育毛剤には即効性がない?髪の毛のメカニズムから知る
「育毛剤って本当に効くの?」
「育毛剤はどのぐらい使い続けたら効果が出るの?」
育毛剤は医薬品、医薬部外品、化粧品に分かれ、医療機関や市販でも数多くの商品が販売されています。
そのためどれが良いのか、迷う方も多いのではないでしょうか。
育毛剤には「効果がない」「効果を実感できない」といった口コミが挙げられていることも多々あります。
どうせ買うなら、「よく効く」「早く効く」育毛剤を知りたいところです。
この記事では育毛剤の効果や即効性があるかどうか、失敗しない育毛剤の選び方まで一挙ご紹介します。
育毛剤には即効性がない?髪の毛のメカニズムから知る
「育毛剤はすぐに効くのか?」「育毛剤は本当に効くのか?」気になるところです。
ここでは以下の内容で育毛剤の効果について、効果が出るまでの期間や、育毛剤のメカニズム、本当に効果があったのか口コミを検証します。
- 育毛剤の効果が出る時期
- 育毛剤のメカニズムとは
- 育毛剤の効果は本当にある?
育毛剤の効果が出る時期
育毛剤は使用してすぐに効果を実感できるものではありません。
効果が出るまでに早くても3ケ月、遅くて半年以上必要です。
その理由は私たちの髪の毛にはヘアサイクルがあり、髪の毛は定期的に生え変わっているためです。
ヘアサイクルは以下の時期に合われ、それぞれ髪の毛の状態が異なります。
期間 | 毛髪の割合 | 働き | |
成長期 | 男性で3~5年女性で4~6年 | 80%~90% | 毛髪の細胞分裂を活発に行う |
退行期 | 2~3週間 | 1%程度 | 細胞分裂が穏やかになり成長が止まる |
休止期 | 3ヶ月~4ヶ月 | 10%程度 |
・毛髪の成長が完全に止まる ・新しい髪の毛が生えてくることによって古い髪の毛が押し上げられ自然脱毛を起こす |
このヘアサイクルが乱れると、本来男性で3~5年ある成長期が短くなり、髪の毛が健やかに育つ前に抜けてしまうため、細くて短い抜け毛が増えてしまうのです。
さらに抜け毛だけでなく、薄毛や白髪の原因にもなります。
このヘアサイクルの乱れを正常に戻すためには、最低3ヶ月以上必要です。
そのため新しい髪の毛が生えるまでに、遅くても3ヶ月以上かかるのです。
育毛剤のメカニズムとは
この3ヶ月の間に、育毛剤はどのような働きをするのでしょうか。
ヘアサイクルの乱れは頭皮環境の改善や、髪の毛に必要な栄養を送ることで、髪の毛の細胞が活性化され回復します。
そのため育毛剤には、以下のような効果があります。
- 毛母細胞の分裂・増殖を促す効果
- 血行を促進する効果
- 抜け毛や薄毛の予防
- 髪の毛に必要な栄養を与える効果
毛母細胞の分裂・増殖を促す効果
毛母細胞とは、髪の毛の成長に最も大切な組織のひとつです。
毛母細胞が分裂を繰り返すことによって髪の毛は成長し、角質化することで硬くてコシのある髪の毛を作ります。
この毛母細胞はAGAに関わる男性ホルモン(ジヒドロテストステロン)の影響や、栄養不足によって、働きが弱まってしまいます。
育毛剤で毛母細胞を活性化させることで毛母細胞の細胞分裂が促進し、髪の毛の成長に繋がるのです。
血行を促進する効果
育毛剤の成分により頭皮の血行を促進させ、髪の毛に必要な栄養や酸素を頭皮全体に行き渡らせることで、頭皮環境が改善します。
血行不良になると以下のような症状がみられます。
- 抜け毛や白髪が増えた
- 頭皮がブヨブヨする
- 肩や首がこる
- 顔がたるんできた
これらの症状がみられる方は、頭皮の血行が悪くなっており、ほっておくと薄毛・抜け毛の原因となります。
血行不良の原因は以下の通りです。
- 生活習慣の乱れ
- ストレス
- 睡眠不足
- 加齢
- 紫外線
頭皮の血行が悪いと、髪の毛まで必要な栄養や酸素を送ることができなくなります。
