることが判明しました。
赤色LEDは頭皮に存在する毛乳頭細胞を刺激し、発毛に作用するという内容で学会でも注目されました。
例えば、平成20年には放射線科専門医の小笠原正弘院長が、以下の研究結果を発表。
「特に赤色の超狭帯域LEDは頭皮の深層部分にアプローチし、毛乳頭細胞など発毛・育毛に関連する細胞の活性化を促します。」
引用:超狭帯域LEDの頭皮や皮膚への効果は各界で大きな注目を浴びています
このように述べました。
また、平成25年には乾重樹・大阪大学医学部准教授が「発毛や育毛の促進作用に関する赤色LEDの仕組みや可能性」という注目すべき内容で論文を発表しています。
その内容を簡単にいえば、頭皮に低出力レベルのレーザー赤色LEDを照射することで、毛乳頭細胞が活性化して発毛・育毛作用を促進するというもので、20~60歳の2,000人以上を対象とした実験で育毛効果が確認されたとのことです。
この研究結果から、赤色LEDによる光治療は薄毛に悩む方にとって期待のできる治療法ではないでしょうか。
赤色LEDの育毛効果は?
では、どうして赤色LEDを当てると毛が生えてくるのでしょうか。
発毛には、毛乳頭細胞が大きく関わっていることが解明されています。
毛乳頭細胞に弱い光線として赤色ナローバンドLEDを当てて刺激を与えると、毛乳頭細胞から毛髪の増殖因子の一部に分泌濃度が上昇したことが確認されたとの研究結果があります。
つまり、波長の長い赤色のLED光線を用いることで通常では表皮に反射されて届きにくい皮膚の奥にある毛乳頭細胞が活性化されるため、発毛効果が期待できるのです。
しかも、男性型、女性型脱毛に関わらず毛乳頭細胞から毛髪の増殖因子の一部が分泌を促され因子の濃度が上昇されたことが確認できています。
男性だけでなく薄毛に悩む女性の方にも嬉しい研究結果ですね。
赤色LED発毛にかかる費用は?
赤色LEDを照射すると発毛に効果的であるということがわかりましたが、気になるのは費用面ですよね。
専門の機械とかを使っているので高いのでは?と思う方も多いかもしれません。
赤色LEDを使用した光治療を取り扱っている医療機関などの料金相場を調べてみました。
- 心斎橋いぬい皮ふ科(大阪):1回につき1,500円(税込)※週1回照射を推奨
- HAIR&SKIN CLINIC(新宿):1回につき2,750円(税込)※約20分の照射
「思ったほど高くはない」というのが正直な感想ではないでしょうか。
ちなみに、赤色LED発毛治療は若いうちから実践することに意味があります。
美容皮膚科ミニョンベルクリニックの小笠原院長は、赤色LED発毛治療について注意すべき点を、このように述べています。
「赤色LEDを用いた薄毛治療は自分の頭に毛乳頭細胞が残っていることが大きな条件だということです。男性は20歳を過ぎてから紙が薄くなってきますから、早めの超狭帯域赤色LED照射を標準的にすることをお勧めします。(小笠原院長)」
低出力レーザーとは?
この発毛方法は、2017年頃に登場したクリニックでの治療法であり、低出力でレーザーを頭皮に照射して発毛を促進させる方法。
「LLLT(Lou Lebel Laser Therapy)」と呼ばれるこれまでの薬を使った治療法とは異なる新しい発毛方法であり、現在では家庭でも使える「ヘアマックス」という器具の販売もあります。
本章では、低出力レーザーの特徴と安全性についてまとめました。
低出力レーザーの発毛の効果は?
