あなたの肌にも潜む「顔ダニ」とは?症状・原因・効果的な対策を徹底解説

顔ダニという言葉を聞いて、少し驚いた方もいるかもしれませんが、実は誰の肌にも存在する常在微生物です。
ただし、過剰に繁殖すると肌トラブルを引き起こすことも。
このコラムでは、顔ダニの基本情報や症状、増殖の原因、予防と治療法について詳しく解説します。
正しい知識を身につけて、健康な肌を維持しましょう。
顔ダニとは?

顔ダニとは、毛穴の奥にある「毛包(もうほう)」と呼ばれる部分にすみついている微生物の一種で、誰の肌にも存在する常在微生物です。
顔ダニの基本情報
名称 | 顔ダニ(ニキビダニ) |
学名 | Demodex(デモデックス) |
分類 | 常在微生物(常在菌) |
大きさ(体長) | 約0.3mm |
大きさ(体幅) | 約0.05mm |
主な生息場所 | 額・鼻・あご・まつ毛などの毛包 |
見た目 | イモムシ状 |
肌への影響 | 通常は無害だが、増殖すると炎症などを引き起こすことがある |
注意点 | 症状が長引く場合は皮膚科の受診を推奨 |
正式には「デモデックス(Demodex)」と呼ばれ、ニキビダニとも言われています。
大きさは体長およそ0.3mm、体幅は0.05mmほどと非常に小さく、肉眼では確認できません。
主に額や鼻、あご、まつ毛の周辺など、皮脂分泌の多い部分に生息し、イモムシのような見た目をしています。
健康な状態では、皮膚のほかの常在菌とバランスを保ちながら共存しており、肌に害を及ぼすことはありません。
ただし、何らかの原因で数が増えすぎてしまうと、かゆみや赤みなどの炎症を引き起こすことがあります。
気になる症状が長引く場合は、皮膚科など専門機関への相談をおすすめします。
顔ダニの主な症状

本来、顔ダニは皮膚表面の細菌や真菌をエサにしており、肌の健康維持に役立つ存在です。
しかし、何らかの要因で数が異常に増えると、肌にトラブルを起こすことがあります。
初期段階
初期段階では、顔がほてって赤みを帯びたり、腫れたような感覚になることがあります。
この状態は「酒さ(しゅさ)」と呼ばれ、毛細血管が拡張することで頬や鼻周辺に赤みが目立つようになります。
進行すると現れる症状
顔ダニが過剰に増殖した状態が続くと、肌にかゆみやピリピリとした刺激を感じることがあります。
さらに、赤みを帯びた小さなブツブツが現れ、ニキビに似た炎症が目立つようになるケースも。
このほか、皮膚に熱をもったような感覚やかゆみ、赤みが強くなるといった症状が出ることもあり、不快感が増していきます。
ほかの肌トラブルとの見分け方
顔に現れるトラブルの原因が「ニキビ」なのか「顔ダニの増殖」なのかは、原因菌の違いで区別できます。
ニキビは主に「アクネ菌」の繁殖によって引き起こされ、市販薬などでも対処可能なことが多いです。
一方、顔ダニによる肌トラブルは「ニキビダニ」の過剰繁殖が原因で、皮膚科での外用薬やレーザーなどの治療が効果的とされています。
とくに、黄色い膿をもったブツブツが出現し、数ヶ月間ニキビ用の塗り薬を使っても改善しない場合は、顔ダニが関係している可能性があります。
症状が長引くようなら専門医の診察を受けてみましょう。
顔ダニはどうやって確認できる?

顔ダニは毛穴の奥深く、毛包や皮脂腺などに潜んでいるため、目で見て確認することはできません。
そのため、顔ダニが関与している可能性がある場合には、皮膚の一部からサンプルを採取し、顕微鏡で観察して確認するのが一般的な方法です。
皮膚科などの医療機関で検査を行うことで、正確な判断が可能になります。
顔ダニが増えすぎてしまう原因とは?