そのため髪の毛の成長に関わる毛母細胞は栄養や酸素が届かないため機能が低下し、ヘアサイクルの乱れを引き起こすのです。
また頭皮の血行が悪いと老廃物が溜まるため、フケや臭いを伴い、そのままにしておくとかゆみが出て炎症を起こす可能性があります。
そのため育毛剤を使って血行促進することで、頭皮環境やヘアサイクルの乱れを改善できるのです。
抜け毛や薄毛の予防
育毛剤には今ある髪を育てるだけでなく、抜け毛や薄毛を予防する効果もあります。
抜け毛を予防するためには皮脂を抑制し、頭皮の炎症を防ぐことが大切です。
過剰に皮脂が分泌されると、頭皮の常在菌が増えてしまい、炎症を引き起こしてしまいます。
炎症が毛根にまで及ぶと、髪の成長が阻害される事でヘアサイクルが乱れ、抜け毛だけでなく、新しい髪の毛も生えにくくなるのです。
そのためそのままにしておくと、薄毛を引き起こしてしまいます。
育毛剤には皮脂を抑制し、炎症を抑える成分が入っているため、抜け毛・薄毛も予防できます。
髪の毛に必要な栄養を与える効果
髪の毛に必要な栄養素は数多くありますが、髪の生成に最も大切な三大栄養素は、タンパク質・亜鉛・ビタミンです
タンパク質 |
|
髪を構成する |
---|---|---|
亜鉛 |
|
タンパク質を作り出す働きを持つ |
ヨウ素 |
|
新陳代謝を活発化させる |
ビタミンB群 |
|
新陳代謝を促進させ、細胞を活性化させる |
ビタミンC |
|
抗酸化と同時にコラーゲンを生成する |
ビタミンE |
|
抗酸作用や血行促進 |
葉酸 |
|
ビタミンB群の一種であり、不足すると白髪の原因となる |
ビタミンK |
|
血流改善 |
鉄分 |
|
髪に必要な栄養と酸素を運ぶ血液作りに必須 |
これらの栄養素は髪の毛の生成に関わり、食べる事でももちろん摂取できますが、育毛剤にこれらを摂取しやすくなる成分が配合されている場合があります。
育毛剤の主な配合成分であるサイトプリンは、髪の成長に必要なタンパク質の生成を促進する働きがあります。
さらにヘアサイクルの「休止期」状態だった髪の毛を「成長期」へ転換することも可能です。
他にもペンタデカン酸グリセリドは、髪の成長に必要なタンパク質の合成を助ける成分を持ち、ハリコシがあって抜けにくい髪の毛に成長させる働きを行います。
育毛剤の成分一覧
前項で育毛剤には、毛母細胞の細胞分裂を活性化させる作用や、血行促進し頭皮環境を整える作用があるとご紹介しました。
ここでは、これらの効果をもつ成分例を一覧でご紹介します。
毛母細胞の分裂・増殖を促す効果 | ・D-パントテニルアルコール(パンテノール) ・アデノシン ・アラントイン ・ペンタデカン酸グリセリド ・ステモキシジン |
血行を促進する効果 | ・酢酸DL-α-トコフェロール(ビタミンE誘導体) ・ナイアシンアミド ・アルギニン ・ブドウカルス培養エキス ・D-パントテニルアルコール ・L-アルギニン ・ショウブ根エキス ・イチョウ葉エキス ・エビネエキス ・センブリエキス |
頭皮環境を改善する効果(頭皮の保湿) |
・アセチルグルコサミン ・アロエエキス |
頭皮環境を改善する効果(皮脂の抑制) | ・アスコルビン酸(ビタミンC/ビタミンC誘導体) ・カシュウ |
頭皮環境を改善する効果(炎症の抑制) | ・モモカルス培養エキス ・サクラ葉エキス ・ビワ葉エキス ・グリチルリチン酸ジカリウム |
男性ホルモン(ジヒドロテストステロン)に対する効果 | ・ノコギリヤシ ・オレアノール酸 ・ビオチン ・L-リシン塩酸塩 ・キャピシル ・ヒオウギエキス |
お持ちの育毛剤があれば成分を確認することで、どの成分がどんな働きをしているか確認してみるのもいいでしょう。
育毛剤の効果は本当にある?
