AGA治療薬でED(勃起不全)になる?副作用などの見解を考察!
薄毛対策に取り組むなかで、ミノキシジルなどの成分を摂取した際の副作用には、「多毛症」「ED」などが挙げられます。
本記事では、AGA治療薬におけるEDとの関係性や副作用の観点から症状のメカニズムについて考察しています。
ぜひ、最後までご覧ください。
AGA治療薬とEDとの関係性について解説!
AGA(男性型脱毛症)で悩みを抱えている男性は必見。
AGA治療薬には、EDに起因する副作用がみられることがあるため、用法用量などの取扱い時には十分注意しなければなりません。
ここでは、EDの特徴と発毛との関係性について解説しています。
EDとは?
EDとは、男性生殖器が上手く機能せず性交渉ができない、もしくはできにくい状態のこと。
「Erectile Dysfunction」の頭文字をとったものですが、日本語では「勃起不全」「勃起障害」という意味を持ちます。
「ED(勃起不全)実態調査2019」によると、20~79までの男性を対象に2,000名の有病者数統計が発表。
全国規模で推計すると、結果として、EDに関連する悩みを抱える成人男性は1,400万人を超えることが判明しました。
また、EDはAGA治療薬における副作用でも確認されていることから、薄毛の悩みを抱える男性との相関性もみられます。
髪の毛との関係性は?
EDの原因といえば、「心理性ストレス」「血管系疾患」などが一般的ですが、AGA治療薬の際に投与されるミノキシジルの副作用のケースも挙げられます。
ミノキシジルは、冒頭でも説明したとおり、多毛症やEDに起因する成分の1つ。
つまり、発毛対策には効果的ですが、その一方でEDや性欲減退などの症状を引き起こす可能性があるということです。
それでは、なぜミノキシジルのような発毛に有効な成分が、EDに起因するのでしょうか。
その理由の1つに、テストステロンと呼ばれる男性ホルモンが関係していることが挙げられます。
ここでは概要のみふれますが、5α-還元酵素がテストステロンをジヒドロテストステロン(DHT)に変性させることで、発毛抑制や脱毛などを引き起こすということです。
AGA治療薬におけるEDなどの副作用の観点から発症までのメカニズムを考察!
AGA治療薬においてEDとの関係性は深く、男性ホルモンとのかかわりから、薬の選び方などには十分注意しなければなりません。
発毛対策や薄毛対策で悩みを抱える男性もいるなかで、選ぶ治療薬によってはEDなどの副作用に起因する可能性も示唆されているため、十分な理解が必要。
例えば、一般的な発毛対策では、下記の3つの成分が治療薬として注目されています。
生やす薬 | ミノキシジル |
防ぐ薬 | フィナステリド |
防ぐ薬 | デュタステリド |
ミノキシジルがEDに影響することについては前述したとおり。
フィナステリドやデュタステリドも、男性ホルモンに影響を及ぼすことから、EDに関係してくるといわれています。
ちなみに、AGA治療薬として効果が期待できる「フィナステリド」の生殖機能に関連する副作用の割合が、全体の5%未満。
一方、デュタステリドに起因する副作用の割合が約1%とされています。
つまり、「ミノキシジル」「フィナステリド」「デュタステリド」のいずれも、男性生殖機能に関連する副作用が報告されているということ。
しかし、発毛が期待できる一方で、EDなどの副作用が懸念されることは念頭に置いておかなければなりません。
それでは、AGA治療薬がどのようにしてEDに起因し、発症していくのかそのメカニズムについて概要を説明します。
男性の薄毛の代表例としてAGAが挙げられますが、そのメカニズムは、テストステロンと呼ばれる男性ホルモンが変性することが起因。
前述したとおり、DHTが短期的なヘアサイクルに変えてしまい、発毛抑制や脱毛などの症状がみられるようになります。
そこでミノキシジルやフィナステリド、デュタステリドなどの発毛成分がAGAに起因する5α-還元酵素を抑制し、発毛に作用することから注目されています。
しかし、それらの発毛成分はEDなどの生殖機能不全を引き起こす可能性があり、取り扱いには十分注意しなければなりません。
AGA治療薬でEDになるリスク
AGA治療薬で使われている「フェナステリド」と「デュタステリド」は、EDになる可能性があるとされています。
では、どの程度の割合でEDが起こってしまうのでしょうか。
「フィナステリド」の先発品のプロペシアに添付されている文章によれば、臨床試験においてプロペシアを服用した人で、EDが発生した割合は0.7%という結果が出たそうです。
また、「デュタステリド」の先発品のザガーロに添付されている文章によれば、臨床試験においてザガーロを服用した人で、EDが発生した割合は4.3%という結果となっていました。
この結果から、フィナステリドにもデュタステリドにもEDになるリスクはありますが、どちらも割合としてはかなり少ないと言えるでしょう。
AGA治療薬でEDの副作用が出た場合の対処法
AGA治療薬では、EDが発生する割合はかなり低いと説明しましたが、まったく発生しないというわけではありません。
では、もしAGA治療薬によってEDが発生した場合はどうすればいいでしょうか。
ここでは、AGA治療薬でEDが発生した場合の対処法について解説します。
担当の医師に相談する
AGA治療によってEDを感じるようになった場合は、その治療薬を処方してくれた担当の医師と相談するようにしましょう。
自分の判断でAGA治療薬の服用をやめてしまうと、AGAが進行してしまうかもしれません。
EDの兆候が出ている場合は、AGA治療薬を服用する量を減らしたり、他の種類のAGA治療薬に変更したりする方法があります。
どのケースにしても、自分で判断せずに、担当の医師と相談するようにしましょう。
