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コラム

壮年期に注意すべき脱毛症とは?30代から50代の育毛事情を開設

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壮年期に注意すべき脱毛症とは?30代から50代の育毛事情を開設

30代から50代の方で、最近抜け毛や薄毛が気になってきた方もいるのではないでしょうか。

 

AGA(男性型脱毛症)は薄毛で悩む日本人の9割以上が発症しており、年齢を重ねるごとに発症率があがる疾患です。

 

この記事ではAGAの中でも30代から50代の壮年期にあたる壮年性脱毛症についてご紹介します。

 

壮年性脱毛症のメカニズムやAGAとの違い、壮年性脱毛症を発症した場合の育毛サポートまで徹底解説します。

 

 

壮年性脱毛症とは?

 

壮年性脱毛症とはAGAとどう違うのでしょうか。

 

ここでは壮年性脱毛所について以下の内容でご紹介します。

 

  • 壮年性脱毛症のメカニズム
  • 壮年性脱毛症とAGAの違い
  • 壮年性脱毛症の症状
  • 壮年性脱毛症の治療方法

 

 

 

壮年性脱毛症のメカニズム

壮年期とは30代から50代を示し、壮年期に注意すべき脱毛症は「壮年性脱毛症」です。

 

壮年性脱毛症は思春期以降に発症する脱毛症で、脱毛症が進行していくと薄毛の範囲が広がります。

 

壮年期脱毛症のメカニズムは毛髪サイクルが乱れが原因です。

 

わたしたちの髪の毛は毛髪サイクルにより、常に新しい髪の毛へ生え変わります。

 

毛髪サイクルは以下のように成長期、退行期、休止期に分かれ、成長期→退行期→休止期→成長期の順に繰り返します。

 

  期間 働き 毛髪の割合
成長期 男性で3~5年、女性で4~6年 毛髪の細胞分裂を活発に行う 80%~90%
退行期 2~3週間 細胞分裂が穏やかになり成長が止まる 1%程度
休止期 3ヶ月~4ヶ月 ・毛髪の成長が完全に止まる
・新しい髪の毛が生えてくることによって古い髪の毛が押し上げられ自然脱毛を起こす
10%程度

 

通常、毛髪サイクルの成長期は最もサイクルの期間が長く、男性で3~5年、女性で4~6年です。

 

毛髪サイクルの成長期の間に細胞分裂を活発に行うことで、髪の毛は太くなり長く成長します。

 

しかし壮年性脱毛症では毛髪サイクルの成長期が正常より短く、髪の毛が十分に育たない間に退行期に入ってしまいます。

 

そのため髪の毛が細くなったり、短い抜け毛が増えたり、抜け毛の症状が現れ、次第に薄毛に繋がっていくのです。

 

 

 

壮年性脱毛症とAGAの違い

ここでは壮年性脱毛症とAGAの違いについてご紹介します。

 

AGAのメカニズムを既にご存じの方は、前項の壮年性脱毛症のメカニズムを見て、「AGAと同じメカニズムなのでは?」と思う方も多いのではないでしょうか。

 

壮年性脱毛症はAGAに分類されているため、AGAとメカニズムや原因などは同じです。

 

AGAは以下のように発症した年齢で呼び名が変わります。

 

  • 10代~20代:若年性脱毛症
  • 30代~50代:壮年性脱毛症
  • 60代以降:老人性脱毛症

 

AGAの発症年齢には個人差があり、早ければ10代で発症することもあるのです。

 

AGAガイドライン(男性型および女性型脱毛症治療ガイドライン2017年版)で紹介されている年齢別の発症頻度は以下のとおりです

 

年齢別 AGAの発症頻度
20代 約10%
30代 20%
40代 30%
50代以降 40数%

参照:AGA_GL2017.pdf 

 

このようにAGAは発症年齢が広いため、30代から50代で発症するAGAを壮年性脱毛症と呼びます。

 

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壮年性脱毛症の症状

AGAは何歳から発症しても、進行パターンは同じです。

 

そのため壮年性脱毛症も薄毛が進行すると、以下の経過をたどります。

 

これを「ハミルトンノーウッド分類」と呼びます。

 

I型 髪の毛全体がやや薄くなり、額の生え際がやや後退していく
II型 I型から症状が進行し、前髪の生え際がM字型になりはじめる
III型 II型から症状が進行し、生え際のM字がさらに深くなり、髪の毛のボリュームも少なくなる
Ⅳ型 生え際が後退して頭頂部にO字型の薄毛ができる
V型 Ⅳ型から症状が進行し、生え際が頭頂部のあたりまで後退し、頭頂部のO字型の薄毛も大きくなる
Ⅵ型 生え際が後退して頭頂部の薄毛とつながった状態