前項では、育毛剤がなぜ髪の成長を助けるか、育毛剤の効果のメカニズムをご紹介しました。
ただし、育毛剤には「効かない」といった口コミもあります。
育毛剤の効果は本当にあるのでしょうか。
ここでは、育毛剤の良い口コミと悪い口コミをご紹介します。
育毛剤の良い口コミ
育毛剤の良い口コミは以下の通りです。
- 毛にコシが出て、枕に付く抜け毛が減ってきたような...!引き続き使っていきたいです。
- ひんやりすぐに頭皮に馴染んで気持ちがいい。シトラスっぽい爽やかな香りで、おじさん臭い香りじゃないのが嬉しい!
- 毛の根元にボリューム感が出てきたような...?使い心地などは満足ですが、値段が高い点は残念ですね。
- 1本1本の毛が太くなりヘアセットがかなり楽になりました。お値段以上のアイテムです。
- 使用続けて妻に「髪がふさふさしてきた」と褒められるように。すぐに効果が出る訳ではないので、継続は必要です。
良い口コミでは、「抜け毛が減った」「ボリューム感が出てきた」「使いやすい」などといった声が多くありました。
育毛剤の悪い口コミ
育毛剤の悪い口コミは以下の通りです。
- 毛量や抜け毛、頭皮の血行などが変わらない。得られた実感がなくてがっかり。
- 使い始めてから逆に抜け毛が増えて不安になった。
- 適量が多くて垂れるうえベタつく。髪が長いと地肌に届きづらく、においもきになる。
- 説明書どおり30回プッシュすると頭がローションまみれになって垂れてくる。
- AGAに対応した成分が入っていないのですが、本当に発毛効果があるのか心配です。
効果に対するネガティブな口コミが最も多く、次に使用することでのトラブル例や使用感が挙げられます。
トラブルや使用感が気になる方は、自分に合った育毛剤を選ぶことが大切です。
また育毛剤には効果的な使い方があります。
事項より、効果的な育毛剤の使い方についてご紹介します。
効果的な育毛剤の使い方
育毛剤を効果的に使うためには以下をご参考ください。
- 使用方法を守る
- 頭皮・頭髪を清潔にしてから使う
- 頭皮マッサージをあわせて行う
- 継続して使用する
使用方法を守る
ついつい説明書をしっかり確認せずに、とりあえず使用してみる方もいらっしゃるのではないでしょうか。
育毛剤は、使用方法を守ることが大切です。
育毛剤を使用する際は、一緒に同封されている説明書をよく確認しましょう。
また早く効果を出したいからと言って、使いすぎてもいけません。
使いすぎてもそれ以上の効果は出ることなく、反対に過剰な成分接種により頭皮トラブルや副作用を引き起こす可能性があります。
育毛剤を使用する時は、必ず使用方法を守りましょう。
頭皮・頭髪を清潔にしてから使う
育毛剤を使う時は、頭皮・頭髪を清潔にしてから使いましょう。
頭皮や頭髪に皮脂などの老廃物やほこりが残っていた場合、育毛剤の成分が浸透しにくくなります。
そのため育毛剤を使う時は、シャンプーをしてドライヤーで少し湿る程度まで乾かしてから使います。
さらに育毛剤を頭皮に塗る時は、薄毛が気になる部分に分け目を作ってから育毛剤を塗り込みましょう。
頭皮マッサージをあわせて行う
育毛剤を塗る際、頭皮マッサージも合わせて行うと効果的です。
その理由は、頭皮マッサージを行うことで、頭皮の血行が促進され、育毛剤の成分が浸透しやすくなるためです。
頭皮マッサージをする際は、爪をたてたり強い力でマッサージすると、反対に頭皮を刺激し、抜け毛の原因となってしまいます。
頭皮マッサージには、血行促進以外にもリラックス効果やリフトアップ効果もあります。
毎日頭皮マッサージを行うことで、頭皮が柔らかくなってくるため、習慣化しておくことが大切です。
継続して使用する