低出力レーザーは、育毛において高い効果が認められています。その効果は、日本皮膚科学会のデータでAからDまであるランクのなかで2番目に高い「B」となりました。
フィナステリドやミノキシジルを使った発毛法の次に高い効果が期待できるということです。
ただし、これには諸説あるので妄信的に信じるのはやめておきましょう。
また、低出力レーザーは、頭皮の細胞の老化現象や新陳代謝にも効果があるのです。頭皮にあるミトコンドリア細胞が老化してしまうと、分裂が上手くいかず新陳代謝が滞ってしまいます。
ミトコンドリアとはほぼ全ての真核細胞にある細胞小器官である。 独自のDNAを持っていて、これは細胞核と違い輪ゴムのような形をしている。 そして一部のタンパク質を自前で合成しまるで細胞内で細菌であるかのように振る舞っている。 ミトコンドリアは、細胞内でこのようにエネルギーの合成をおこなっている。
引用:ミトコンドリアについて
低出力レーザーを照射することにより、頭皮の細胞を活性化させて育毛や発毛を促すことが可能。
頭皮細胞の活性化に伴い、ヘアサイクルを正常に整える効果も期待できます。
そもそもヘアサイクルの乱れは、薄毛や抜け毛の原因の1つ。
髪の毛は成長期で生えたり伸びたりするのですが、ヘアサイクルが乱れると通常よりも早く抜けて落ちてしまいます。
低出力レーザーを使い正しいヘアサイクルに整えれば、発毛効果や薄毛改善に期待できるでしょう。
低出力レーザーにかかる費用は?
育毛剤や薬は、毎日使用して効果が期待できるものであり、ランニングコストがどうしてもかかります。
しかし、低出力レーザーは自宅治療の場合は、安い製品で1台3万円程度、高いエビデンスのあるヘアマックスでも10万円程度で購入できます。
その後は毎月かかる費用は電気代くらいです。
育毛剤や内服治療の費用は、月に約1万円から多い人で約3万円かかります。
クリニックのAGA治療や大手の発毛術では、年間20万から多い人で50万ほどの費用がかかってしまうこともあるでしょう。
毎日働いているサラリーマンの方や家庭を持たれている方には、とても痛い出費です。
以上を踏まえて、低出力レーザーは発毛に高額な費用をかけたくない方にはおすすめの治療法といえます。
AGAクリニックでも治療法として採用されている!
実際にAGAクリニックでも使用されいる低出力レーザーですが、活用方法については「診療ガイドライン(2017)」で具体的な内容で掲載されています。
このことからも、安全性や効果は医薬品や医薬部外品の育毛剤など比較して、実績や信用性が高いといえるでしょう。
低出力レーザーは男女どちらも使える!
これまでの発毛法は、育毛剤やフィナステリドやミノキシジルなどの薬を使う方法が主流ですが、基本的にフィナステリドは、女性が使うことを禁止しています。
そもそも、フィナステリドを女性に使用するための安全性は、現在の技術では確保されていません。
しかし、低出力レーザーは、女性の方でも安心して使用できます。
低出力レーザーの安全性
低出力レーザーは、今までの治療法とは異なりリスクがとても低いことがメリットです。
使用する光線は、皮膚に悪影響のない出力以下と決められています。
さらに、動物実験では皮膚面にトラブルが起きてないことが証明済みであり、人体に関してもレーザーの副作用は今のところ確認されていません。
低出力レーザーはお肌が弱く頭皮環境が悪化しやすい人に最適
低出力レーザーは、安全性がとても高いので、お肌が弱い男女でも使用できます。
また、頭皮の炎症を抑える効果も期待できるため頭皮環境を整えたい方にもおすすめ。
ただし、どうしても肌への影響が気になるのであれば、1度クリニックへ相談してみましょう。
低出力レーザーと赤色LEDの違いは?
