肌の色素沈着とは?原因から直す治療方法まで徹底解説

肌に黒ずみやシミができると、「色素沈着かも?」と気になりますよね。
色素沈着は、紫外線や摩擦、ホルモンバランスの乱れなどによって引き起こされることが多く、一度できるとなかなか改善しにくいもの。
しかし、原因を知り、正しいスキンケアや生活習慣を取り入れることで、色素沈着を防ぎ、透明感のある肌を目指すことができます。
本記事では、色素沈着の仕組みや種類、予防法、効果的な改善方法まで詳しく解説します。
美肌を目指す方は、ぜひ最後までチェックしてみてください。
色素沈着とは?

肌の一部が黒ずんで見える状態が色素沈着です。
これは、肌が慢性的なダメージを受けた際に、防御反応としてメラニンが生成されることで発生。
メラニンが増えると、肌が黒くなり硬くなることがあります。
過剰なメラニンの分泌を抑えないと、黒ずみが定着しやすくなり、色素沈着が残ってしまいます。
一度できた色素沈着を完全に元の状態に戻すのは難しいため、早めのケアが大切です。
色の違いでわかる色素沈着の深さ

シミは生まれつきではなく、後天的にできる色素沈着です。
濃さには個人差があり、よく見ると茶色っぽいもの、黒っぽいもの、青みがかったものなど色調にも違いがあります。
この違いは、黒色メラニンの量と、その分布する深さによるものです。
メラニンが皮膚の表面に近いほど茶色っぽく見え、メラニンの量が増えたり、密集すると、こげ茶や黒色に近づいていきます。
灰色や青みがかったシミの原因
黒色メラニンは通常、皮膚の基底層に存在しますが、何らかの原因で真皮(皮膚の深い層)に入り込むことがあります。
これが、灰色や青みがかったシミができる要因です。
このタイプのシミは、メラニンが皮膚の奥深くに留まるため、肌のターンオーバーでは排出されにくく、改善が難しいとされています。
気になる場合は、皮膚科での診察を検討するとよいでしょう。
茶色や黒みがかったシミの原因
黒色メラニンは、多くの場合、表皮の基底層(皮膚の浅い部分)に存在しています。
茶色や黒みがかったシミやそばかすは、この比較的浅い部分にメラニンが蓄積することで生じるのです。
このタイプのシミは、肌のターンオーバーが正常に働くことで、メラニンが排出され、次第に薄くなったり消えることが期待できます。
色素沈着の種類と症状

メラニン色素は、肌の一番下の層にある基底層で生成されます。
通常は、ターンオーバー(肌の新陳代謝)によって自然に排出されますが、さまざまな要因によって過剰に作られたり、排出のサイクルが乱れると、肌に蓄積して色素沈着が生じます。
色素沈着は、紫外線や炎症、ホルモンバランスの変化などが引き金となり、発生する原因や特徴、適したケア方法が異なるのです。
まずは、自分の肌の色素沈着がどのタイプに当てはまるのかを確認し、適切な対策をおこなっていきましょう。
アトピー性皮膚炎
アトピー性皮膚炎を繰り返している部位は、かゆみや炎症を何度も起こすことで色素沈着が生じやすくなります。
炎症によって皮膚のバリア機能が低下し、外部からの刺激を受けやすくなるため、特に色素沈着が進みやすい状態になります。
老人性色素斑(日光性黒点)
輪郭がくっきりした丸いシミが特徴で、初めは薄い茶色ですが、徐々に濃くなり黒っぽくなることがあります。
大きさは米粒ほどのものから数センチに及ぶものまでさまざまです。
紫外線の影響を受けやすい頬骨のあたりなどにできやすく、早い人では20代から現れることもあります。
肝斑(かんぱん)
薄い茶色から黒っぽい褐色までさまざまな色味を持ち、境界がぼんやりとした地図のような形が特徴です。
女性ホルモンのバランスが乱れた際に発生しやすく、頬骨から頬、鼻の下から口周り、額などに左右対称に現れることが多いです。
特に30〜40代の女性や更年期の女性に多く見られます。
雀卵斑(じゃくらんはん)
一般的に「そばかす」と呼ばれるもので、直径1~5ミリ程度の小さな茶色い斑点が、頬や鼻周りに広がるように現れます。
遺伝的な要因が強く、幼児期から思春期にかけて目立ちやすくなり、加齢とともに徐々に薄くなるのが特徴です。
また、紫外線の影響を受けると濃くなる傾向があります。
ADM(後天性真皮メラノサイトーシス)
ADMは、「両側性太田母斑様色素斑(太田母斑)」とも呼ばれる青アザの一種で、通常のシミよりも深い真皮層に発生する色素病変です。
両側の頬骨付近や目の周り、額などに、灰色がかった茶色から黒っぽい褐色、または紫や青みを帯びた色素斑が現れるのが特徴です。
「肝斑」と見分けがつきにくいこともありますが、シミとは異なる治療法が必要になります。
色素沈着の原因とメカニズム

