フラーレンの育毛効果とは?ビタミンCの約170倍の抗酸化力がある注目成分!
アンチエイジングの効果が期待され、美容成分としても注目されているフラーレン。また、育毛効果があるといわれています。
本記事では、フラーレンをテーマに解説しています。
育毛効果や用途、安全性や育毛アイテムに使われていることが多い種類などについても紹介していますので、ぜひ参考にしてください。
話題のフラーレンとは?その安全性は?
まずは、フラーレンとは何なのか、詳しくみていきましょう。
フラーレンとは?
本記事では成分としてフラーレンについて解説していますが、厳密にいえば、フラーレンは成分ではありません。
フラーレンとは、閉殻空洞状(サッカーボールのような形状)の多数の炭素原子のみで構成されるクラスターの総称。
グラファイトやダイヤモンドに次ぐ、第3の炭素同素体といわれています。
出典:フラーレンとは
閉殻空洞状の形状が、バックミンスター・フラーが建築した「ジオデシック・ドーム」に似ていることからフラーレンと命名されました。
フラーレンが発見された時期は1985年。もともとフラーレンが見つかった地域では病気の治りが早いなどの伝説や逸話が多かったことから、調べた結果、フラーレンに抗酸化作用があることが判明。
その後、1996年にノーベル化学賞を受賞し、2005年から化粧品原料として美容製品に取り入れられております。
フラーレンは物理的に極めて安定しているため、水や有機溶媒に溶けにくいという性質がありました。
そのため、フラーレンの持つ抗酸化力を、さまざまな場面に応用することができませんでした。
その後の研究の結果、化粧品などで活用できるようオイルを混ぜて油に溶けやすくした油溶性フラーレンや、加工して水に溶かした水溶性フラーレンなどが登場しています。
フラーレンの安全性は?
フラーレンは国内外のさまざまな研究期間で安全性試験が実施されているため、安全性が高い成分としても注目されています。
肌質によって個人差がありますので、100%安全と明言はできませんが、副作用が発生する可能性は低いといえます。
フラーレンにはこんな育毛効果がある!
フラーレンには丈夫な髪を育てて持続する、育毛に重要な要素がいくつも備わっています。
フラーレンの育毛効果を一緒にチェックしてみましょう。
高い抗酸化力
フラーレンには高い抗酸化作用があります。
ヒトは酸素を取り込んでエネルギーを作り出していますが、一方で、酸素が原因で体内に老化させる活性酸素が作られてしまいます。
また、紫外線ダメージやストレスなどから細胞が酸化すると、体内の活性酸素量が増えたことで頭皮のバリア機能が正常に働きません。
その結果、抜け毛や薄毛頭皮トラブルが発生しやすくなります。この活性酸素を取り除いてくれる作用が、抗酸化作用です。
ちなみに、ビタミンCは活性酸素を取り除いてくれる成分として知られていますが、フラーレンはビタミンCの約170倍もの抗酸化作用を持っているとされています。
また、そんな抗酸化作用が長時間持続することもフラーレンの特徴。
年齢を重ねるにしたがって抜け毛が増える原因は、老化によって体の持つ抗酸化作用が低下し、髪の毛を作り出す働きのある毛母細胞の働きが弱まるためです。
つまり、フラーレンが発毛成分としても注目されている理由は、体の抗酸化作用を高め、加齢による抜け毛や薄毛を防止する効果が期待できるためといえます。
頭皮の炎症性疾患を改善、予防する
フラーレンは頭皮の皮脂の過剰な分泌や、頭皮の日焼け、極度の乾燥によるバリア機能を低下によって起こりやすい、炎症性疾患の改善・予防に働きかける効果が期待できます。
フラーレンが頭皮の炎症性疾患を改善・予防するのは、頭皮の皮脂分泌を正常な状態にコントロールしたり、頭皮ニキビの原因となる活性酸素を無効化するため。
頭皮はそもそも、トラブルのない丈夫な髪を生やす土壌のような役割があり、フラーレンは活性酸素の影響と炎症を抑えるダブルの作用で、頭皮環境を健やかに整えて健康な髪を育てる効果が期待できます。
髪の成長速度が早まる
抜け毛や薄毛といった、比較的早いサイクルで進行傾向にある髪のトラブルは、毛乳頭の死滅のことを言う、アトポーシスを誘いこむ過剰な皮脂分泌が原因と考えられています。
