ファスティング(断食)で薄毛改善?育毛に重要なサーチュイン遺伝子とは?
昔から断食には数多くの恩恵があるとして、皆さんも何度かメディアでも見たことがあることでしょう。
日本のみならず海外でも注目されている断食ですが、最近になって断食が育毛を促す効果があることが判明しました。
その根底には、人間の空腹時に起こるメカニズムが関係しています。
それがサーチュイン遺伝子です。
「若返り遺伝子」「長寿遺伝子」とも呼ばれる「サーチュイン遺伝子」について知りたい方に必見です。
サーチュイン遺伝子はその異名のとおり、活性化させることで老化の防止やがん予防が期待されている遺伝子で、現在もその研究は進められています。
そんななかで、なんとサーチュイン遺伝子の活性化によって育毛に効果が見られたという研究成果がいくつも出ているのです。
本記事では、そんなサーチュイン遺伝子と断食と育毛の関係性について、順を追って解説していきます。
ぜひ、最後までご覧ください。
断食(ファスティング)によって生成される「グレリン」が育毛のカギ!
断食(ファスティング)によってグレリンが体脂肪燃焼や細胞分裂を誘発し、育毛が促進されます。
グレリンとは、胃袋から分泌する食欲ホルモンのこと。
グレリンは児島将康教授らが発見した食欲を刺激するホルモンです。 空腹になると我々の胃から血液中にグレリンが分泌され、血液中を流れたグレリンが脳の摂食調節部位に作用することによって食欲が刺激され空腹感が生まれます。
このホルモンが出ることで、食欲が異常に高まる食欲亢進や余分なエネルギーとして貯まる脂肪に置き換わり、蓄積されていきます。
そのため、食事が原因で招く「糖尿病」や「肥満」といった病気となるのです。
食事をしてから数時間経つと感じる空腹感も、胃が血液中にグレリンを流すことで、食欲が刺激されて生まれてくるもの。
ちなみに、断食によってグレリンが生成されます。
この機能は身体において非常に大切なもので、1度グレリンの分泌が狂ってしまうと食欲を異常に感じるようになり、悪い病気に繋がってしまうのです。
空腹時に起こる長寿遺伝子(サーチュイン)
人間の体内には、空腹時に活発に働くサーチュイン遺伝子があります。
このサーチュイン遺伝子は、生物が老化していくのを妨げ、若さを保ち寿命を延ばす役割があり、長寿遺伝子とも呼ばれているのです。
発毛や育毛に効果があるといわれ、注目を集めています。
サーチュイン遺伝子とは?育毛との関係性を解説!
老化を抑制する効果が期待されているサーチュイン遺伝子。
実は、2000年に発見されたばかりのまだ研究が浅い遺伝子なのですが、現在時点の研究で健康の維持だけでなく、育毛への効果も期待されています。
それでは、具体的にサーチュイン遺伝子とは何なのでしょうか?
また、どのように髪の毛に影響を及ぼすのか、詳しくみていきましょう。
サーチュイン遺伝子とは?
サーチュイン遺伝子は、カロリー制限を行っている条件下で活性化する特徴のある遺伝子で、多くのアンチエイジングに寄与しているといわれています。
医療の発展により高齢化が進む現代ですが、遺伝的に組み込まれたような病気の発生はなかなか抑えられません。
しかし、サーチュイン遺伝子の研究が進めば、老化にあたる「機能低下」は抑えられると考えられているのです。
それでは次で、サーチュイン遺伝子のどんな作用で育毛効果が期待できるのか解説していきます。
サーチュイン遺伝子の育毛の関係性
サーチュイン遺伝子の育毛効果には、抗酸化物質が関わっているといわれています。
呼吸によって取り入れられる酸素のうち、数%を利用して体内で生成される活性酸素という物質をご存じでしょうか。
活性酸素は体内になくてはならない物質ですが、増えすぎてしまうと人間の細胞を傷つけて老化を促進させてしまう原因にもなります。
活性酸素が増えすぎた際には、体内でその働きを抑制する抗酸化物質が活性化しますが、この抗酸化物質も年齢と共に衰えてしまうのです。
育毛がうまく行われないのは、抗酸化物質の衰えにより活性酸素が毛母細胞を攻撃してしまうことが原因の1つ。
サーチュイン遺伝子は、この抗酸化物質の調整因子として働いてくれることが研究で明らかになっています。
以上が現在サーチュイン遺伝子が育毛へ効果があると考えられている要因。
これ以外にもサーチュイン遺伝子には多くの働きがあり、また、研究が進めばこれ以上の有効な研究成果が出る可能性もあります。
グレリンと連動するサーチュイン遺伝子の流れ
続いて、前述した内容をまとめつつ作用までの流れを書いていきます。
2.胃袋からグレリンが分泌され、食欲が刺激される
3.その刺激と同時に、サーチュイン遺伝子の分泌も活発となる
4.体脂肪燃焼や細胞分裂によって、筋肉と骨の成長が促される
上記の4の段階で起こる細胞分裂が、毛包幹細胞という育毛細胞を拡大させ、結果的に育毛に繋がるという仕組みです。
ファスティング(断食)でサーチュイン遺伝子を活性化!