色素沈着が起こる要因と、それがどのように進行するのかを詳しく見ていきましょう。
炎症による色素沈着
炎症による刺激がメラノサイトを活性化させ、メラニンが過剰に生成されることで発生します。
通常、肌のターンオーバー(新陳代謝)によって徐々に色が薄くなりますが、炎症が強かったり長引いた場合、「炎症後色素沈着」として残ることがあります。
紫外線と日焼けによる色素沈着
色素沈着の主な原因のひとつが「紫外線」です。
紫外線が肌に浸透するとダメージを与えますが、メラニン色素はその影響から肌を守るために生成されます。
そのため、どれだけ美白治療や美白化粧品を使っても、紫外線対策を怠り肌が紫外線にさらされ続けると、メラニンの生成が止まらず、効果が十分に発揮されません。
特に「老人性色素斑」は、長年の紫外線ダメージの蓄積が主な原因とされています。
また、「雀卵斑(そばかす)」「炎症後色素沈着」「肝斑」も、紫外線の影響によって悪化することがわかっています。
摩擦による色素沈着
肌への「摩擦」は、紫外線と並ぶ大きな色素沈着の原因になります。
ナイロンタオルでゴシゴシ洗うだけでなく、シートタイプのメイク落としで強く拭く、自己流マッサージで力を入れすぎる、美顔器を強めに使う、ファンデーションを塗る際にパフでこすってしまうなど。
日常の何気ない動作でも肌に刺激を与えてしまいます。
肌は摩擦による刺激から守ろうとして角質を厚くし、メラニンの生成を促します。
その結果、色素沈着が起こりやすくなりますよ。
ホルモンバランスの乱れ・ストレスによる色素沈着
肝斑(かんぱん)は、妊娠や出産、ピルの服用、更年期などでホルモンバランスが乱れた際に分泌される「プラスミン(メラノサイト活性化因子)」がメラニンの生成を促すことで発生すると考えられています。
また、雀卵斑(そばかす)の主な原因は遺伝とされていますが、女性ホルモンの影響を受けやすく、妊娠中に目立ちやすくなることもあります。
さらに、メラニンを生成する「メラノサイト」は脳の神経系と密接に関係しており、強いストレスを受けるとメラニンの生成が活発になり、シミができやすくなるといわれているのです。
化学物質による色素沈着
化粧品に含まれるタール系色素や香料などの化学物質は、かゆみやかぶれなどのアレルギー反応を引き起こしやすく、これが色素沈着の原因になることがあります。
また、ナイロン製のタオルや衣類による摩擦、うるしやイチョウなど特定の植物との接触が刺激となり、色素沈着を引き起こすケースもあります。
色素沈着は原因によって適したケアや治療方法が異なるため、気になる場合はまず美容皮膚科を受診し、自分の色素沈着のタイプを正しく診断してもらうことが大切です。
色素沈着ができやすい部位

