自己免疫疾患で髪の毛が抜ける!円形脱毛症の原因の一つを解説!
正常ではないヘアサイクルで抜け毛が増えた状態が続くと、薄毛になります。
薄毛に対して悪い影響を与える原因はさまざまです。
例えば、自己免疫疾患もその1例。本記事では、自己免疫疾患の特徴や影響などについて解説しています。
ぜひ、最後までご覧ください。
自己免疫疾患とは?脱毛との関係性について解説!
疾患とは、悪い症状が出ている病気のうち、その原因がある程度はっきりしているもの。つまり、体の免疫機能が原因となっている病気のことです。
ここでは、自己免疫疾患の特徴と影響について解説しています。
自己免疫疾患とは?
ヒトの体は、約60兆個のさまざまな細胞でできています。
その細胞は、時にウィルスや細菌といった外敵が侵入し、その外敵に寄生されて健康な状態が保てなくなることがあります。
そして外敵の寄生が起きた場合、ずっと寄生され続けられないように、自己の細胞と自分のものでない(非自己)の細胞を見分ける仕組みが「免疫」。
しかし、何らかの原因で外敵ではなく、自己の細胞なのに非自己細胞なのに誤認識が起きて、免疫システムが作動してしまうことがあります。
誤認識で、正常な細胞・臓器が攻撃を受けたことが症状の原因となっている疾患が「自己免疫疾患」。
髪の毛に間接的に影響している詳しい理由は後述しますが、ストレスが関係してくることがあります。
この自己免疫疾患は、「臓器特異的」「全身性」の2種類が存在します。
臓器特異的は、免疫が特定の臓器だけを攻撃している状態。
全身性は、免疫の誤認識による攻撃を全身の多くの細胞・臓器が受けている状態です。
例えば、下記の様なものが存在しています。
臓器特異的 |
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全身性 |
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免疫の誤認識が原因であることははっきりしていますが、その誤認識が起きた原因は分からケースも少なくありません。
理由が判明している事として「ストレス」「感染症」「遺伝子」「免疫機能の故障」が原因となっていることがあります。
自己免疫自体は異常なことではなく正常な状態でも起きていますが、前述のとおり、誤認識や過剰に反応するようになったことで疾患を引き起こすといわれています。
脱毛との関係性は?
「日本皮膚科学会ガイドライン」により、自己免疫疾患と脱毛との具体的な関係性について示唆されています。
結論からいえば、自己免疫疾患が起きたからといって、必ず髪の毛に悪影響が出るということではありません。
髪の毛に関係する細胞が攻撃を受けた場合のみ、抜け毛が増えます。
また、自己免疫疾患で悪影響が出た場合で多いのが、毛根が免疫に攻撃を受けている場合。
毛根には主に毛乳頭細胞と毛母細胞からなっている毛球部が存在し、それらの活動が髪の毛に大きく影響しています。
毛乳頭細胞は、育毛促進因子であるFGF-7を産生し、ヘアサイクルを正常に保つ働きをしています。
髪が太く成長するためには、この毛乳頭細胞が増える必要。一方、毛母細胞はその毛乳頭細胞の周りに存在する細胞で、細胞が細胞分裂を繰り返すことで発毛します。
毛根が免疫からの攻撃を受け続けていると、細胞の分裂量が低下。つまり、毛母細胞の分裂量が低下することは、髪の毛の育つ力の低下を招きくということです。
毛乳頭細胞の分裂量が減ると、髪が太く成長しなくなります。
自己免疫疾患が「円形脱毛症」を引き起こす
所謂薄毛の原因として円形脱毛症が有名ですが、これが自己免疫疾患による脱毛症のひとつです。
円形脱毛症は、頭部の一部の毛根が攻撃を受けている状態のこと。他の部位は攻撃を受けていないので、髪の毛に影響は出ません。
毛根が免疫から強い攻撃を受け続けたことで髪が抜けてしまい、新しい髪がつくれなくなっていることが、起きる原因だといわれています。
円形脱毛症でも種類がありますので、自然に治癒が出来るものから、全身の毛根が抜ける汎発型というのもあります。
さいごに|自己免疫疾患を治療して薄毛対策しよう!
円形脱毛症は自己免疫以外が原因で起きることもあるため、自然に回復する可能性はあります。
しかし、脱毛が起きている原因が自己免疫であったなら、誤認識が起きた原因を改善しなければ回復は見込めません。
しかも、疾患が起きている状態が続くと、攻撃を受ける範囲が広がる可能性もあります。
免疫に対する薄毛対策におすすめの方法は、病院での治療。自分で何とかしようとせず、免疫系の専門医に診てもらいましょう。