AGA治療薬が原因でEDになった場合は、AGA治療薬の服用をやめることでEDは改善されます。AGA治療薬の服用をやめたのにEDが改善されないということは基本的にはありません。
また、軽度のEDであれば、AGAの治療を優先してAGA治療薬の服用を継続するという方法もあります。
こちらについても、基本的には医師と相談して判断してもらいますが、軽度のEDであれば、AGAの治療を継続しても問題ないケースがあります。
ただし、EDを長期間放置した場合は、血管の機能が低下してしまい、AGA治療薬の服用をやめてもEDが改善されなくなるケースもあるため注意しましょう。
ED治療薬と併用する
AGAの治療中にEDが発生した場合は、ED治療薬と併用するのもひとつの方法です。
ED治療薬は、陰茎の血管を拡張することで勃起をサポートする薬です。
EDを治療薬は、AGA治療薬のフィナステリドやデュタステリドと一緒に服用しても問題ないとされています。
そのため、AGA治療薬とED治療薬をあわせて服用することで、改善される場合があります。
ただし、服用する薬の種類が増えてしまうと、肝臓に対する負担が増加してしまうため、場合によってはED治療薬を服用できない場合もあります。
ED治療薬は個人輸入などで購入できるため、自分の判断で服用することができますが、こちらについても自分で判断するのではなく、医師と相談してから服用するか検討するようにしてください。
AGA治療薬とED治療薬を併用する場合の注意点
AGA治療薬とED治療薬を併用する場合は、用量を必ず守るようにしましょう。
より効果を高めたいという理由で指定された用量よりも多くの量を服用することはやめましょう。
用量を守らないと、副作用が強く発生するなどのトラブルの原因となってしまいます。
治療効果も重要ですが、副作用を抑えることも重要です。
AGA治療とED治療の両方に対応しているクリニックを受診する
AGA治療を行っているクリニックの中には、ED治療もあわせて行っている場合があります。
どちらも男性特有の悩みであり、治療薬に関係性が深いことから、両方に対応しているクリニックであれば、副作用が発生した際の対応も期待できます。
AGA治療薬によってEDになった場合についても、治療薬の服用をやめるべきか、用量を減らすべきか、別の治療薬に変更すべきかについても、適切な対応が期待できるでしょう。
これからAGAの治療を検討している場合は、副作用によりEDになる可能性のことを考慮して、AGAとEDの両方の治療に対応しているクリニックを選ぶのもひとつの方法です。
AGA治療薬で発生するリスクがある他の症状
ここまで、AGA治療薬とEDの関係性について解説しましたが、これ以外にも発生するリスクがある性機能障害があります。
ここでは、ED以外の副作用について解説します。
リビドー減退
リビドー減退とは、性的欲求が減退した状態のことです。
EDと同じでは?と思う人が多いかもしれませんが、リビドー減退とEDは基本的には異なるものです。
リビドー減退が発生すると、性的欲求が高まらないため勃起しなくなりますが、EDは性的欲求がある場合でも勃起しない状態のことなので、リビドー減退とEDは異なります。
あくまで、性的欲求が高まらない状態のことがリビドー減退です。
リビドー減退が発生するリスクがあるAGA治療薬は、EDになるリスクがあるものと同様で、「フィナステリド」と「デュタステリド」です。
これらの成分は、男性ホルモンの働きを阻害してしまうため、リビドー減退のリスクがあるとされています。
ただ、どちらについてもリビドー減退になる人の割合が低くなっています。
フィナステリドを服用してリビドー減退が発生した人の割合は1.1%、デュタステリドを服用してリビドー減退が発生した割合は3.9%で、どちらもかなり低いといえるでしょう。
射精障害
AGA治療薬を服用することで、射精障害になるリスクがあるとされています。
射精障害はEDとは異なり、勃起することができますが射精ができない状態のことです。
射精障害の症状としては、精液の量が減少することが挙げられます。また、早漏、遅漏、マスターベーションでのみしか射精できないことも射精障害の症状のひとつです。
この射精障害も、AGA治療薬のフィナステリドとデュタステリドで発生する可能性があるとされています。
ただ、どちらの治療薬についても、射精障害が発生する割合は低くなっています。
フィナステリドを服用した人で射精障害が発生した人の割合は1%未満、デュタステリドを服用した人で射精障害が発生した人の割合は1.3%となっていて、どちらもかなり低いといえるでしょう。
ED治療薬で薄毛になる?
バイアグラなどのED治療薬を服用すると薄毛になるのでは?という話を聞いたことがあるかもしれません。
実際、バイアグラの副作用には脱毛症があるとされています。ただし、バイアグラで脱毛症になる人の割合はかなり低く、0.1%未満となっています。
ではなぜバイアグラを服用すると薄毛になるという話があるのかというと、バイアグラを服用することで男性ホルモンの分泌が促進されるからという誤解があります。
実際、バイアグラには男性ホルモンの分泌を促進する働きはないため、この話は間違いということになります。
EDと男性ホルモンに関係性が深いという印象から、このような誤解が生まれたと考えられています。
AGAに進行には男性ホルモンの影響は大きいのですが、ED治療薬には直接関係ないと覚えておいてください。
さいごに|AGA治療薬ではEDの副作用が懸念される!
今回は、AGA治療薬におけるEDとの関連性や治療薬の副作用について考察してきました。
使用される成分によっては、EDなどの生殖機能不全を引き起こす可能性があるため、十分注意しなければなりません。
用法や容量をしっかり守ることが重要。また、副作用についても懸念されるため、深く理解しながら発毛対策に取り組んでください。