 

壮年性脱毛症は、治療することで進行を遅らせることが可能です。

 

壮年性脱毛症を含めAGAは治療を始める時期が早いほど、症状が回復します。

 

そのため薄毛や抜け毛が気になりだしたら、治療を検討しましょう。

 

 

 

壮年性脱毛症の治療方法は3つ

壮年性脱毛症の治療方法は以下の3通りです。

 

  • 内服薬で治療する
  • 発毛剤や育毛剤を使用する
  • 生活習慣の改善

 

 

 

内服薬で治療する

壮年性脱毛症の原因は、男性ホルモンであるDHT(ジヒドロテストステロン)が毛髪サイクルを乱し、毛髪サイクルの成長期を短くさせるためです。

 

ジヒドロテストステロンは、同じ男性ホルモンであるテストステロンに5α還元酵素が作用することで生成されます。

 

そのためクリニックで行われるフィナステリドやデュタステリドの薬物治療は、5α還元酵素を阻害することでジヒドロテストステロンの生成を抑制します。

 

その結果、毛髪サイクルを乱すジヒドロテストステロンを抑えることで毛髪サイクルの乱れが整えられ、AGAの進行を遅らせることが期待できるのです。

 

 

 

発毛剤や育毛剤を使用する

日本で唯一発毛効果が認められている発毛剤はミノキシジルです。

 

AGAクリニックなどでは、前項でご紹介したフィナステリドやデュタステリドにミノキシジルの外用薬や内服を併用することで相乗効果が期待できます。

 

ミノキシジルはフィナステリドやデュタステリドと作用が異なり、育毛に必要な毛髪の細胞を活性化させることで、発毛と髪の毛の成長を促進する薬剤です。

 

育毛剤は含まれる成分によって働きが変わり、主に毛母細胞を活性化させる作用と血行を促進させる作用の2種類に分けられます。

 

毛母細胞の活性化成分
  • D-パントテニルアルコール(パンテノール)
  • アデノシン
  • アラントイン
  • ペンタデカン酸グリセリド
  • ステモキシジン
血行促進成分
  • 酢酸DL-α-トコフェロール(ビタミンE誘導体)
  • ナイアシンアミド
  • アルギニン
  • ブドウカルス培養エキス
  • D-パントテニルアルコール
  • L-アルギニン
  • ショウブ根エキス
  • イチョウ葉エキス
  • エビネエキス
  • センブリエキス

参照:育毛剤の成分について 特徴や作用について解説|【公式】薄毛・抜け毛治療ならAGAスキンクリニック(Aスキ)

 

抜け毛や薄毛を引き起こしている場合、ジヒドロテストステロンや栄養不良などが原因で毛母細胞の機能が低下します。

 

さらに薄毛の原因には血行不良も挙げられ、血行不良になると、髪の毛に必要な酸素や栄養が行き届かなくなってしまうのです。

 

このように毛母細胞の機能低下や血行不良を補えるのが、発毛剤や育毛剤であり、育毛治療のひとつとして長く使われています。

 

 

 

生活習慣の改善

薄毛や抜け毛を改善するためには、生活習慣を見直すことも大切です。

 

偏食や無理なダイエット、睡眠不足やストレスなどは血行不良や栄養不足を引き起こし、髪の毛に大切な栄養や酸素が行き届かず、薄毛や抜け毛の原因となります。

 

そのため、無理な生活をしている場合は自分の生活習慣を見直しましょう。

 

 

壮年性脱毛症で気をつけるべきリスクは4つ

 

遺伝のイメージが強いAGAですが、AGAのリスクは遺伝以外にも、以下が挙げられます。

 

これらのAGAリスクはどの年齢においても重要です。

 

  • 遺伝
  • 男性ホルモンの影響
  • ストレス
  • 生活習慣(食生活・喫煙・睡眠不足など)

 

 

 

遺伝

脱毛症が遺伝するイメージを持つ方も多いのではないでしょうか。

 

壮年性脱毛症をはじめ、AGAが遺伝する理由は、以下の2点です。

 

 

 

5α還元酵素の活性度

前項【内服薬で治療する】でもご紹介したように、AGAの原因物質であるジヒドロテストステロンは5α還元酵素によって生成されます。

 