フラーレンは、紫外線ダメージ・ストレス・疲労・食後の消化吸収時と何気ない日常生活の中にでも潜む活性酸素の影響から頭皮と髪を守り、栄養やうるおいを保持する働きがあります。
フラーレンのこのような髪と頭皮への恩恵が活きると、髪が伸びて成長する速度が早まったり、ぱさつきやダメージの少ないなめらかな髪を保持する効果が期待できます。
紫外線ダメージから髪と頭皮を守る
髪と頭皮は、顔やカラダに比べると、紫外線の影響をダイレクトに受けやすい部位と言えます。
また、お肌やカラダの紫外線対策に比べると、髪と頭皮はどんなUVケアをするべきなのか、まだまだ認識が低い傾向にあり、紫外線によるダメージやトラブルが出やすい傾向にあります。
フラーレンは、頭皮と髪の紫外線ダメージによって発生してしまった活性酸素を、早い段階で吸収させる働きがあります。
フラーレンのこのような作用は、髪と頭皮を若々しい状態に保ち、細胞間からの健やかさに働きかけてくれるため、活性酸素が原因の抜け毛や薄毛の進行予防に役立つと言えるでしょう。
バリア機能の安定化
毛髪と頭皮環境を、日常に潜んでいるさまざまなダメージから守るためには、バリア機能を正常・安定化させることが唯一無二の条件になります。
頭皮のバリア機能は、
- 角質層にたっぷりのうるおい、栄養が満ちていること
- 水分、油分が重なり合ったラメラ構造の層が乱れていないこと
が必須の条件。
フラーレンは、活性酸素の影響によって破壊されやすい、コラーゲンを守る作用があります。
コラーゲンは髪と頭皮にうるおいを与えてバリア機能を高める重要な作用があり、フラーレンを育毛剤やシャンプーで使うことによってこの栄養を守りさまざまな刺激に強いコンディションに整えてくれるのです。
また活性酸素の影響が持続するのを防ぐ効果も、フラーレンにあることがわかっています。
頭皮のハリをキープする
フラーレンの頭皮のハリをキープする効果は、8週間ほど頭皮に塗布し続けた研究結果によるエビデンスが報告されています。
頭皮にハリがあると、常に毛穴が引き締まった状態になり、毛穴詰まりやゆがみによる髪のうねり、くせ毛などのトラブルが予防できるようになります。
また頭皮のゆがみはフェイスラインとひとつながりになっているため、シワやたるみといった外見的に心配な影響を与える原因になることも。
フラーレンは、活性酸素が原因でカラカラに乾いてしまった皮膚の細胞にうるおいを与え、頭皮のハリをキープすることで外見の若々しさを取り戻す効果が期待できます。
フラーレンに種類がある?3つのタイプの特徴、効果を解説
水溶性のフラーレン |
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油溶性のフラーレン |
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H.Fのフラーレン |
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分子が小さく浸透性に優れているフラーレンは、化粧品ばかりではなくシャンプーや育毛エッセンスなどヘアケア製品にまで幅広く使用されるようになっています。
そんな優秀な育毛成分となるフラーレンですが、特徴や効果が異なる3つの種類が存在しています。
自分の髪と頭皮環境の悩みに応じた、フラーレン配合のヘアケアアイテムを見つけるため、ここでは8つそれぞれの特徴と効果をチェックしてみましょう。
①水溶性のフラーレン
水溶性のフラーレンは、
- 頭皮、髪への密着が持続する高分子処方
- 水分の多い、シャンプーやエッセンスに使用されている
という特徴があり、使用のあるシャンプーやエッセンスはみずみずしくさらさらの質感のため、頭皮のべたつきが気になる人やオイリー肌に悩み人に適した種類となっています。
②油溶性のフラーレン
油溶性のフラーレンは、
- 頭皮のバリア機能を高めるスクワランにブレンドしたもの
- こっくりまろやかな質感のヘアマスク、育毛トリートメントに配合されている
という特徴があります。