色素沈着ができやすい部位を見ていきましょう。
脇
カミソリで脇のムダ毛を処理すると、肌にダメージが蓄積され、次第に黒ずんで見えるようになることがあります。
色素沈着を防ぐためには、自己処理による刺激を避け、クリニックでの脱毛施術を検討するのも一つの方法です。
目の周り
目の周りの皮膚は非常に薄く、メイクやスキンケアによる刺激で色素沈着が起こりやすい部位です。
黒ずみが目立つと、顔全体の印象が老けて見えることもあります。
コットンや手で強くこする、クレンジング時の摩擦、美顔器の過度な使用などは避け、優しくケアすることが大切です。
肘や膝
肘や膝は特に色素沈着が起こりやすい部位で、頻繁に床や机につく動作をすることで黒ずみが生じることがあります。
また、ストッキングなどの衣類による摩擦も原因の一つです。
肘や膝の色素沈着は比較的ケアしやすいため、目立つ前にしっかり対策をしましょう。
顔周辺
目の周りと同様に、顔周辺も色素沈着が起こりやすい部位です。
スキンケアやメイク、マッサージの際に強くこするなどの刺激を与えないよう注意が必要です。
また、紫外線も色素沈着の原因となるため、日焼け対策をしっかり行い、適切なケアを心がけましょう。
デリケートゾーン
デリケートゾーンは、トイレットペーパーや生理用品、下着による摩擦や、頻繁なムダ毛処理によって色素沈着が生じやすい部位です。
また、粘膜に近く、色素沈着が起きても気づきにくいため、過度な刺激を避け、慎重にケアすることが大切です。
唇
唇にも色素沈着が生じることがあります。主な原因のひとつが、口紅やリップメイクの残留によるものです。
メイクを十分に落とさないと、色素が沈着しやすくなり、シミのように残ってしまうことも。
専用のポイントメイクリムーバーを使用し、唇までしっかりクレンジングする習慣をつけましょう。
ワキの黒ずみ対策
ワキの黒ずみは、摩擦による色素沈着が主な原因です。
そのため、肌のターンオーバーを整え、ダメージを軽減することが重要になります。
まず、保湿ケアを徹底 しましょう。
十分にうるおいを与えることで、肌のバリア機能を高め、黒ずみの進行を防ぎます。
肌荒れがない場合は、美白成分を含むクリームを取り入れるのも効果的です。
また、美容クリニックなどで行われる光治療 などの施術を受けることで、より効率的に黒ずみを薄くすることが可能。
栄養面では、たんぱく質やビタミン類を意識して摂取 することが肌の回復をサポートしますが、食事だけで黒ずみを改善するのは難しいため、スキンケアとの併用が必要です。
さらに、自己処理による刺激 も黒ずみを悪化させる要因となります。
特にカミソリや脱毛クリームなどは肌に負担をかけやすいため、低刺激の方法を選ぶようにしましょう。
ひじ・ひざ・ビキニライン・デリケートゾーンの黒ずみ対策
黒ずみを悪化させる大きな原因の一つが、肌への摩擦刺激 です。
そのため、ナイロンタオルや硬いスポンジ、ブラシなどの使用は避け、できるだけ優しく洗うこと を心がけましょう。
また、黒ずみが気になる部分にかゆみがある場合 は、無理にこすらず、早めに皮膚科を受診することが大切です。
医師の指導のもと、ステロイド外用薬や抗ヒスタミン薬の服用 などで炎症を抑える治療が行われることもあります。
肌を守るためには、日常的な保湿ケア を徹底し、衣類や下着の摩擦を軽減する工夫も重要です。
色素沈着を防ぐための予防策