効果が出ないと「効かなかった」と諦めがちですが、育毛剤の効果発現には時間がかかることを知っておきましょう。
前項の【育毛剤の効果が出る時期】でもご紹介したように、育毛剤は効果が出るまでに早くても3ケ月、遅くて半年以上の時間が必要です。
その理由はヘアサイクルは期間や時期が決まっているため、すぐに乱れたヘアサイクルを戻すことはできません。
育毛剤を使用する際は、まずは3ヶ月を目標に使ってみてはいかがでしょうか。
失敗しない育毛剤の正しい選び方
「育毛剤を買ったけど効かなかった」「使用感が嫌だった」「皮膚トラブルが起こった」など育毛剤選びに失敗した経験をお持ちの方もいらっしゃるのではないでしょうか。
育毛剤は医薬品だけでなく、医薬部外品、化粧品と数多くの商品があるため、その中から自分に合った育毛剤を見つけることが大切です。
ここでは失敗しない育毛剤の正しい選び方として以下の内容をご紹介します。
育毛シャンプーと育毛剤は違う
育毛シャンプーと育毛剤は違うことをご存じでしょうか。
どちらも育毛に効果があるように思いますが、育毛シャンプーの効果は以下の通りです。
- 頭皮の皮脂を取り除いて頭皮を清潔にすることで、頭皮環境を改善する
- 頭皮環境が改善することで血行が良くなり、髪の毛に必要な栄養や酸素が行き届く
育毛シャンプーで最も注意すべき点は、市販の育毛シャンプーには育毛に直接的な効果がない点です。
育毛シャンプーのこれらの効果はどれも間接的であるため、抜け毛・薄毛が気になる方は育毛シャンプーだけ使うのではなく、育毛剤と併用して使うことが効果的です。
配合成分をチェックする
育毛剤を購入する時は、配合成分をチェックしましょう。
配合成分をチェックすることで、自分の薄毛の原因に適した育毛剤を選べます。
例えば、頭皮環境が悪化する原因は人それぞれです。
ストレスが過剰に溜まった方は血行不良を起こしている可能性があり、かゆみやフケなど皮脂の分泌が気になる方は頭皮のケア成分を含む育毛剤を選びましょう。
配合成分を確認する際は、前項の【育毛剤の成分一覧】をご参考ください。
また、日本人男性の約30%はAGAを発症していると報告されています。
AGAの場合、男性ホルモンのバランスの乱れが原因です。
AGAとはAndrogeneticAlopeciaの略で、男性型脱毛症(男性型脱毛症)をしめします。
AGAの特徴は、生え際や頭頂部の毛髪が以前より薄くなる点です。
「AGAには育毛剤が効かない」と言われており、AGAの場合は発毛効果がある発毛剤が効果的でしょう。
効果 | 分類 | 治療対象 | おすすめの人 | |
育毛剤 | 髪を育てる | 医薬部外品 | 特になし | 毛髪のボリュームダウンやハリ・コシの低下が気になっている人 |
発毛剤 | 髪の毛を増やす | 医薬品 | AGA |
薄毛で頭皮が目立っている 脱毛が多くなってきた |
その理由は、育毛剤には頭皮の血行を促進し、頭皮の環境を整える作用がありますが、これらの成分はAGAのような薄毛に対して医学的な効果は示されていないからです。
AGAに効く発毛剤として、ミノキシジルには発毛効果が医学的に報告されており、男性だけでなく女性にも強く推奨されています。
発毛剤にはミノキシジルを代表とする発毛成分が入っているため、髪の毛が生えていない所からでも発毛効果が期待できるのです。
他にもAGAには、クリニックで処方される内服薬としてプロペシア(フィナステリド)、ザガーロ(デュタステリド)も効果的です。
まとめ
この記事では、育毛剤の効果や即効性があるかどうか、失敗しない育毛剤の選び方を中心にご紹介しました。
育毛剤は数多くの種類があるため、自分に合った育毛剤を見つけるのは困難です。
育毛剤選びに失敗しないためにも、育毛剤の選び方をご参考ください。