この5α還元酵素の活性度には遺伝性があると言われ、活性度が高いとジヒドロテストステロンがより多く生成され、AGAの進行に繋がります。

 

5α還元酵素の活性度は優性遺伝であり、親から子へ引き継がれるでしょう。

 

 

 

男性ホルモンレセプターの感受性

男性ホルモンレセプターとは、ジヒドロテストステロンを受け取る受容体です。

 

男性ホルモンレセプターがジヒドロテストステロンを受け取ると、脱毛の命令を出す脱毛因子TGF-βが増加します。

 

TGF-βは毛乳頭細胞に脱毛の命令を出す働きを行うため、男性ホルモンレセプターの感受性が高いと、薄毛を進行させる原因となります。

 

そのためAGAを発症するかどうかは、この男性ホルモンレセプターの感受性が強いかどうかで決まるのです。

 

家族に男性ホルモンレセプターの感受性が強い人が家系にいた場合、引き継がれると言われています。

 

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男性ホルモンの影響

壮年性脱毛症はAGAと同じく、男性ホルモンの影響を受けやすいでしょう。

 

男性ホルモンの量が多いと、壮年性脱毛症やAGAの原因となるジヒドロテストステロンが増加し、抜け毛や薄毛を引き起こします。

 

ただし同じ男性ホルモンであるテストステロンは筋肉や骨などに作用し、男らしい体つくりに必要なホルモンです。

 

そのためテストステロンが増加する=ハゲるわけではありません。

 

 

 

ストレス

壮年性脱毛症やAGAのリスクにはストレスが関与します。

 

その理由は、過度にストレスをため込むと自律神経のバランスが乱れ、ホルモンバランスが崩れることで、頭皮の皮脂分泌が活発になるためです。

 

頭皮の皮脂分泌が活発になると、頭皮環境の悪化、血行不良などを引き起こし、抜け毛や薄毛の原因となります。

 

とくにAGAは発症する人の年齢層が広いため、かかるストレスや環境が異なります。

 

壮年性脱毛症を患う30代から50代は、特に仕事のストレスがかかりやすい時期です。

 

仕事でストレスが溜まってイライラしがちな方は、十分な休息を取ってリラックスできる環境を整えましょう。

 

 

 

生活習慣

食生活や喫煙、睡眠不足などは抜け毛、薄毛の原因となります。

 

 

 

食生活

偏った食事や脂っこい食べ物ばかり食べていると、栄養が偏り、髪の毛に必要な栄養が足りず、髪の毛の生成に関わる毛母細胞の機能が低下してしまいます。

 

髪の毛に良い栄養は以下をご参考ください。

 

栄養素 働き 具体的な食品例
タンパク質 髪の毛を構成する
  • アジ
  • 大豆製品
  • まぐろ
  • ささみ
亜鉛 タンパク質を作り出す働きを持つ
  • 牛肉の赤身
  • 高野豆腐
  • ブロッコリー
  • 牡蠣
ヨウ素 新陳代謝を活発化させる
  • こんぶ
  • ひじき
  • わかめ
  • 海苔
ビタミンB群 新陳代謝を促進させ、細胞を活性化させる
  • パプリカ
  • にんにく
  • バナナ
ビタミンC 抗酸化と同時にコラーゲンを生成する
  • 柑橘類
  • 海苔
  • ブロッコリー
  • いちご
ビタミンE 抗酸作用や血行促進
  • ナッツ類
  • 唐辛子
  • 煎茶
葉酸 ビタミンB群の一種であり、不足すると白髪の原因となる
  • レバー
  • 枝豆
  • うに
ビタミンK 血流を改善
  • 納豆
  • しそ
  • モロヘイヤ
  • わかめ
  • 海苔
髪に必要な栄養と酸素を運ぶ血液作りに必須
  • ほうれん草
  • ひじき
  • レバー


 

髪の毛に良い栄養を取り入れるように心掛け、バランスの良い食事をとるよう意識しましょう。

 

 

 

喫煙

喫煙と薄毛は、一見関係のないように思われる方もいるかもしれませんが、喫煙は薄毛のリスクのひとつです。

 

その理由はタバコに含まれるニコチンには血管を収縮させる作用があるため、喫煙が全身の血流を悪化させるからです。

 

血流が悪くなると、頭皮の血行不良を引き起こし、髪の毛に必要な酸素や栄養が行き届かなくなり、抜け毛や薄毛の原因となってしまいます。

 

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睡眠不足

睡眠不足が続くと、睡眠時に分泌される成長ホルモンが減少し、髪の毛の成長に影響を及ぼします。

 