色素沈着ができてしまった場合は適切なケアが必要ですが、日頃から対策を行うことで防ぐことができます。
以下の予防策を実践し、透明感のある肌を保ちましょう。
紫外線対策を徹底する
紫外線は色素沈着の大きな原因となるため、外出時は顔や首、デコルテ、手先にも日焼け止めをしっかり塗りましょう。
高価なものにこだわる必要はなく、十分な量を使い、摩擦を避けて優しく塗ることが大切です。
また、SPFの値や環境に応じて、適宜塗り直すことも忘れないようにしましょう。
保湿を徹底する
乾燥は色素沈着だけでなく、シワやシミ、肌荒れなどさまざまな肌トラブルを引き起こします。
色素沈着を防ぐためにも、特に乾燥しやすい季節はしっかりと保湿対策を行いましょう。
美容液や保湿クリームの使用に加え、加湿器や保湿ミストを活用するのも効果的です。
ムダ毛の自己処理を控える
カミソリを使ったムダ毛処理は、できるだけ控えめにしましょう。
カミソリの刺激は肌にダメージを与え、防御反応としてメラニン色素の生成が促されます。
また、処理後の肌は乾燥しやすく、保湿を怠ると色素沈着が悪化する原因にもなります。
適切なケアを心がけ、肌への負担を最小限にしましょう。
美肌を育むために欠かせない3つの栄養素とおすすめの食材を摂取する
肌の健康を維持し、色素沈着を防ぐためには、スキンケアだけでなく内側からの栄養補給も重要です。
特に、美肌づくりに欠かせない以下の栄養素を意識して摂取しましょう。
美肌のための栄養素と食材
ビタミンC | ブロッコリー、ピーマン、レモン、イチゴ |
ビタミンA(βカロテン) | ほうれん草、トマト、にんじん |
良質なタンパク質 | 肉、魚、卵、牛乳、チーズ |
ビタミンC(抗酸化作用)
豊富な食材: ブロッコリー、ピーマン、レモン、イチゴなど
ビタミンCは、肌の酸化を防ぐ強い抗酸化作用を持ち、シミやくすみ、たるみの予防に役立ちます。
また、コラーゲンの生成を助け、肌のハリや弾力を保つためにも欠かせません。
ビタミンA(βカロテン)
豊富な食材: ほうれん草、トマト、にんじんなどの緑黄色野菜
肌や粘膜の健康を維持し、ターンオーバーをサポートする栄養素。抗酸化作用が高く、肌トラブルの予防にも効果的です。
良質なタンパク質
豊富な食材: 肉、魚、卵、牛乳、チーズなど
タンパク質は、肌細胞の再生や修復に必要不可欠な栄養素。健康的な肌を保つためには、十分な量をバランスよく摂ることが大切です。
色素沈着の解消に有効な成分

色素沈着は、一度できてしまうと自然に薄くなるまでに時間がかかるため、適切なケアが必要です。
スキンケアや生活習慣の見直しに加え、効果的な成分を取り入れることで、より効率的に改善を目指すことができます。
ここでは、色素沈着の解消に役立つ成分として ハイドロキノン・ビタミンC誘導体・プラセンタ の3つを紹介します。
ハイドロキノン | メラニン生成を抑制し、シミの改善を促進 |
ビタミンC誘導体 | メラニンの生成を抑え、既存の色素沈着を薄くする |
プラセンタ | ターンオーバーを促し、メラニンの排出を助ける |
ハイドロキノン
ハイドロキノンは、「美白効果」や「シミの改善」が期待できる成分として注目されています。
日本では2002年に認可され、医療機関だけでなく、市販の化粧品にも配合されるようになりました。
この成分は、メラニンの生成に関わる酵素「チロシナーゼ」の働きを抑えることで、色素沈着によるシミの改善が期待できます。
しかし、刺激が強いため、高濃度のものや肌が敏感な方は炎症やかぶれを起こす可能性があります。
使用する際は、医師と相談しながら試すか、市販の化粧品を選ぶ場合は説明書をよく読み、正しい方法で使用することが大切です。
ビタミンC誘導体
美白といえば、ビタミンC誘導体を思い浮かべる方も多いでしょう。
ビタミンCは不安定な成分のため、そのままでは化粧品に配合しにくいのですが、安定性を高めて肌に浸透しやすくしたものが「ビタミンC誘導体」です。
ハイドロキノンと同様に、メラニン色素の生成に関与するチロシナーゼの働きを抑え、シミやそばかすの予防だけでなく、すでにできた色素沈着の改善も期待できます。
さらに、皮脂分泌を抑える作用があるため、ニキビの予防にも有効です。
ただし、皮脂抑制の影響で肌が乾燥しやすくなることがあるため、乾燥肌の方はしっかりと保湿ケアを併用することが大切です。
プラセンタ
色素沈着を改善するには、肌のターンオーバーが正常に働くことが重要です。そのサポートとして注目したいのがプラセンタです。
プラセンタには皮膚細胞の再生や修復を促す成長因子が含まれており、ターンオーバーを整えてメラニンの排出を助けることで、色素沈着の改善が期待できます。さらに、抗炎症作用もあるため、肌の炎症を抑え、色素沈着の発生を防ぐ効果も期待できます。
これまで紹介した有効成分は、肌の状態や悩みに合わせて適切に選ぶことが大切です。
特に深刻な肌トラブルがある場合は、自己判断せず、皮膚科医に相談しながらスキンケアに取り入れるようにしましょう。
炎症後色素沈着の治療方法