光の種類 | 低出力レーザー | 発光ダイオード(LED) |
---|---|---|
価格 | 高い | 安い |
位相 | 揃っている | バラバラ |
光の特徴 | 直線的で強い | 散光して弱い |
照射時間 | 1分以内 | 10分~20分程度 |
二重盲検法での対比 | 本命 | プラセボ群 |
信頼性 | FDAの認可 | 認可事例なし |
発毛への効果 | ◎ | △ |
光の種類
そもそも低出力レーザーと赤色LEDは全くの別物です。
後ほど詳しく書きますが、どうあがいても効果は「レーザー>>>LED」となります。
価格
低出力レーザーとLEDでは価格が全く異なります。
ただ、育毛用として開発された機器に関しては、そのメーカーのさじ加減という事もあって、どちらも高くなります。
Amazon等で売られている安いLED育毛機器に関しては全く効果ありません。
太陽光を浴びた方が良いです。
位相
位相とは「周期的な運動をするものが一周期の内のどのタイミングにいるかを示す量」の事です。
レーザーは安定しており、LEDはバラバラです。
光の特徴
レーザーは誘導放出により、どんどんパワーを貯めて直線的に強い光を生み出す事が可能です。
また、安定的な光の為、制御がしやすく再現性が高いのが特徴です。
LEDは自然放出で、レーザーの様に強く安定的な光は出せません。
照射時間
発毛用の機器に関してはレーザーで90秒程、LEDで20分~30分という時間が必要です。
レーザーは光が強い為、副作用は無いと言われてますが、余りにも長く照射をすると理論上は逆に毛根にダメージを与えてしまします。
LEDは光のパワーが弱いので長時間やらないと効果がありません。
二重盲検法での対比
二重盲検法での対比とは、要するに本命のAとプラセボ(偽薬)のBを比べて違いがあったか?という方法で、エビデンスとして価値のあるものになります。
実はプラセボでも3割ぐらいは効果があると言われております。これは信じる事によって体が免疫等を向上させるので治ってしまうのです。
「病は気から」ということわざもある通り一定数回復してしまう為、二重盲検法を使用します。
ここで重要なのは「本命の低出力レーザー」「プラセボのLED」という構図であった事です。
低出力レーザーは効果があると認められましたが、それをLEDも効果があると広まってしまった為、LED育毛器が登場しました。
信頼性
二重盲検法での認められた!という部分はレーザーはFDA(アメリカ食品医薬品局)の認可を受けた製品があります。
勿論、LEDは認可されていません。
では何故、ここまでLEDが広まり主流と化したのかと言えば、安く簡単に作れるからです。
発毛への効果
某メーカーの低出力レーザー製品ではミノキシジルとフィナステリドを複合使用の場合と同じ効果あったと言われております。
実際に私もその製品を試しましたが、かなり効果があると断言できます。
LEDにも効果があるとされるものがあります。
それは「超狭帯域LED」と呼ばれるもので、レーザーと同じ635〜650 nmの範囲の波長が使用されたものです。
ただ、そもそもの光の特徴が全然違いますので、断言までは出来ません。
ラット実験のエビデンスはありますが、人間に対してのエビデンスは薄いと思われます。
アデランスがこの超狭帯域LEDを使った施術をしております。
本当に効く!低出力レーザーのおすすめ度
上記の表は私が間違いなく効いたと言える育毛法です。
この表を見ても低出力レーザーだけだと、生えない事もあるという事が見てわかると思います。
もし生えていたら、問答無用で10にしていますからね。
そもそも薄毛の原因は一つじゃありません。食生活・ストレス・AGA・頭皮環境等様々。
なので、生えない人がいて当たり前なので、低出力レーザーだけやれば生える!というのは売りたいメーカー側の誇大広告と言えます。
しかしながら、低出力レーザーは間違いなく効果がある育毛法の一つであると断言させて頂きます。
対してLEDですが、効果があれば「発毛サロン ゼウス発毛」に導入してみようかなと思い色々試してみましたが、これだけでそれなりに生えるという事はありませんでした。
私は実体験と周りのエビデンスで、良い悪いを判断しますが、LEDを強く謳っている発毛サロンは、あからさまに怪しくおかしいホームページを開設しているので、それと同じと思われたくないという思惑もあります。
ただ、なんにせよ、この業界は他社批判が当たり前ですので、効果があった!なかった!というのもきちんと自分から情報収集して判断すべきだと思います。
私の場合は、発毛サロン 兼 ヘアケアメーカーのオーナーという事で医療行為は出来ず、どのメーカーからも報奨金の類は受け取ってませんので、フラットに判断が出来ると思います。