感嘆符毛という言葉を、はじめて耳にする方も多いでしょう。

感嘆符毛は円形脱毛症の一種で、円形だけでなく全身の毛が抜け落ちてしまったり、発毛を阻害してしまったりする可能性のある病気です。

発毛を意識している方には、非常におそろしいものだと思います。

本記事では、そんな感嘆符毛の原因や症状、治療方法に関してまとめました。

正しい治療を行えば改善する可能性が十分にある症状なので、ぜひ参考にしてください。

感嘆符毛ってなに？発毛や薄毛と関係あるの？

感嘆符毛（かんたんふもう）という言葉を聞いても、いったいどんな症状なのか、発毛にどのように影響するのか想像できない方も多いのではないでしょうか。

感嘆符毛は髪の毛の根元に問題が起きる症状で、円形脱毛症患者の頭皮に多く見られます。

円形脱毛症の原因はストレスといわれることが多いですが、実はそれ以上に別の要因が大きくかかわっているのです。

まずは、そんな感嘆符毛がどういった症状なのか解説します。

感嘆符毛とは？

感嘆符毛は病的毛と称される髪の毛の症状の1種で、毛根部分がやせ細っている様子が「！（感嘆符）」に似ていることからそう呼ばれるようになりました。

医学的には、リンパ球に攻撃された毛器官が通常よりも速いスピードで成長期→退行期→休止期のサイクルを終えてしまうためだと言われています。

つまり、毛根が十分に育たず髪の毛の根元が細くなってしまうことが原因。

そのため、感嘆符毛が原因で脱毛に陥る場合はストレス等が要因ではなく自己免疫疾患の1種として説明されるのです。

自己免疫疾患とは、本来は病原体から身を守るはずの免疫システムに異常をきたし、自分自身の身体を誤って攻撃をするようになった状態を指します。 自己免疫疾患は、実際には数多くの病気を含む包括的な概念です。
引用：自己免疫疾患

なぜこのようなリンパ攻撃が起こるのかはわかっていませんが、自己免疫疾患にかかりやすい体質があります。

また、患者のうち、約2割の方の親族に円形脱毛症があるそうです。遺伝子上の異常は認められていませんが、遺伝的素質は関係しているのではないでしょうか。

感嘆符毛は円形脱毛症の1種

上記のように、髪の毛の根元が細くなってしまう感嘆符毛は円形脱毛症の1種で、病変部の境界が鮮明であることが特徴。

円形脱毛症は、「円形」とついているものの、症状の出方は人それぞれです。

帯状に脱毛が見られる方や頭部すべてで脱毛してしまう方、場合によっては全身すべての毛が抜け落ちてしまうケースもあります。

また、先ほど解説したように原因はリンパ球が毛器官を攻撃することであるため、病院での検査や発毛治療が必要です。

感嘆符毛を改善して発毛を促進するには？

発毛を考えている人にとって、感嘆符毛は致命的ともいえる症状です。では、そんな感嘆符毛はどのように治療していくのでしょうか。

ここでは、代表的な治療方法をご紹介します。

多くの場合はステロイドを塗る治療

自己免疫疾患の一種である感嘆符毛の治療には、多くの場合ステロイド外用薬が用いられます。

ステロイドには体の免疫反応を抑える効果があるため、感嘆符毛の治療に高い効果が期待できるのです。

ただし、効き目が強い分副作用も多いので、必ず医師や薬剤師に相談したうえで使用しましょう。

また、感嘆符毛における発毛治療は小児と成人で内容が異なっており、小児の場合はステロイド軟膏を直接患部に塗る外用を中心とした治療を行います。

成人の場合は進行度や症状によって、発毛治療が必要な箇所のみにステロイド注射を行う局注といった治療が可能です。

ステロイドは投与方法や一定期間に投与する量によって危険な状態にもなってしまう薬剤のため、小児の発毛治療の際にはとくに注意して相談しましょう。

成人で症状がひどい場合はステロイドを内服するケースもある

一般的には上記のステロイド外用やステロイド局注で対応しますが、進行期の脱毛にはほとんど効果がみられません。

さらに、広範囲に症状が広がっている場合は、成人に限り医師の判断でステロイド内服による全身投与に移行する場合があります。

投与期間は3日間程度で短く、この期間に自己免疫反応を止め脱毛の進行を食い止めることが目的。

しかし、やはりステロイドの効能は強すぎるためここで効果がみられない場合は投与は中止となります。

その他にも治療法はありますが、どれを試しても数年効果がみられないケースもあり、その場合はかつらの使用も視野に入ってきます。

また、小児の場合は精神発達に影響を及ぼすだけでなく、いじめや登校拒否といった2次障害に繋がる可能性もあるため、経過に注意しましょう。

感嘆符毛における発毛治療には、頭皮の血流を促進することも効果があるといわれています。

こうした精神的なダメージを防ぐためにも、喫煙をやめる・頭皮を清潔に保つなど、通常の脱毛予防と変わらない日常的なケアも行っていきましょう。

さいごに｜感嘆符毛を改善して発毛につなげよう！

感嘆符毛は、自己免疫反応が原因で、自宅での治療が難しい症状。しかし、そのまま放置すれば進行してしまい治療の際の負担が重くなってしまう可能性があります。

円形脱毛症は発毛を考えている人にとってはもちろん避けたい病気ですし、場合によっては全頭・全身にまで症状が及んでしまいます。

これを防ぐためにも、不安があればすぐに病院で相談し、早期治療で感嘆符毛を改善しましょう。