「ミノキシジル」や「プロペシア」等のAGA治療薬の個人輸入は違法?合法?
日本では手に入れられない医薬品や、使用までのハードルが高い医薬品を手に入れる方法に個人輸入という方法が存在します。
そして、発毛治療薬の国内への個人輸入は、含まれる成分によっては違法ではありません。
本記事では、そんな発毛治療薬の個人輸入の違法性について解説しています。
それでは、最後までご覧ください。
発毛治療薬「プロペシア」「ミノキシジル」の個人輸入は違法?
日本だと医師の診察を受けて処方してもらい、さらに定期的な通院も必須となる発毛治療薬「プロペシア」と「ミノキシジル」。国内への個人輸入は可能です。
しかし、これらの発毛治療薬を個人輸入する際は、いくつかの注意点があります。
認識を誤ると、法に触れてしまう危険性を伴うため、発毛治療薬の個人輸入に関して十分な理解が必要です。
まずは、個人輸入の仕組みについて解説していきます。
個人輸入の仕組みとは?
発毛治療薬などを含む医薬品を個人輸入する方法には、主に下記の3つが挙げられます。
■海外のサイトから購入
■現地で買い付ける
■個人輸入代行業者に依頼
ただ、どの方法でも、日本では個人が医薬品を営業目的(個人輸入で手に入れた物品を販売・転売する)で輸入することはできません。
なぜなら、医薬品・医薬部外品・化粧品・医療機器・体外診断用医薬品または再生医療等製品を営業のために輸入には「医薬品医療機器等法」の規定により、厚生労働大臣の承認・許可等が必要なため。
また、営業目的でなく個人使用が目的であっても、薬を輸入したのが営業目的でないことを証明するための必要書類を、地方厚生局に提出すること原則となっています。
ただし、以下の医薬品・医薬部外品は税関での確認を受ければ、必要書類を地方厚生局に提出しなくて輸入することが可能。
●軟膏などの外皮用薬、点眼薬など
●用法用量からみて1ヶ月分以内の毒薬、劇薬又は処方箋薬
●用法用量からみて2ヶ月分以内の上記以外の医薬品・医薬部外品
●標準サイズで1品目24個以内の化粧品
以上のルールを順守すれば、発毛治療薬の個人輸入が違法性に問われることはありません。
「ミノキシジル」「プロペシア」は個人輸入できる!
日本では発毛治療薬購入の際、処方箋を必要としますが、海外では処方箋がなくても購入可能。
用法用量からみて1ヶ月分以内の量であれば、必要書類を地方厚生局に提出しなくても個人輸入できます。
しかし、日本では処方箋薬となるため、個人輸入する場合は必要書類を地方厚生局に提出しておかなければ違法性を問われます。
また、お送り先を勤め先・事業所にしていると通関の際に個人輸入と認められず、税関で止められてしまう可能性があります。
AGAの薬を個人輸入する違法性とは?4つの危険性について解説!
プロペシアのような日本では購入に処方箋を必要とし、使用時には定期的な受診を必要とする発毛治療薬であっても、個人輸入なら手軽に手に入り使用可能です。
しかし、発毛治療薬のような医薬品を個人輸入で仕入れて使用する場合は含まれる成分によって違法性が問われるため、下記のような危険性が伴うことを考慮しておきましょう。
●誇大広告による宣伝
●副作用の有無
●医薬品副作用被害救済制度を受けられない
それぞれについて詳しく解説していきます。
日本国内で認可されていない
日本では、2007年に厚生労働省によってプロペシアが認可されました。
しかし、個人輸入可能な発毛治療薬のうち、内服薬のミノキシジルの様にまだ日本で認可されていない成分も数多く存在します。
未認可医薬品を使うということは、品質、有効性、安全性が確認されていない薬を使用するということ。
日本国内で認可されていない成分が含まれた発毛治療薬は違法性が問われるため、個人輸入の際は十分注意しましょう。
誇大広告による宣伝
誇大広告とは、商品(サービス)の内容や価格が、実際よりもよいように、または有利であるように消費者が誤解してしまうような広告のこと。
日本では薬機法で、医薬品や医療機器・化粧品などにおける、製造や効能・効果、性能に関して虚偽・誇大な記事を広告することは違法とされています。
そのため、海外から医薬品を輸入する場合、有効成分が極端に少ない状態で送られてくる可能性があります。
また、場合によっては偽物や、人体に有害な物質が含まれた粗悪品も存在するため、個人輸入の際は十分な注意が必要です。
副作用の有無
日本で品質・有効性・安全性が確認されていない未認可医薬品は、もし使用して副作用を発症した場合はすべて自己責任です。
AGAクリニックで発毛治療薬の使用時に定期的な受診を必要とする理由は、正しく使用していても副作用を引き起こす可能性があるためです。
違法性がある個人輸入した国内未認可の医薬品は、副作用が起きる確率が高いということを考慮して使用・服用しましょう。
医薬品副作用被害救済制度を受けられない
国内で認可されている発毛治療薬を含む医薬品の場合、使用・服用時の副作用に対して救済・給付を行う公的な制度「医薬品副作用被害救済制度」の対象となります。
この制度の対象となった場合、下記の給付が受けられます。
●医療手当:治療にかかった医療費以外の費用負担に対しての給付
●障害年金:副作用により一定程度の障害の状態になった18歳以上の人の生活補償
●障害児養育年金:副作用により一定程度の障害の状態になった18歳未満の人を養育する人への給付
●遺族年金:生計維持者が副作用により死亡した場合の遺族の生活の立て直しなどを目的とした給付
●遺族一時金:生計維持者以外の人が副作用により死亡した場合の遺族に対する見舞金
●葬祭料:副作用により死亡した人の葬祭に関する費用給付
しかし、違法性のある個人輸入した発毛治療薬を含む医薬品は、医薬品副作用被害救済制度の対象となりません。
そのため、副作用にかかる治療費はすべて自己負担なだけでなく、死亡または障害が残っても、年金や給付金も貰えません。
さいごに|発毛治療薬の個人輸入は違法ではない!
今回は、発毛治療薬の個人輸入の違法性について解説しました。
発毛治療薬は個人輸入で手に入れることができ、違法にはならない医薬品。
しかし、発毛治療薬であっても医薬品の個人輸入には危険性が伴います。
そもそも、ミノキシジルやプロペシアは医療機関を受診すれば、使用できる発毛治療薬。そのため、発毛治療にプロペシアを使用したいなら、個人輸入より医療機関の受診をおすすめします。