髪の毛が枝毛になる原因は?対処法と予防法についても解説!
髪の毛のトラブルにはさまざまなものがありますが、その中でも厄介なのが枝毛です。
枝毛があることで髪の毛のスタイルがうまくまとまらない、という経験をしたことがある人も多いのではないでしょうか。
ここでは、枝毛ができる理由や枝毛ができた場合の対処法、予防法などについて解説します。
枝毛はなぜ起きる?
そもそも、枝毛はなぜ起きてしまうのでしょうか。ここでは、枝毛ができる仕組みについて解説します。
髪の毛は大きく分類して3つの層で構成されています。
まず、髪の毛の中心には髪の毛の芯の部分の「メデュラ」という層が存在します。
このメデュラの周囲を「コルテックス」という層で覆われていて、そのコルテックスを「キューティクル」で包んでいます。
コルテックスは、髪の毛の85〜90%を占めていて、タンパク質や水分を多く含んでいます。このコルテックスは、髪の毛の太さや色などを決めている場所となっています。
コルテックスを包んでいるキューティクルは硬くて丈夫な層で、髪の毛を外部のダメージから保護しています。
このように、髪の毛は3つの層で構成されていますが、枝毛は表面から2つの層にダメージが起きることで発生します。
まず、髪の毛がダメージを受けると、キューティクルが剥がれてしまうことがあります。
キューティクルが剥がれてしまうと、コルテックスがむき出しになってしまい、そこからタンパク質や水分が流れ出し、髪の毛が傷んでしまいます。
また、タンパク質は細長い繊維状となっているため、縦方向に裂けやすくなっています。そのため、キューティクルが剥がれたことでコルテックスの水分が流れ出ると、髪の毛が縦に裂けてしまいます。
この現象が枝毛と呼ばれているものです。
枝毛の種類
枝毛には、その状態によっていくつかの種類があります。
ここでは、この種類について解説します。
毛先が枝分かれしている
枝毛の中で一番多いタイプが、毛先が枝分かれしているケースです。
毛先から2つに分かれていたり、細かく枝分かれしている場合もあります。
このタイプの枝毛は、髪の毛が細い人によく起こります。
毛先が途中で折れている
このタイプは、髪の毛の毛先が途中で折れている状態の枝毛です。
パーマなどで髪の毛が強いダメージを受けた場合によく起こる枝毛です。
髪の毛の途中で裂けている
このタイプは、髪の毛の毛先ではなく、途中の部分が裂けている枝毛です。
また、途中が輪っかになっている場合もあります。
このタイプの枝毛は、髪の毛が太い場合や、カラーリング剤などの強い薬剤を使った場合に起こりやすくなっています。
毛先が細い
このタイプは、毛先が極端に細くなっている枝毛です。
枝分かれしていないため、枝毛ではないと思われますが、枝毛に分類されています。
このタイプの枝毛は、髪の毛が長い人や、ヘアアイロンを使う人に多くなっています。
枝毛と切れ毛の違いは?
「枝毛」と似たようなものとして「切れ毛」があります。この2つは何が違うのでしょうか。
この両者ですが、どちらも原因はほぼ同じものとなっています。
髪の毛がダメージを受けてキューティクルが剥がれて、コルテックスの水分が流れ出た結果、縦に裂けてしまうと「枝毛」に、途中で切れてしまうと「切れ毛」になります。
髪の毛が傷んでいる状態は、少しの刺激で髪の毛が切れてしまいます。
枝毛になりやすい髪質とは?
髪の毛にはさまざまな髪質がありますが、枝毛ができやすい髪質はあるのでしょうか。
枝毛ができやすい髪質は、髪の毛が細く柔らかい「軟毛」の場合にできやすくなります。
これは、細くて柔らかい軟毛のコルテックスは密度が低く、キューティクルが薄くなっているためです。
そのため、軟毛の人は枝毛対策をより重視する必要があります。
枝毛を修復することは可能?
髪の毛が枝毛になった場合、その枝毛を修復することはできるのでしょうか。
残念ながら、一度枝毛になってしまった髪の毛を元に戻すことはできません。
その理由は、髪の毛には自分で修復する機能がないことにあります。
そのため、枝毛が気になるのであれば、その部分を切り落とすしかありません。
枝毛になる原因とは?