顔ダニが増える一番の原因は、皮脂が必要以上に分泌されることです。
顔ダニは皮脂を栄養としているため、皮脂が多ければ多いほど繁殖しやすくなります。
皮脂が過剰に分泌される主な理由として、次のような要素が考えられます。
顔ダニが増えすぎてしまう原因
化粧品の油分が肌に残る |
・メイクが肌に残ると皮脂が増え、顔ダニが繁殖する ・クレンジングを徹底する |
糖質や脂質の摂りすぎ |
・糖質や脂質が多いと皮脂の分泌が増える ・バランスのよい食生活をする |
ホルモンバランスの乱れ |
・ストレスや睡眠不足で皮脂が増える ・十分な睡眠とストレスケアを心がける |
ステロイド薬の継続使用 |
・長期使用で顔ダニが増える恐れがある ・医師の指導のもと慎重に使用する |
化粧品の油分が肌に残ったままになっている
メイクをしっかり落とさずにいると、化粧品の油分が毛穴に残り、皮脂の過剰な分泌を引き起こします。
すると、それを栄養として顔ダニが繁殖してしまいます。
メイクをした日は必ずクレンジングを使って汚れを落とすことが重要です。
しかし、洗浄力の弱いクレンジングだと、十分に落としきれないこともあります。
クレンジング後、乳液を染み込ませたコットンで肌をやさしく拭き取ってみてください。
コットンに色がついていれば、まだ化粧品が残っています。
コットンに色がつかなくなるまで繰り返し、しっかりメイクを落としましょう。
糖質や脂質を摂りすぎている
糖質や脂質を摂りすぎると、体内で処理しきれなかった糖質が脂肪に変換され、体内に蓄積します。
この蓄積された脂肪が皮脂の分泌を増やし、結果として顔ダニの繁殖につながります。
そのため、毎日の食事で糖質や脂質の摂りすぎに気をつけ、バランスのとれた食生活を意識しましょう。
以下が1日の糖質・脂質摂取量の目安です。
女性 | 男性 | |
糖質 | 約400g | 約550g |
脂質 | 約40g | 約50g |
ホルモンバランスの乱れ
肌トラブルは、ホルモンバランスの乱れによって引き起こされることがあります。
男性ホルモンの一種である「テストステロン」が増えると、皮脂の分泌が盛んになりますよ。
睡眠不足やストレスが続くと、体内でテストステロンが過剰に生成され、結果として皮脂が増えて顔ダニの繁殖を促してしまいます。
肌を守るためには、十分な睡眠を取り、日々のストレスをうまく解消してホルモンバランスを整えるようにしましょう。
ステロイド薬の継続的な使用
ステロイド薬を長期間使用すると、顔ダニが異常に増殖する原因になることがあります。
市販薬を使用する際は、なるべくステロイド成分が含まれていないものを選ぶようにしましょう。
ステロイド薬は効果が高い反面、長く使い続けることで副作用が生じるリスクがあります。
医師の指導を守り、必要な場合でも慎重に使うことが大切です。
顔ダニは梅雨の季節に増えやすい
顔ダニは梅雨の季節に増えやすいといわれています。
顔ダニ自体は肌にとって必ずしも悪い存在ではありませんが、増殖しすぎると皮脂のバランスを乱し、肌トラブルの原因に。
特に、湿度や気温が高くなる梅雨は汗や皮脂の量が増えるため、顔ダニが繁殖しやすい環境が整ってしまいます。
梅雨の時期は普段よりもスキンケアを丁寧に行い、顔ダニが過剰に増えないよう気をつけることが大切です。
顔ダニ対策に有効とされる治療法

