カルプロニウムは育毛発毛に効果がある?含まれている薬剤をご紹介!
カルプロニウムという成分があり、育毛効果があるとされています。
では、どうして育毛効果があるのか、作用機序を説明しましょう。
また、どのような症状に効果があるのかも見てみます。さらに、カルプロニウムを含む薬剤の種類も紹介しましょう。
カルプロニウムとは?
カルプロニウムは皮膚の血行をよくするお薬です。脱毛や乾性脂漏、尋常性白斑などに効能があるとされています。
育毛効果は?
カルプロニウムには脱毛を改善し、育毛を促す効果があります。
育毛効果がある理由は、強い血管拡張作用により毛細血管内の血流を促進させ、毛乳頭に栄養が十分に行き渡るようにするからです。
毛乳頭細胞は毛を生み出す毛母細胞に栄養と指令を送る部分。毛乳頭細胞には毛細血管を通じて栄養が送り届けられます。
カルプロニウムは血管拡張作用により、毛乳頭への栄養供給を増やすことができるので、髪の成長に大きく貢献するのです。
どのような脱毛症に効果がある?
カルプロニウムで効果があるとされている脱毛症は次のようなものです。
- 円形脱毛症(多発性円形脱毛症を含む)
- 悪性脱毛症
- 粃糠性脱毛症
- 瀰慢性脱毛症
- 壮年性脱毛症
- 症候性脱毛症など
それぞれの症状を簡単に説明しておきましょう。
円形脱毛症 | 円形、あるいは楕円形に髪の毛が抜けてしまう症状で、境涯が比較的はっきりしている |
悪性脱毛症 | 汎発型の円形脱毛症で、頭髪だけでなく、全身の毛が抜け落ちてしまう重い症状 |
粃糠性脱毛症 | 「ひこうせいだつもうしょう」と読み、大量のふけによる炎症で髪が抜ける症状 |
瀰慢性脱毛症 | びまんせいだつもうしょう」で、部分ではなく全体的に髪が抜けて、ボリュームが失われる脱毛症 |
壮年性脱毛症 | 若はげなどともいわれますが、壮年期に発症する脱毛症。特徴は額の生え際や頭頂部から髪の毛が薄くなっていく症状 |
症候性脱毛症 | 他の病気や薬などが原因になって起きる脱毛症で、原因を取り除く治療も行われる |
いずれにしろ、カルプロニウムは脱毛で悩んでいる人にとって有効なお薬になっています。
カルプロニウムの使用方法
脱毛症予防や育毛効果を期待して、カルプロニウムを使うときは次のようにしてください。
通常、1日2〜3回適量を患部に塗布、あるいは被髪部全体にふりかけ軽くマッサージする
眼に入るとしみるので、眼に入らないように塗布してください。もし眼に入ってしまった場合は、きれいな水で洗い流します。
塗布した直後に思わしくない症状が起きることがあります。全身発汗やそれに伴う寒気、戦慄、吐き気、嘔吐などです。そのようなときは使用をやめ、水などで洗い流してください。
使い忘れた場合は、気がついたときに早く塗布しましょう。ただし、次の使用時間が迫っているときはそのときに塗布すればいいです。
使用に当たっては指定通りの量を塗布します。誤って多く使用しすぎた場合は、薬剤師か医師に相談しましょう。
アレルギーがある方は、医師にその旨を伝えた上で使用してください。併用薬については、薬剤師に伝えておきましょう。
使用するタイミング
カルプロニウムは洗髪後の清潔な状態での使用がおすすめです。
ただし、入浴直後だと、副作用の刺激感や熱間が出ることがあります。入浴後ほてりが冷めてからお使いください。
副作用
カルプロニウムを用法用量を守って使用している限りは副作用は起きにくいです。塗布時に軽い刺激感があるかもしれませんが、気にしなくて大丈夫です。
カルプロニウムは塗り薬ということもあり、比較的安全に使用できます。
ただ、広範囲に大量に用いると、副作用が生じる恐れはあります。まれなケースですが、全身発汗、悪寒、吐き気などを催すこともあります。
そのほかの主な副作用は以下の通りです。
- 刺激痛、局所発汗、熱感