- 顔など目立つ部分にあるため、できるだけ早く治したい
- セルフケアを続けてもなかなか改善しない
- 何年も消えずに残っている
このように、自然に薄くなるのが難しい場合や、できるだけ早く治したい場合は、美容皮膚科で適切な治療を受けることをおすすめします。
フォトブライト(ライムライト)
フォトブライト(ライムライト)は、炎症後色素沈着の治療法として特におすすめの方法です。
顔に光を当てるだけで、薄いシミから濃いシミまで幅広く効果を発揮し、広範囲に照射できるため、顔全体に複数のシミがある場合でもしっかり対応できます。
さらに、シミやくすみだけでなく「赤み」にも効果があるため、透明感のある美白肌を目指すのに適した治療法と言えるでしょう。
レーザートーニング
レーザートーニングは、弱い出力のレーザーをシミの部分に繰り返し照射し、肌内部のメラニンを少しずつ排出する治療法です。
治療中の痛みはほとんどなく、施術後のダウンタイムもないため、日常生活に影響を与えずに継続しやすい点が特徴です。
さらに、レーザートーニングはシミだけでなく、くすみやシワ、毛穴の開き、肌のキメの乱れにも効果が期待できるため、総合的な美肌ケアとしても注目されています。
ケミカルピーリング
ケミカルピーリングは、ニキビや炎症後色素沈着の改善に効果的な治療法です。
サリチル酸やグリコール酸などの酸の作用で、肌表面に蓄積した古い角質を溶かし、ターンオーバーを促進します。
広範囲に施術できるため、大きなシミや顔全体のくすみにも有効です。
さらに、現在あるニキビにも効果があり、ニキビとニキビ跡が混在している場合は、炎症後色素沈着を防ぐための予防ケアとしてもおすすめの治療法です。
内服薬・塗り薬による治療
クリニックでは、シミの状態に応じて内服薬や塗り薬を用いた治療が提案されることがあります。
個々の症状に合わせて、メラニンの生成を抑える薬やメラニンの排出を促す薬が処方されるため、肌の状態に適したケアが可能です。
シミ治療が原因で炎症後色素沈着が起こることも
レーザー照射やケミカルピーリングなどのシミ治療後に、まれに炎症後色素沈着が発生することがあります。
これは、施術後の敏感な肌に紫外線や外部からの刺激が加わることで引き起こされる可能性があるためです。
しかし、この色素沈着もターンオーバーが正常に働いていれば、時間の経過とともに自然に薄くなり、目立たなくなることがほとんどです。
炎症が原因でできるシミ「炎症後色素沈着」

