虫歯の方は要注意!虫歯と薄毛の関係性を徹底解明!
「虫歯と薄毛が関係するって本当?」
「虫歯になると薄毛になる理由とは?」
虫歯が薄毛の原因になることをご存じでしょうか。
虫歯と薄毛に関する報告はメディアや研究発表などでも取り上げられ、その関係性が明らかになりつつあります。
この記事では、虫歯が薄毛と関係する原因やメカニズムをご紹介します。
虫歯があると薄毛になる原因を3つご紹介
虫歯があると薄毛になってしまうのでしょうか。
ここでは虫歯があると薄毛になる原因として、以下の3つをご紹介します。
- 髪の毛と歯に共通するケラチンが関与
- 銀歯による金属アレルギーが関与
- ストレスによる血行不良
髪の毛と歯に共通するケラチンの遺伝子が関与
ケラチンとは髪の毛の主成分となるタンパク質です。
髪の毛の80%がタンパク質で構成されており、そのタンパク質のうち90%がケラチンでできています。
髪の毛は3つの構造で形成され、もっとも外側がキューティクル(毛小皮)、コルテックス(皮質)、メデュラ(髄質)で構成されています。
キューティクル(外層) |
・髪の毛のツヤやしなやかさに関わる ・髪の毛の10~15%を占める ・ブラッシングなどの物理的刺激および、水や薬剤などの化学的刺激から毛髪内部を守る |
コルテックス(中層) |
・コルテックス領域は髪の毛全体の85~90%を占める ・水分を保持する ・コシ、髪色、透明感やツヤ感など髪質を保つ |
メデュラ(内層) |
・髪の中心部にある組織 ・太い髪ほどメデュラの量が多くなる ・髪の毛のうるおいや弾力性を保つ |
この中でもキューティクルは硬質のケラチンでつくられており、髪の内部を守る働きをします。
そのため髪の内部を守っていたキューティクルが破壊されると、髪のダメージが進んでしまうのです。
このように、ケラチンは髪の毛にとって欠かせない役割を持ち、ケラチンが不足すると抜け毛や切れ毛、薄毛の原因となります。
そんなケラチンですが、髪の毛以外にも爪や歯にも関与しているのです。
爪の場合、ケラチンが不足すると爪が割れたり、2枚爪になってしまいます。
歯の場合、歯の最外層はエナメル質という構造で守られており、体の中で最も硬い組織です。
エナメル質は上皮細胞から形成されており、この上皮細胞に関与しているのがケラチンです。
このケラチンと歯の関係性が、アメリカで報告されました。
アメリカ国立衛生研究所のマリア・モラッソ博士によって報告された内容は、以下の通りです。
- 子供386人と大人706人の口腔内と遺伝子を検査
- ケラチン75(KRT75E337K、KRT75A161T、KRT75)に発現した髪のトラブルに関連する多型は、歯にも悪影響を与える
- 髪のケラチン遺伝子に突然変異がある人は、虫歯になりやすい
この研究では、薄毛の人は虫歯になりやすいことが明らかになりました。
髪にトラブルを抱えやすいケラチン75と呼ばれる遺伝子がある場合、エナメル質の形成にも悪影響を与え、虫歯を引き起こしてしまうのです。
銀歯による金属アレルギーが関与
日テレ系の人気メディアである世界仰天ニュースで、金属アレルギーが薄毛の原因になることが取り上げられ、話題となりました。(2015年4月22日放送)
放送された番組では、幼少期に虫歯の治療で使用した銀歯(ニッケル)が原因で、金属アレルギーを引き起こし、髪の毛がほとんど抜けてしまった症例が紹介されました。
現在では、歯科治療によく使われていたニッケルやクロムなどが金属アレルギーを引き起こすリスクを考慮し、これらの金属を使用するよりも、金属アレルギーを引き起こしにくい代替の素材が使われています。
金属アレルギーと言えば、金属アレルギーを持つ人が金などのネックレスを使っていると、ネックレスが当たっている首の周りや鎖骨のあたりがかゆくなったり、真っ赤になるイメージを持つ方も多いのではないでしょうか。
