頭皮がかゆくなる原因は「皮膚掻痒症」?治し方についても解説!
頭皮がかゆくなることがありますが、かゆみにはさまざまな原因があります。
特に、皮膚に赤みや湿疹などの症状がないのに、かゆみだけが起きる皮膚の病気を「皮膚掻痒症」といい、これは頭皮にも起こります。
ここでは、皮膚掻痒症の概要や頭皮がかゆくなる原因、その対処法について解説します。
皮膚掻痒症とは?
「皮膚掻痒症」とは、発疹の症状が出ていないのにかゆみがあるという疾患です。
皮膚疾患の多くは、赤くなるなど目に見える発疹がありますが、皮膚掻痒症はかゆみだけがあるのが特徴です。
皮膚掻痒症には、全身にかゆみが発生するケースと、外陰部や肛門の周囲、頭部などに局所的に発生するケースがあります。
皮膚掻痒症の原因は?
皮膚掻痒症が起こる原因には、さまざまなものがありますが、基本的には、かゆみは皮膚にあるかゆみ受容体が刺激されることで発生します。
皮膚が乾燥することで、皮膚の表面を覆う皮脂膜やその下の角質層の脂分が減ってしまうことで水分が減少してしまいます。これにより、皮膚のバリア機能が弱まってしまい、外部からの刺激に対して反応してしまい、かゆみが発生します。
さらに、掻いてしまうことで刺激が増加し、よりかゆみが強くなるという悪循環に陥ってしまいます。
原因として一番多いのは乾燥肌ですが、内臓疾患が原因の場合もあります。
症状とかゆみの対処法
皮膚掻痒症は、「肌がカサカサして白っぽい」「かゆみで夜に眠れない」「かきむしって皮膚が赤い」などの症状が特徴です。
対処法としては、できるだけ掻かないようにすることが重要です。また、たたいたりさすったりすることも刺激になるので避けましょう。
我慢できないようなかゆみがある時は、冷やしたタオルを当てると症状が和らぎます。ただし長時間冷やし過ぎると、症状が悪化することがあるため注意しましょう。
頭皮がかゆくなる原因について
次に頭皮がかゆくなる原因について解説します。
汗や薬剤によるかぶれ
汗やシャンプーなどが原因で頭皮が炎症してしまい、かぶれてしまった結果としてかゆみが発生する場合があります。
また、頭皮に汗をかいたまま長時間放置していると、汗疹(あせも)を引き起こすこともあります。
頭皮の乾燥
頭皮が乾燥していることも、かゆみが発生しやすい原因の一つです。
頭皮が乾燥することで皮膚の角層がはがれてしまい、ダメージを受けやすくなってしまいます。その結果、少しの刺激でも過敏に反応してしまいます。
頭皮が乾燥する原因で多いのが過度な洗髪です。汚れや臭いが気になるあまりに過剰にシャンプーをしたり、一日に何度も洗髪していると、必要な皮脂まで除去してしまう可能性があります。その結果、うるおいを閉じ込める皮脂が失われてしまい、頭皮が乾燥してかゆみが発生します。
フケ症・脂漏性皮膚炎
フケ症や脂漏性皮膚炎の方は、頭皮にかゆみが出ることがあるため注意が必要です。フケが原因でかゆみが出る場合があります。
脂漏性皮膚炎は、皮脂分泌が多い場所にできやすく、かゆみや赤みを伴います。また、フケを伴うことが多く、かゆみの原因になりやすくなっています。かゆみを我慢できずに爪で掻いてしまうと、さらに悪化することがあるため注意が必要です。
頭皮がかゆい場合の対処法
頭皮がかゆい場合は、掻きむしるのは辞めましょう。強く掻いてしまった結果、頭皮がダメージを受けてしまうと、皮膚のバリア機能の低下につながりやすくなります。
頭皮がかゆい場合は、頭皮の環境を整えるケアがおすすめです。
薬用シャンプーを使う
頭皮がかゆい場合は、使っているシャンプーを見直してみましょう。シャンプーが原因で頭皮環境が悪化していて、かゆみが起こっていることはよくあります。