ここからは、枝毛になってしまう原因について紹介します。
枝毛になる原因としては、以下のものがあります。
・パーマやカラーによる薬剤によるダメージ
・ブラッシングなどの摩擦によるダメージ
・髪の毛を自然乾燥させたことによるダメージ
・ドライヤーなどの熱によるダメージ
・紫外線によるダメージ
・ストレスの影響
それぞれについて解説します。
パーマやカラーによる薬剤でのダメージ
パーマやカラーでは薬剤を使いますが、髪の毛に薬剤を使うことで、キューティクルがダメージを受けてしまい、キューティクルが剥がれることで枝毛になる場合があります。
髪の毛は弱酸性ですが、アルカリ性の薬剤を使うとダメージを受けてしまいます。
また、キューティクルを溶かす成分が含まれる薬剤もあるため、髪の毛がダメージを受けてしまいます。
パーマやカラーなどを普段からしている場合は、薬剤によるダメージで枝毛ができやすくなっているかもしれません。
ブラッシングなどの摩擦によるダメージ
ブラッシングなどによる摩擦や静電気などでダメージを受けると、キューティクルが剥がれてしまうことがあります。
キューティクルが剥がれることは枝毛の原因のひとつです。
無理にブラッシングをするなどで髪の毛が摩擦を受けてしまうと、その刺激によってキューティクルが剥がれてしまい、髪の毛の内部にある水分あdのが流出してしまいます。これにより枝毛ができやすくなってしまいます。
枝毛を防ぎたい場合は、摩擦ができるだけおきないように優しく丁寧にブラッシングをしましょう。
また、ブラッシングに使うブラシについても、ナイロン製よりも動物の毛でできたブラシのほうが、静電気が起きにくくなっています。
髪の毛を自然乾燥させたことによるダメージ
髪の毛を自然乾燥させることでもダメージを受けてしまい、枝毛になる場合があります。
キューティクルは髪の毛が濡れた状態になると開き、乾燥すると閉じるという特徴があります。
そのため、髪の毛を濡れたままにしておくとキューティクルが開いた状態が長くなり、髪の毛がダメージを受けやすくなってしまいます。
キューティクルが開いた状態は摩擦などに弱くなっていて、たとえば髪の毛が濡れたまま寝てしまうと、枕などとの摩擦によって髪の毛がダメージを受けてしまいます。
他にも、自然乾燥にすると髪の毛が濡れた状態が長くなるため、頭皮に雑菌が繁殖しやすくなり、かゆみなどの原因になる場合があります。
ドライヤーなどの熱によるダメージ
髪の毛は熱に弱いため、ドライヤーの熱によってもダメージを受けてしまいます。
髪の毛を自然乾燥させることはよくないため、ドライヤーで乾燥させるのが理想ですが、ドライヤーの使い方を間違えると、髪の毛が熱でダメージを受けてしまい、枝毛になる原因となってしまいます。
髪の毛は大半がタンパク質でできていますが、タンパク質は熱を加えると変性してしまいます。
このタンパク質の変性によって髪の毛が硬くなり、ダメージを受けてしまいます。
ドライヤーを使う場合は、髪の毛が熱を受けないように、距離を離して使うようにしましょう。
紫外線によるダメージ
紫外線によるダメージと言えば、肌へのダメージを考えるかもしれませんが、紫外線は髪の毛にもダメージを与えています。
髪の毛は常に紫外線にさらされているため、肌よりも多くの紫外線を浴びています。
この紫外線によるダメージによっても、枝毛になる可能性があります。
紫外線によって髪の毛のキューティクルが剥がれてしまうと、髪の毛が乾燥してしまい、少しの刺激でも枝毛ができてしまいます。
ストレスによる影響
ここまでは外的な要因による枝毛の原因を紹介しましたが、ストレスでも枝毛になる場合があります。
ストレスをかかえた状態になると、頭皮の血流が悪化してしまう場合があります。頭皮の血流が悪化すれば頭皮に栄養分が届きにくくなるため、髪の毛の育成に影響が出てしまいます。
その結果、枝毛になりやすくなる場合があります。
枝毛を予防する方法
ここからは、枝毛を予防する方法について解説します。
枝毛は基本的に髪の毛がダメージを受けることが原因であるため、ダメージを少なくすることが理想です。
ここでは、以下の予防方法について解説します。
・ブラッシングなどのダメージの予防
・自然乾燥によるダメージの予防
・ドライヤーなどの熱のダメージの予防
・カラーリングによるダメージの予防
・パーマによるダメージの予防
・紫外線によるダメージの予防
ブラッシングなどのダメージから予防する方法
枝毛の主な原因のひとつに、摩擦や静電気があります。
髪の毛のキューティクルはうろこ状になっていますが、無理にブラッシングをするなど強い摩擦を受けると、キューティクルが剥がれてしまいます。
これは枝毛の原因になってしまうため、摩擦はできるだけ減らすようにしましょう。
髪の毛が絡んでいる場合は、無理にブラッシングするのではなく、指で髪の毛をほどいてからにしましょう。
また、髪の毛が濡れた状態はキューティクルが開いているため、そのままブラッシングをするとダメージを受けてしまいます。
そのため、ブラッシングは髪の毛が乾燥している状態で行いましょう。