さらに睡眠不足は自律神経のバランスを乱し、交感神経が優位になり血管収縮を引き起こすことで、血行不良も引き起こしてしまうのです。

 

ホルモンバランスを整えるためには、6~7時間、睡眠時間を取ることが理想的でしょう。

 

 

自分でできる壮年性脱毛症のセルフチェック

 

これから壮年性脱毛症の治療を始めるか、まだ迷っている方も多いのではないでしょうか。

 

ここでは、自分でできる壮年性脱毛症のセルフチェックとして以下をご参考ください。

 

  • 親族に薄毛の人がいる
  • 前頭部が後退し始めていると感じる
  • つむじ周辺の地肌が以前よりも露出していると感じる
  • 髪の毛にハリやコシが無くなっていると感じる
  • 抜け毛の毛根部にふくらみが無く黒色をしている
  • 抜け毛の量が多くなったと感じる
  • 細く短い抜け毛が多い
  • 髪にパサつきを感じる
  • 栄養が偏った食事をしている

 

これらの項目に半分以上当てはまる場合、壮年性脱毛症が疑われます。

 

AGAは進行していく疾患のため、治療するときは早期治療が大切です。

 

治療が遅れ、薄毛が進行してしまった後では、治療をしても効果が出にくくなってしまいます。

 

治療を始める時期は早いほどおすすめです。

 

 

壮年性脱毛症の気になる疑問点

 

最後に壮年性脱毛症の気になる疑問点として、以下の内容をご紹介します。

 

 

 

女性でも壮年性脱毛症になる?

女性でも壮年性脱毛症になるでしょう。

 

ただし女性の壮年性脱毛症は、男性の壮年性脱毛症に比べ、薄毛の部位や治療法が異なります。

 

そのような背景もあり、現在はガイドライン(男性型および女性型脱毛症診療ガイドライン)の名称にもあるよう、男性型脱毛症、女性型脱毛症と性別を分けて定義されます。

 

女性は50代~60代で脱毛症を発症する人が多く、男性よりも発症年齢は遅めです。

 

薄毛になる部位は、男性の場合、生え際や頭頂部が挙げられますが、女性の場合、頭頂部が広範囲にボリュームダウンし、髪質が柔らかくなります。

 

男性型脱毛症の場合、薄毛の原因となるジヒドロテストステロンを生成する5α還元酵素を阻害する治療薬(フィナステリド・デュタステリド)がよく使用されます。

 

一方、女性の場合、5α還元酵素阻害剤は胎児へのリスクの点から使用できません。

 

女性型脱毛症の治療方法は、発毛効果が認められているミノキシジルなど以下の薬剤が使用されます。

 

  • ミノキシジル:発毛効果がある
  • スピノロラクトン:ジヒドロテストステロンへの変性を抑制
  • パントガール:ケラチンやビタミンなどが含まれ、飲む育毛剤と呼ばれる

 

女性型脱毛症も進行していく疾患のため、早期治療が大切です。

 

 

 

壮年性脱毛症は治る?

壮年性脱毛症は飲み薬や塗り薬などを使えば、治療が可能です。

 

ただし治療をやめてしまうと、再び薄毛が進行してしまいます。

 

そのため壮年性脱毛症の治療薬を服用するときは、自己判断で治療を中断してはいけません。

 

一定の発毛効果が見られた際、医師との相談のうえで減薬することは可能です。

 

 

 

壮年性脱毛症に効果的な治療法は?

壮年性脱毛症に効果的な治療法は以下のとおりです。

 

  • フィナステリドの内服
  • デュタステリドの内服
  • ミノキシジルの外用

 

これらの治療法は、男性型および女性型脱毛症診療ガイドラインで推奨度が最も高いAとして「行うよう強く勧める」と評価されています。

 

フィナステリドやデュタステリドに作用機序が異なるミノキシジルを併用することで、相乗効果が期待できるでしょう。

 

 

まとめ

 

この記事では、30代から50代の壮年期にあたる壮年性脱毛症についてご紹介しました。

 

壮年性脱毛症とAGAは同様に考えられ、薄毛になるメカニズムや治療法も同じです。

 

そのため壮年性脱毛症でもAGAと同様に、フィナステリドやデュタステリドなどを使用した治療方法が行われます。

 

ただし壮年性脱毛症は進行性の疾患のため、早期治療が大切です。

 

治療を始めようか迷われている方は、ぜひセルフチェックをご参考ください。

 

 

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