ニキビや傷、虫刺され、かぶれなどの炎症が治まった後に残るシミを「炎症後色素沈着(えんしょうごしきそちんちゃく)」といいます。
このシミは時間の経過とともに自然に薄くなることが多いですが、消えるまでに数年かかることもあります。
また、紫外線を浴びることで色が濃くなり、より目立ちやすくなるため、日焼け対策を徹底することが大切です。
炎症後色素沈着の原因
肌に炎症が起こると、メラノサイトが刺激され黒色メラニンが過剰に生成されます。
このメラニンが正常に排出されず、炎症が治まった後に肌に残ることで、シミとして現れるのが炎症後色素沈着です。
特にニキビを潰した跡(ニキビ跡)は、紫外線を浴びることでシミになりやすいため注意が必要です。紫外線対策を徹底し、適切なスキンケアを心がけましょう。
炎症後色素沈着の対処法
炎症後色素沈着の対処法は2つあります。
紫外線対策を徹底する
炎症を起こした部分に紫外線が当たると、色素沈着が進みやすくなります。
日焼け対策をしっかり行い、ニキビができた際もUVケアを徹底することが大切です。
ターンオーバーを促進し、色素沈着をケア
黒色メラニンの生成を抑えるために、ビタミンCを多く含む食品を積極的に摂取しましょう。
また、肌のターンオーバーが乱れると色素沈着が薄くなりにくくなるため、L-システインを含む食品を併せて摂るとより効果的です。
注意すべき色素沈着

色素沈着には個人差があり、大きさや形状だけで安全か危険かを判断するのは難しいものです。
特に、以下のような特徴を持つシミがある場合は、専門医の診察を受けることをおすすめします。
足の裏や爪に現れるシミ
足の裏や爪など、普段あまり紫外線を浴びない部位にシミが現れる場合、「悪性黒色腫(メラノーマ)」の可能性が考えられます。
メラノーマは皮膚がんの一種で、日本人では特に「足の裏」「手のひら」「手足の爪」に発生しやすい「末端黒子型黒色腫」が多く見られます。
通常、紫外線の影響でメラニン色素を生成する「メラノサイト」が活性化し、シミが発生。
しかし、日光に当たる機会が少ない部分にシミができる場合、メラノサイトが異常をきたしている可能性があるため、注意が必要です。
時間とともに大きくなるシミ
最初は小さかったのに、気づいたら徐々に大きくなっているシミはありませんか?
このようなシミは、「表在型基底細胞癌」と呼ばれる皮膚がんの一種である可能性があります。
基底細胞癌は、皮膚がんの中でも最も多く見られるタイプで、悪性度は比較的低いとされているのです。
放置すると広がることがあり、進行すると治療の負担も大きくなります。
早期に発見できれば、病変部分を切除するだけで完治することがほとんどです。
ただし、発見が遅れると広範囲の切除が必要になったり、転移のリスクが高まることもあるため、変化を感じたら早めに専門医に相談しましょう。
ザラザラとした質感のシミ
指で触れると紙やすりのようにザラザラとしたシミがある場合、「日光角化症」の可能性があります。
日光角化症は、皮膚がんの一種である「有棘細胞癌」に進行する前の段階とされ、早めの治療が重要です。
名前のとおり、紫外線の影響で発症するため、特に顔や手の甲など日光を浴びやすい部位にできやすく、紫外線によるダメージが蓄積された高齢者に多く見られます。
また、日焼けすると黒くならず赤くなる肌質の人は、発症しやすい傾向に。
治療法としては、手術での切除、液体窒素による凍結治療、塗り薬による治療などがあり、症状に応じた方法が選択されます。
シミの表面に違和感を感じたら、早めに専門医に相談することをおすすめします。
まとめ

色素沈着は紫外線や摩擦、炎症、ホルモンバランスの乱れなどが原因で発生しやすく、放置すると改善が難しくなります。
適切なスキンケアや生活習慣の見直しで予防・改善が可能ですが、治りにくい場合は美容皮膚科での治療を検討するとよいでしょう。