そのため、シャンプーは頭皮への刺激が少ないもの、フケやかゆみなどに効果がある薬用成分が配合されたものを使いましょう。
頭皮マッサージをする
頭皮がかゆい場合は、頭皮マッサージをするのも効果的です。
頭皮マッサージをすることで血流がよくなり、頭皮環境の改善が期待できるでしょう。
頭皮マッサージの手順は以下の通りです。
1.両手の指で頭皮全体を優しく押さえる
2.髪の毛の生え際から頭頂部に向かって頭皮を指で押し込む
3.両手の指で頭皮全体をつかみ、軽くつまみあげるように揉む
4.両方の手のひらで頭皮を抱え、円を描くように地肌をマッサージする
また、洗髪をする際にマッサージをするのもおすすめです。また、フケや乾燥がある場合は、頭皮用のローションなどを使用しながらマッサージすると、頭皮の保湿効果が期待できます。
頭皮がかゆい場合は、刺激を与えるのは避けたいため、爪は立てないようにするのがポイントです。
市販薬を使用する
頭皮のかゆみは、市販薬の薬用成分で軽減できる場合があります。そのため、かゆみが激しい場合は、市販薬を試してみましょう。
頭皮のかゆみに効果がある市販薬は、薬局やドラッグストアで販売されています。
頭皮は髪の毛があるため薬が届きにくいので、市販薬はローションタイプを選びましょう。
市販薬を数日使っても変化が感じられない場合や、症状がひどい場合は、医療機関の受診をおすすめします。
頭皮のかゆみを防ぐ方法
ここからは、日頃の日常生活でできる頭皮のかゆみを防ぐ方法について解説します。
ヘアケアの方法を見直す
頭皮のかゆみを防ぐためには、日頃のヘアケアが重要です。特に、シャンプーの方法が間違っていると、頭皮にダメージを受ける可能性があります。
正しいヘアケアの手順としては、
1.まず、髪の毛が乾いた状態でブラッシングして髪の毛のもつれをとく
2.ぬるま湯で髪全体を濡らしてから予洗いをする
3.適量のシャンプーを手のひらでぬるま湯を使って泡立てる
4.指の腹でマッサージするように頭皮を洗う
5.シャンプーの洗浄成分が頭皮に残らないように、シャワーでしっかりとすすぐ
6.コンディショナーを髪全体になじませ、しっかりとすすぐ
7.洗髪後はタオルドライをしてからドライヤーで乾燥させる
シャンプーを多く使ったからといって汚れがよく落ちるということはなく、頭皮を強くこすってしまうと頭皮にダメージを与える可能性があります。
そのため、シャンプーやコンディショナーは適量を守り、やさしく髪を洗うようにしましょう。特に、前頭部から頭頂部にかけては皮脂の分泌量が多いため、丁寧に洗う必要があります。
また、洗髪後に頭皮が濡れたまま長期間放置していると、雑菌が繁殖しやすくなります。そのため、頭皮がかゆいときはドライヤーですぐに乾燥させましょう。
他にも、汗やフケが頭皮に残っている状態はよくないため、洗髪は1~2日に1回程度は行いましょう。
特に、皮脂の分泌量が多い場合は、洗浄成分が強すぎないシャンプーで毎日洗髪するようにしましょう。
生活習慣に気を付ける
頭皮のかゆみについては、日頃の生活習慣の見直しも重要です。
不規則な生活や乱れた食生活を続けていると、頭皮の状態に悪影響を与えるとされています。
日常生活では、以下の点について注意しましょう。
・十分な休養・睡眠をとる
・栄養のバランスが良い食事を一日三食、規則正しく摂取する
・頭皮の紫外線対策をする
・喫煙、アルコール、香辛料などの刺激物は控える
・ストレスを溜め込まないようにする
生活習慣は頭皮の健康だけでなく、身体全体の健康にもかかわるため、規則正しい生活を目指しましょう。