金属アレルギーはアクセサリーだけでなく、口の中の金属が原因でアレルギーが起こる場合もあるのです。
口の中の金属が原因の場合、発症までの期間は様々のため、原因に気づかない場合が多々あります。
今回、番組で放送された患者さんは、幼少期から長期間、銀歯(ニッケル)を装着しているうちに、銀歯に含まれる金属が徐々に溶けだし、知らず知らずのうちに蓄積され、金属イオンとケラチンが結合していました。
その結果、以下のようなメカニズムで免疫細胞がケラチンを異物とみなして攻撃し、毛を作る組織が破壊されたことで髪の毛が抜けたと考えられています。
- 口の中の銀歯(ニッケル)から金属イオンが溶け出す
- 溶けだした金属イオンがケラチンと結合(金属イオン+ケラチン)
- リンパ球が「金属イオン+ケラチン」を異物とみなし攻撃
- 毛母細胞がダメージを受ける
- 脱毛する
金属は水に溶けやすい特徴を持っており、特に口の中は常に唾液で満たされている環境のため、イオン化しやすいのです。
そのため、過去にニッケルなどの金属を使って虫歯治療をしたことがある方は、金属を取り除き、セラミックなどに変更することで症状が改善します。
歯科治療に使われる金属は、たくさんの種類があるため注意が必要です。
歯科治療に使われる金属の中で、アレルギーを引き起こしやすい物質は以下の通りです。
ニッケル | 虫歯治療の詰め物や被せ物、矯正器具のワイヤ-などに使用 |
パラジウム | 虫歯治療の詰め物や被せ物、歯列矯正の装置、入れ歯のクラスプなどに使用 |
クロム | 義歯の一部、矯正治具のワイヤーなどに使用 |
アマルガム | 水銀が含まれており、毒性が懸念されることから現在ではほとんど使用されていません。 |
金属アレルギーの症状によっては、アトピー性皮膚炎などをはじめ全身性の症状となって表れるものもあれば、口の粘膜が荒れたり、舌にまだら模様が表れるなど局所的に症状が出るケースもあります。
原因の金属を取り除くことで治癒できるので、気になる方は歯医者さんへご相談ください。
ストレスによる血行不良
虫歯が進行すると痛みや噛めないストレスなどが生じ、これらがストレスとなり血行不良の原因となってしまいます。
血行不良になると、髪の毛に必要な栄養や酸素が行き届かなくなり、毛母細胞が正常に機能しなくなります。
そのためストレスは、ヘアサイクルの乱れを引き起こしてしまうのです。
正常であれば以下のようなヘアサイクルで髪の毛が生え変わります。
期間 | 毛髪の割合 | 働き | |
成長期 | 男性で3~5年女性で4~6年 | 80%~90% | 毛髪の細胞分裂を活発に行う |
退行期 | 2~3週間 | 1%程度 | 細胞分裂が穏やかになり成長が止まる |
休止期 | 3ヶ月~4ヶ月 | 10%程度 |
・毛髪の成長が完全に止まる ・新しい髪の毛が生えてくることによって古い髪の毛が押し上げられ自然脱毛を起こす |
しかしヘアサイクルが乱れると成長期が短くなり、髪の毛が育つ前に退行期に入ってしまい、抜け落ちてしまうのです。
そのためヘアサイクルが乱れると抜け毛が増えたり、髪の毛が細くなってしまうなど様々な症状がみられます。
まとめ
この記事では虫歯と薄毛の関係性について様々な角度からご紹介しました。
今回紹介した虫歯と薄毛のメカニズムは3つです。
ひとつめは髪にも歯にも必要なケラチンが遺伝子レベルで影響を与える点、2つめは銀歯など歯科治療に使われる金属から金属アレルギーになる点、3つめは虫歯のストレスから血行不良になり、ヘアサイクルの乱れを引き起こす点です。
虫歯と薄毛は全く関連性がないように思えますが、実は様々な点から繋がっていることがわかりました。
気になる方はできるだけ早めに虫歯の治療をして、健康な髪を維持しましょう。