また、ブラッシング時の静電気を避けるため、ブラシはナイロン製ではなく、動物の毛でできたもの使うことをおすすめします。
自然乾燥によるダメージから予防する方法
髪の毛を洗った後に乾燥させるのが手間なので、自然乾燥させているという人もいるのではないでしょうか。
ただ、髪の毛を自然乾燥させることは枝毛の原因となってしまいます。
髪の毛が濡れた状態では、キューティクルが開いた状態になっているため、髪の毛内部のタンパク質や水分が流れ出てしまいます。
また、髪の毛が濡れた状態は摩擦にも弱いため、キューティクルが剥がれやすく、枝毛の原因となってしまいます。
他にも、髪の毛が濡れていると雑菌が繁殖しやすく、かゆみや臭いの原因になることもあります。
そのため、髪の毛を洗った後は、すぐにドライヤーなどで乾燥させるようにしましょう。
ドライヤーによる熱のダメージから予防する方法
髪の毛は自然乾燥をさせると枝毛の原因となってしまうため、ドライヤーなどで乾燥させるのが理想です。
ただ、ドライヤーの使い方によっては熱によるダメージを受けてしまいます。そのため、ドライヤーは正しく使う必要があります。
ドライヤーで髪の毛を乾かす場合は、まずタオルドライをして水分を十分に吸収してから、髪の毛の根元からドライヤーの風を当てていきます。
髪の毛に熱のダメージが行かないように、髪の毛とドライヤーは20cm程度距離を離しましょう。
ヘアアイロンなどは髪の毛に直接熱を与えるため、できるだけ使わないのが理想です。
カラーリングによるダメージを予防する方法
髪の毛の色は、コルテックスの内部の色素によって決まっています。
コルテックスにはメラニン色素が含まれていて、このメラニン色素を染めることにより髪の毛の色を変えることができます。
そのため、カラーリングに使う薬剤はコルテックスまで浸透させる必要があるため、キューティクルを剥がすための成分が含まれています。
当然ながら、キューティクルを剥がすと髪の毛がダメージを受けやすくなってしまいます。
そのため、頻繁にカラーリングをしていると、髪の毛のダメージが増え、枝毛になりやすくなってしまいます。
カラーリングによるダメージを防ぐには、カラーリングの頻度を下げるか、カラーリングをした後にトリートメントなどをするといいでしょう。
パーマや縮毛矯正によるダメージを予防する方法
パーマや縮毛矯正では、髪の毛の形を変えていますが、これは髪の毛のコルテックスより内部にあるアミノ酸の結合を切断することで実現しています。
まず髪の毛のアミノ酸の結合を切断し、髪の毛を柔らかい状態にしてから、髪の毛を好きな形に変えています。
この際、キューティクルも剥がれてしまうため、髪の毛がダメージを受けやすくなっています。
パーマなどによるダメージを予防するには、パーマの頻度を下げることが必要です。
紫外線によるダメージを予防する方法
髪の毛は紫外線からもダメージを受けています。
髪の毛が紫外線を浴びると、キューティクルを覆っているMEAという脂質が失われてしまいます。
MEAが失われると、キューティクル弱くなり剥がれやすくなってしまいます。
この状態では、少しの摩擦でもキューティクルが剥がれ、枝毛ができやすくなります。
紫外線によるダメージから髪の毛を守るためには、日傘や帽子を使ったり、紫外線予防効果があるオイルなどを使うといいでしょう。
枝毛ができた場合の対処法
残念ながら、髪の毛には自分で修復できないため、枝毛を修復することができません。
そのため、枝毛を放置していると見た目が悪くなってしまいますが、うまくケアをすることで見た目をよくすることができます。
ここでは、枝毛ができた場合の対処法について紹介します。
トリートメントなどで髪の毛を保湿する
枝毛ができているということは、髪の毛のコルテックスからタンパク質や水分が流れ出ているということになります。
そのため、トリートメントを使ってコルテックスに栄養分を補給しましょう。
また、トリートメントなどで髪の毛を保湿することで、枝毛を目立たなくできるという効果もあります。
枝毛は修復できませんが、髪の毛をきれいに見せることはできます。
枝毛をカットする
枝毛を修復することはできないため、見た目が気になる場合はカットするという方法もあります。
ただし、カットする場合には、いくつかのポイントがあります。
まず、枝毛になった場合は、枝毛の場所から上の部分がダメージを受けています。
そのため、カットする場合は、枝毛の部分から5cmぐらい上までカットするようにしましょう。
また、カットした際の断面が大きくなると、髪の毛の栄養分が流れ出やすくなってしまいます。
そのため、カットする場合は断面ができるだけ小さくなるように、垂直にカットするようにしましょう。
ヘアサロンでカットしてもらう
枝毛を自分でカットするのが難しい場合は、ヘアサロンでカットしてもらいましょう。
枝毛を予防するのに効果的なのは、こまめにカットすることです。
髪の毛は長くなればそれだけ毛先に栄養が行き届きにくくなります。
そのため、髪の毛が長いと枝毛もできやすくなります。
ヘアサロンで定期的にカットしてもらうことで、枝毛を予防することにもつながります。