顔ダニの影響による肌トラブルには、外用薬や内服薬による治療が効果を発揮することがあります。
顔ダニ対策に有効な治療法
分類 | 薬剤名 | 主な作用 |
---|---|---|
外用薬 | イベルメクチンクリーム | 抗炎症作用と寄生虫抑制により菌バランスを整える |
外用薬 | ロゼックスゲル | メトロニダゾールによる抗菌作用で炎症・赤みを軽減 |
外用薬 | アゼライン酸 | 皮脂分泌抑制と角質正常化で毛穴詰まりや赤みに効果 |
内服薬 | イソトレチノイン | 皮脂腺の働きを抑え、皮脂分泌を抑制し肌状態を改善 |
症状や肌の状態に合わせて、医師の判断のもとで適切な薬が処方されます。
外用薬:イベルメクチンクリーム
イベルメクチンクリームは、アメリカのFDA(食品医薬品局)により認可されている外用薬で、抗炎症作用と寄生虫の活動を抑える効果を持っています。
ニキビダニは誰の肌にも存在する常在微生物のため完全に排除することはできません。
ただし、この薬により肌の菌バランスを整えることで、ダニの過剰な増殖を防ぎ、肌の炎症やトラブルを改善へと導きます。
特に「酒さ」と呼ばれる赤みを伴う症状に対しては、使い始めてから2週間ほどで変化が現れるケースも多く報告されています。
外用薬:ロゼックスゲル
ロゼックスゲルには、抗菌作用を持つ「メトロニダゾール」という成分が含まれており、ニキビダニや嫌気性菌に対して効果を発揮します。
この働きにより、赤みを伴うブツブツや炎症、かゆみなどの不快な症状を和らげるのに役立ちます。
外用薬:アゼライン酸
アゼライン酸は、約30年前から世界各国で使われているニキビ治療薬で、現在では80ヵ国以上で利用されています。
皮脂の分泌をコントロールし、角質の異常な増殖を防ぐことで毛穴詰まりを改善。
さらに、酒さや赤みを帯びたブツブツなどの炎症症状の軽減にも効果があるとされています。
内服薬:イソトレチノイン
イソトレチノインは、皮脂腺の働きを抑えて皮脂の分泌量を減らし、ニキビダニの繁殖を抑える効果がある内服薬です。
皮脂が原因となる肌トラブルの改善に役立ち、重度の酒さやアクネ菌によるニキビが同時に見られるケースでも使用されることがあります。
物理的な治療

顔ダニの影響による赤みや炎症が気になる場合、薬による対処だけでなく、レーザーや光を用いた「物理的な治療」も選択肢のひとつです。
これらの治療は、肌表面の赤みや毛細血管の拡張に直接アプローチできるため、顔の赤らみや酒さ、ニキビ跡の改善に有効とされています。
ここでは、代表的な2つの治療法「Vビーム」と「IPL(インテンス・パルス・ライト)」についてご紹介します。
治療法 | 主な効果 | 施術回数目安 | その他特徴 |
---|---|---|---|
Vビーム | 毛細血管の赤み・赤あざ・ニキビ跡の赤み改善 | 2~4週間ごとに5~10回 | 毛細血管に反応するレーザー照射 |
IPL治療 | シミ・そばかす・赤ら顔・肌のハリ改善 | 肌状態に応じて複数回 | 熱エネルギーによってニキビダニへの効果が期待される |
Vビーム
Vビームは、毛細血管に反応する特殊なレーザーを照射することで、赤ら顔や赤あざなどの症状を改善する医療機器です。
主に、毛細血管拡張症や単純性血管腫、乳児血管腫などに使われ、炎症による赤みやニキビ跡、老人性血管腫、傷跡などにも効果が期待されます。
赤ら顔や鼻の赤みに対しては、2~4週間ごとに1回のペースで、5〜10回程度の施術を行うことが一般的とされています。
IPL(インテンス・パルス・ライト)治療
IPL(インテンス・パルス・ライト)治療は、幅広い波長の光を肌に照射することで、シミ・そばかす・赤ら顔・ハリの低下など、さまざまな肌トラブルの改善を目指す光治療のひとつです。
使用される機器には、フォトシルクやBBLなど複数の種類があり、肌状態や目的に応じて使い分けられます。
ニキビダニへの直接的な作用メカニズムは明確ではありませんが、IPLの照射時に生じる熱エネルギーが、ニキビダニの死滅に必要な温度に達する可能性があると考えられています。
顔ダニの治療期間
顔ダニの治療期間は一般的に1~2ヶ月ほどかかりますが、症状によっては個人差があります。
治療期間が人によって異なる理由として、症状の程度、薬の種類や使い方、生活習慣などが関係しています。
できるだけ早く改善させるためにも、医師の指示を守って適切な薬を使い続けることが大切です。
顔ダニ対策として使われる市販薬