油溶性のフラーレンは頭皮と髪の水分・油分からなるラメラ構造を整えるため、極度の頭皮の乾燥や乾燥による炎症が気になる際にも最適な種類となっています。
③H.Fのフラーレン
ヘアケアアイテムに使われることが多い専用のフラーレンは、製品にも表記があるH.Fという種類になります。
フラーレンのH.Fには、
- 頭皮の髪のアンチエイジング
- 紫外線、加齢などによって発生しやすい活性酸素を吸収、無効化する
- 角質層にうるおいを満たして高いままのバリア機能を高める
- コラーゲンの産生をサポートする
といういくつもの働きがあります。
フラーレンのこのような表記は他にも種類があり、主に次のような特徴と効果があります。
- フラーレンのM.F→浸透、保湿、フィット力のすべてに優れ、ヘアケア、化粧品に使用されている
- フラーレンのV.F→フラーレンがパウダー化され、ファンデやパウダータイプの白髪ファンデに使われている
- フラーレンのR.S→オールインワンタイプのジェル、化粧水など水分の多い化粧品に使用されている
- フラーレンのL.F→油分をベースにしたフラーレンで美容クリーム、ヘアマスクに使われている
フラーレンと相性が良い育毛成分とは?3つの種類と効果まとめ
フラーレンは世界的に有名な賞を受賞しただけあって、単体の使用でも髪と頭皮にたくさんの恩恵を与えてくれます。
フラーレンの育毛・エイジングケア効果をさらに引き出すために、ここでは特に相性が良い3つの育毛成分をご紹介!
育毛剤やシャンプーでフラーレンを活用する際には、お伝えする3つの成分がブレンドされているかどうかをチェックしたり、サプリメントなどでも積極的に補ってみてくださいね。
おすすめ育毛成分①ビタミンC誘導体
ビタミンC誘導体は、一般的なビタミンCよりも分子が細かいことで、髪と頭皮の内側への浸透力に優れています。
フラーレンと同じように優れた抗酸化力があり、頭皮の弾力・髪にツヤとこしを与えるためのコラーゲンの産生をして育毛に相乗的なアプローチが期待できます。
おすすめ育毛成分②プラセンタ
プラセンタは、脱毛や薄毛の進行を食い止める重要な要素、頭皮の血行を促す作用があると言われています。
また新陳代謝を促す働きがあるため、ターンオーバーの不安定さによる髪と頭皮のトラブルに悩む人にも最適な育毛成分です。
さらにプラセンタは、フラーレンと同じように抗酸化・保湿作用があり、一緒に使うことで髪と頭皮への影響供給が活性化していくでしょう。
おすすめ育毛成分③ビタミンA
フラーレンと相性が良い育毛成分・ビタミンAは、頭皮のうるおいバランスを整えて皮膚を健やかに保つ働きがあります。
ビタミンAはさらに、頭皮の皮脂や皮膚の代謝を助ける働きがあるため、頭皮環境が原因の薄毛や抜け毛に悩む人に、フラーレンと一緒に補ってほしい育毛成分となっています。
フラーレンの使用方法は?
育毛発毛対策としてのフラーレンは、抗酸化作用によって体内の活性酸素を取り除き、髪の老化現象を予防・改善する用途で活用されています。
主に、頭皮に直接塗布するタイプのフラーレンが配合された発毛剤・育毛剤などのヘアケア製品です。
また、毛髪科学の最前線で研究を進める大阪大学大学院医学系研究科の乾重樹准教授は、こう語ります。
きちんとした基礎的および臨床的検討を進める必要はあるとしたうえで、医師の処方により服用できるようになっているプロペシアのような強力なフラーレンを使った飲み薬が出てくるかもしれない
さいごに|フラーレンで頭皮環境を整えよう!
フラーレンは、まだまだ育毛目的には使われていない成分の1つです。
しかし、育毛効果や安全性も高いため、今後さまざまな場面で活用されていくことでしょう。
最後に、本記事の内容をまとめます。
- フラーレンとは、閉殻空洞状の多数の炭素原子のみで構成されるクラスターの総称
- フラーレンの抗酸化作用が発毛を促す
- フラーレンはビタミンCの約170倍もの抗酸化作用を持つ
- 体の抗酸化作用を高め、加齢による抜け毛や薄毛を防止する効果が期待できる
- 用途は頭皮に直接塗布するタイプのフラーレンが配合された発毛剤・育毛剤など
本記事が、フラーレンの発毛効果について、詳しく知りたい方の参考になれば幸いです。