- 過敏症(発疹、発赤、かゆみ)
- 全身性の発汗、悪寒、吐き気、嘔吐
併用禁止薬
カルプロにウムと併用してはいけない薬は特に指定されていません。
ただし、同じような育毛効果がある育毛剤や発毛剤と一緒に使うと、副作用が出る可能性があります。できるだけ併用は避けてください。
飲むタイプの脱毛症治療薬「プロペシア」「ザガーロ」などとの併用は問題ありません。むしろ併用により効果が出やすくなることもあるので、安心してご利用できます。
カルプロニウムの使用で注意すべき人
育毛効果があるとされるカルプロニウムですが、次のような人は使用に当たって注意が必要です。
- アレルギーがある人
- 妊娠または授乳中の人
- 特定の疾患がある人
アレルギーのある人には慎重に投与する必要があります。
妊娠中や授乳中の人に対する安全性は確立されていません。
特定の疾患、例えばてんかんなどのけいれん性疾患や呼吸器系疾患(気管支喘息など)、消化性潰瘍などを持つ人は、カルプロニウムを使用しない方がいいでしょう。
カルプロニウムを含む薬剤
カルプロニウムを含む薬剤はいくつか種類があるので、紹介します。
カルプロニウム塩化物外用液5%
「カルプロニウム塩化物外用液5%」は、カルプロニウム塩化物(Carpronium chloride)が主成分で、緑色澄明な外用液剤になっています。発売元は長生堂 /日本ジェネリック株式会社です。
フロジン外用液5%
「フロジン」は「不老人」ということばに由来する外用薬です。フロジンの内容自体は「カルプロニウム塩化物外用液5%」と同じです。製造販売元はニプロファーマ株式会社、販売元は第一三共株式会社です。
アロビックス外用液5%
「アロビックス外用液5%」もカルプロニウムを含んだ外用薬です。内容は「カルプロニウム塩化物外用液5%」や「フロジン」と同じですが、こちらは「カルプロニウム塩化物外用液5%」の古い名称となります。ただ、現在でも発売はされているようです。
カロヤン
第一三共からは販売されている「カロヤン」にもカルプロニウムが含まれています。カロヤンシリーズには次のような種類があります。
カロヤン プログレ EX O | 2.18g |
カロヤン プログレ EX D | 2.18g |
NFカロヤンガッシュ | 2.18g |
NFカロヤンアポジカΣ | 1.09g |
カロヤンS | 1.09g |
カロヤンシリーズに含有されているカルプロニウムは1~2%程度。ここまでに紹介した外用薬よりも含有量が少ないです。そのため、カルプロニウムの効果自体は薄くなっています。
代わりに他の成分でカバーしています。
カロヤンには薬用シャンプーやコンディショナーのシリーズもありますが、こちらにはカルプロニウムは含まれていません。
カミングアウト
「カミングアウト」は6つの有効成分で発毛効果を高める発毛促進剤ですが、その成分の中にカルプロニウムが含まれています。100mL中の含有量は1.0gですから、含有率は1%です。他の外用薬よりも含有量が少ないですが、やはり別の成分で効果を補っています。
カルプロニウムはどこで購入できる?
カルプロニウムは市販薬としては販売されていません。ドラッグストアや薬局に直接行っても、手に入らないことが多いですが、一部の薬局では扱っているようです。
1番確実な入手方法は、医師に処方してもらって購入することです。
個人輸入でカルプロニウムを含む薬剤を購入することもできますが、危険があります。
個人輸入の場合、成分が異なるものや品質が劣悪なもの、有効性や安全性が担保されていないものなどを購入してしまう場合があります。
そのため、できるだけ医師の処方を受けてから購入するのがおすすめです。
「カロヤン」や「カミングアウト」は市販薬なので、ドラッグストアや通販サイトで購入できます。