サーチュイン遺伝子の活性化には、カロリー制限が不可欠。
さらに、胃の中が空っぽになっている時間が長いほどサーチュイン遺伝子は活性化し、育毛効果が期待できます。
ある実験では48時間の断食によりサーチュイン酵素が2~4倍になったとの研究結果が出ました。
効果的なファスティングには期間や内容など明確な定義はありませんが、基本的には決められた期間、固形物を食べずに酵素ドリンクなどで必要な栄養を補って行うプチ断食が効果的です。
胃の中をリセットしつつ、低血糖なども防げるため日常生活への取り入れも容易なファスティング。
次で、初心者の方向けの正しいファスティング方法を紹介します。
正しいファスティングの方法とは?
初めてのファスティングの場合、絶食に比べ低血糖リスクが少ないとはいえ、いきなり長期間実施するのは危険。まずは1~2日間を目安に行いましょう。
ファスティングには大きく準備期間・本番期間・回復期間があります。
そして、おすすめは、以下の目安で行うことです。
- 準備期間:2~3日間
- 本番期間:1~2日間
- 回復期間:2~3日間
準備期間中はおかゆや野菜など、消化器官の負担にならないものを中心に食べて、本番期間で酵素ドリンクのみの断食に取り掛かりましょう。
1番重要なのは回復期。ファスティング明けは軽い飢餓状態のため、普段よりエネルギーの吸収率がよくなっています。
回復期に食べたものによっては体調を崩しやすくなることも考えられるので、脂っこいものを避けておかゆや薄味のスープから徐々に慣らしてください。
また、ファスティングの本番期間中はエネルギーが足りておらず、普段通りのパフォーマンスが出せない可能性が考えられます。
できるだけ連休や土日に合わせられるようタイミングを調整しましょう。
断食は1~2日前から入念に準備する!いきなりは厳禁!
まず初めに、断食に向けての準備について解説していきます。
断食を始めるために、まず1~2日前から米や野菜を中心とした食事を取りましょう。胃に負担のない食事で慣らすことで、断食による胃腸の負担を軽くします。
食事量に関しても、腹7分目前後が望ましいです。また、水分補給をしっかり行いましょう。
食事よりも水を飲まない方が身体にとっては深刻で、その分メリットも豊富に含まれています。代謝にも大きく関係してくるので、怠らないようにしてください。
あくまでも無理のない範囲で断食を行うのが身体的にも、育毛対策的にもベストです。
断食中は水分はこまめにとり、断食後は胃にやさしいものを!
準備を済ませたら、いよいよ断食に入ります。
断食中は塩分を取る目的も含め、準備段階よりも水分補給が大切になっていきます。
1日約2~4リットルが望ましいとされており、水以外にも固形物のないスープ類を少量ずつ摂取するようにしましょう。
胃に負担を極力かけず、丁寧に毒素を取り除いていくのが大切です。
また、断食によって頭皮環境の悪化など身体に不調を感じることがありますが、体内の毒素が抜け始めている好機反応でもあります。
■長時間の空腹による吐き気
■眠気
■落ち着かなさやイライラといった精神的苦痛
■頭痛や関節痛
■消化活動が減ることによる身体の冷え
これらは、すべて毒素を抜くための反動で起きる症状です。
一時的な現象であり、毒素を抜くことで育毛しやすい体に変化させている段階でもあるので、何とか乗り越えていきましょう。
プチ断食(16時間断食)でも効果あり!
「ガッツリした断食はちょっと」という方もご安心ください。
断食は少しの取り組みだけでも効果があります。
内容は簡単で、週1~2日、固形物を一切取らないようにするというものです。水やスープもの、ヨーグルトなどといった負担の軽い食事だけ摂取するように心がけましょう。
完全ではない分時間がかかってしまいますが、2~3ヶ月ほどで少しずつ頭皮環境の改善から育毛を実感できるようになります。
また、16時間という断食も体にとって良いです。
さいごに|正しい断食で育毛対策を!
今回の記事では、断食による育毛のメカニズムと取り組み方について紹介していきました。
断食には体内に溜まっていた毒素を抜いてくれるメリットがある反面、日常で絶対に必要な食事を制限しています。
長期的もしくは過度な断食は、メリットどころか健康を損ねてしまう恐れがあるので注意しましょう。
育毛対策にもさまざまな取り組み方が存在します。
病院やサロン、育毛剤などを活用すれば早いかもしれませんが、やはり抵抗のある方々もいることでしょう。そういった方々にとっても、断食は非常におすすめできる取り組み方の1つです。
ぜひとも試してみてください。