顔ダニによる肌トラブルが疑われるとき、市販薬のなかにも一時的な対処に役立つものがあります。
顔ダニに関する市販薬
成分 | 特徴・働き |
クロタミトン | かゆみを抑える成分 |
イオウ | 抗菌作用と角質軟化作用を持つ成分 |
ビタミンB2・B6 | 皮脂分泌のコントロールに役立つ栄養素 |
ただし、これらはあくまで症状を和らげる目的のもので、顔ダニの増殖を直接抑える効果はありません。
特にかゆみがある場合でも、ステロイドの使用は避けるべきです。
かえって悪化する恐れがあるため、自己判断は禁物です。
症状が続く、または悪化する場合には、市販薬に頼らず皮膚科を受診しましょう。
専門的な治療によって、顔ダニによるトラブルに根本からアプローチできます。
市販薬を安全に使用するため
市販薬を使う際は、必ず製品に付いている添付文書(説明書)を事前に確認しましょう。
その中でも特に「してはいけないこと」や「相談すること」といった使用上の注意事項は、服用前にしっかり読んで守ることが大切です。
使用時のポイントと副作用について
飲み薬は、毎日継続して服用することが重要です。
1ヶ月ほど使用を続けても症状が改善しない場合は、医師や薬剤師、登録販売者に相談しましょう。
塗り薬の場合、5〜6日間使用しても効果が感じられないときは、一旦使用を中止し、医師や薬剤師、登録販売者に相談してください。
気になる異常が見られた場合はすぐに医療機関受診を
薬の使用後に症状が悪化したり、気になる異常が見られた場合はすぐに医療機関を受診してください。
また、症状が重かったり、広い範囲に広がっているときは、市販薬で自己判断せず医療機関を受診しましょう。
特に、顔ダニによる症状は、ステロイド剤(塗り薬・飲み薬)やタクロリムス軟膏などを使用していると悪化する可能性があります。
皮膚科に限らず、何らかの病気で通院中・治療中の場合は、市販薬を使わず、必ず医師に相談するようにしてください。
顔ダニの感染を防ぐ方法

顔ダニの感染を予防するには、主に次のような対策を意識することが重要です。
顔ダニの感染を防ぐ方法 | 具体的な対策 | 効果・ポイント |
---|---|---|
栄養バランスを意識した食生活 | 脂質の多いファーストフードや揚げ物を控える | 皮脂の過剰分泌を防ぎ、肌環境を整える |
丁寧なスキンケアを習慣にする | メイク汚れを残さず、やさしく洗顔する | 肌を清潔に保ち、顔ダニの繁殖を防ぐ |
規則正しい生活を心がける | 適度な運動や質の良い睡眠をとる | ホルモンバランスを整え、肌のバリア機能を維持する |
詳しく見ていきましょう。
栄養バランスを意識した食生活
顔ダニは人の皮脂を栄養源としているため、油っぽい食事を摂りすぎると皮脂の分泌量が増えてしまいます。
ファーストフードや揚げ物など脂質の多い食品を控え、栄養バランスの整った食事をすることで、肌を健康な状態に保つことができます。
丁寧なスキンケアを習慣にする
メイク汚れが肌に残っていると不衛生な環境になり、顔ダニが繁殖しやすくなります。
肌への負担を避けながら、やさしく丁寧に洗顔して清潔な肌を維持しましょう。
規則正しい生活を心がける
ホルモンバランスが乱れると、肌のバリア機能が弱まり、乾燥や敏感肌を引き起こす原因となります。
普段から適度な運動や質の良い睡眠をとり、ホルモンバランスを整えるような生活習慣を意識しましょう。
まとめ

顔ダニは通常、肌に害のない常在微生物ですが、皮脂の過剰分泌などにより増殖すると肌トラブルを起こすことがあります。
特に次のような状況には注意しましょう。
- メイク汚れが残っている
- 糖質や脂質の摂りすぎ
- 睡眠不足やストレス
- ステロイド薬の長期使用
- 梅雨など湿気が多い時期
予防には、肌の清潔を保ち、バランスの良い食事、規則正しい生活を意識することが大切です。
症状が改善しない場合は早めに皮膚科を受診しましょう。